2009年08月16日
お台場 船の科学館
笹川良一って男がいる。戦前から政治活動を行い、特高に逮捕されたりした右翼であるが、戦後も気合かけて生きてきて、巣鴨の戦争犯罪者が収容されている刑務所にわざわざ犯罪を起こして入り込み、A級戦犯に説教を垂れたという大物だ。
その後は競艇の利権を全部押さえて日本最大の右翼の一人となったのだけど、彼は戦後の日本を見事に生き抜いて逃げ切った大物と言える。
そんなおじさんが祭られているのがお台場にある「船の科学館」。でもってガンダムのついでにここも見学してきた。
「人類は皆兄弟!」、テレビで宣伝するほどのおやじであるが、それなりに根性はあるし言ってる事も間違ってない。きちっと筋の通ったおやじである。
最近特に思うのだけど、命を捨ててかかってる連中ってこの世の中にどれくらいいるのだろうか。
何かと言えば長生きとか健康とか理屈とかどうのこうのであるが、そいでもって立派なスーツとネクタイは身に付けているけど、命を賭けて仕事をするって感じがしない。
ビジネスは騙した方が勝ち、くらいに思ってるのに、騙された方は仕返ししますよって言うと「え?それ、おかしくない?あれってビジネスでしょ、やめてよそんなこと」となる。
ざけんなっちゅうの。人はいつも自分の言葉と行動に責任を取る必要があるのです。
「あんた、自分の言ったことに責任取りますか?」となると、結局もごもごする人間ばかりの中では、笹川良一なんて立派なもんだなと思う。
ただ一個残念だったのが、館内で日本が戦後作り上げた優秀な技術を見ながら、まるで古代の、滅びてしまった民族の歴史を見ているような気持ちになったこと。
今では神戸も横浜も世界の港のベスト10にははいっておらず、造船は韓国に抜かれ、過去の栄光にしがみ付いているけど結局は「終わってしまった国」になっている日本。
スペインとかポルトガルとか16世紀にぶいぶい言わせた国が今では老人が日なたのソファで両足を広げて赤ワインを飲みながら移り行く世間を見ているような感じ。
今の日本は、本当にスペインのようになるかもしれない。正直、笹川良一のような、方向性は別にしても根性のある気合の入った命賭けたような人に出てきて欲しい、そうでないと日本、明日がないぞと思った。