2009年07月23日

二人は奔放な生活を送っていた

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ちょっとした小話

大学で二人は奔放な生活を送った。
人目もはばからずに毎日キャンパスを歩いて週末には海に行ったりして4年間を過ごした。

春。卒業。

一人は地元の銀行に就職し、もう一人は都会の大手系銀行に就職した。

その後も時々連絡を取り合っていたが、当時は今と違いeメールもなく電話代も高く、時々の手紙も日常の忙しさの中でついつい遅れがちになっていき、互いに忙しいままに次第に連絡も取らなくなってしまって月日は過ぎていった。

その後お互いに銀行の中で頭角を顕して二人とも20代後半で銀行の中枢ポジションを担当することになった。

お互いに幸せな結婚もして将来を約束されていた二つの家族に、ある日突然・・・。

バブル崩壊後の日本の銀行業界ではビッグバンが起こり、金融の嵐の中で次々に合併が始まった。

そしてある日大手銀行と地方銀行が合併をして出来た新しい部署に行くと、そこには彼の姿が。

数年ぶりに逢う二人。見つめ合う二人。

それからは同じ職場と言うこともあり、二人肩を並べて仕事をこなしていった。お互いに仕事が出来るからという事で周囲からも期待をされていた。

そんなある日、合併した職場を親睦させるために、課長の計らいでスタッフ全員が集まる懇親会が開催された。

「え?あなた達同じ大学だったの〜?やっだ〜、何で言ってくれなかったの〜!(笑)」

何にも知らない妻は明るく皆に挨拶をしながら両家族は楽しい一時を過ごした。

それから数ヶ月。職場でも「お、お前ら同じ大学出身なのか」と公認になり「おいおい、お前らあんまり遅くまで仕事するんじゃね〜ぞ」とか冷やかされながらも、二人は楽しいときを過ごした。

けれど二人は毎日を過ごすうちに、どうしてもお互いの事を忘れらなくなってしまい、たった一瞬でも他の人間と過ごすことに耐えられなくなった。

ある日彼は突然打ち明けた。

「ねえ、二人で誰も知らないどこかに行こうよ」

そして二人はある朝、手に手をとって飛行機に乗って誰も見知らぬ土地に旅立っていった。

あとに残された彼ら二人の奥さんは、お互いに顔を見合わせるばかりであった。


まあ、世の中いろんなことがありますね。

 



tom_eastwind at 12:32│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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