2009年07月30日

クイーンズタウン出張初日

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今日からクイーンズタウン入り。今年の冬から新たにクイーンズタウンで医療通訳サービスを提供するにあたって関係各社へのご挨拶。

 

中には顔を見た瞬間に「あれ〜!あんた、何してんの!」とびっくりされたり。そう、この業界は僕の古巣であり、20年経ってもまだ業界で働いている人がいるのだ。

 

各旅行会社のオフィスは以前と変わらないけど、それでもガイドさんとかはさすがに昔の人は殆どいない。

 

今年は雪もよくスキーヤーがオーストラリアを中心にしてどんどんやってきてる。街は賑わいホテルは賑わい、あれれ、けど日本の旅行会社はそうでもないか。

 

スキーと言えばバブル期の「私をスキーに連れてって」の原田知世の何とも可愛い「ばっきゅ〜ん!」であるが、ありゃ1987年の作品。

 

あの頃はそれこそ日本人が大挙してクイーンズタウンにやって来てた。とにかく山を見ると日本人スキーヤー、街のレストランを見れば日本語メニューだらけで、一人700ドルのヘリスキーがバンバン売れてた時代だ。

 

ところが時代が変わってしまい、スキーヤーが激減したし更に年齢が高齢化した。要するに若者がスキー自体に興味を持たなくなったのだ。

 

あんな寒いところ、誰が行くかよ。ケータイあってコタツに入ってりゃそれでいいじゃん。

 

スノーボード離れが進んでいるというけど、スノーボードだって所詮は若者が流行の一つとしてやってただけであり昔からのコアスキーヤーは皆スノーボードなんて乗らない。だからスノーボードの問題ではなくスキーと今の若者世代の問題なのだ。

 

海外旅行が対前年で30%以上の落ち込みを見せているけど、これは別にインフルエンザとかじゃなくて、単純に日本人が海外旅行に行かなくなったからだ。スキー客が激減しているのも同じで、日本のスキー場がどこも日本人スキーヤーがいなくなって困っているのと同じ。

 

クイーンズタウンは最近ではコロネットピークのスノーマシンやNZの寒冷化が進んでいるせいで非常に雪が良くて、オーストラリアからじゃんじゃん飛行機が乗り入れてる。友人の中華レストランも、お客は殆どがオージーか欧州の白人って感じ。

 

「川の流れは絶えずして、しかも元の水にあらず」とはよく言ったものだ。

 

クイーンズタウンと言う町は夏は観光客、冬はスキーヤーを集めて常に賑やかではあるが、訪れる人々の層にどんどん変化が出ているのだ。

 

だから日本人に特化した旅行会社はどこも苦戦の真っ最中。NZ大手の日系旅行会社も次々とクイーンズタウンオフィスを閉鎖している。

 

あ〜あ、1980年代のあの景気を知ってる僕からすれば、全く残念である。

 

けど仕方ない、旅行を国民に定着させるような仕組み作りをしなかった業界自体の問題だもんね。

 

結局一番の原因は旅行会社自身にある。1970年代にジャンボ機が就航するようになってからは、お客の代わりに旅の楽しみを発見するのではなくとにかく飛行機にたくさん人を押し込んでしまうのが優秀な社員と言われた。

 

そうなってしまうと野菜のたたき売りと同じで、あっちがいくらならこっちはいくら!みたいな競争になってしまい、一番大事な「何故旅に行くのか?」と言う点が忘れられてしまった。

 

その結果として旅そのものが楽しくない、面倒くさいという風潮になってしまった。ましてや旅行会社なんかを使ったらお土産屋とまずい団体向けレストランにしか行かないのだから使うわけもない。

 

それに比べればオーストラリアからやってくる連中は遊びをよく理解している。山でガンガンスキーして街でガンガンビール飲んでレストランでガンガン飯食って、とにかく一日中騒ぎながら楽しんでる。

 

最近ではロードオブザリングスのおかげで米国人も増えており、クイーンズタウンの活気はあいも変わらずである。

 

雪をかぶって真っ白な山の景色が空の青さに映えて、湖の青さが街を光り出している。

 

会う人皆が心優しくなれる街。

 

まさに「クイーンズタウン、今宵会う人皆美しき」である。

 



tom_eastwind at 16:03│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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