2009年12月10日

遺産申告漏れ

d28a5344.JPG

遺産申告漏れ、海外関連が過去最多 08事務年度、353億円

 

 今年6月までの1年間(2008事務年度)で相続税の税務調査で見つかった申告漏れのうち、海外資産が絡む申告漏れ額が前年度比14.5%増の353億円と過去最悪を更新したことが10日、国税庁のまとめで分かった。統計開始の01事務年度以降毎年増加。国税庁は「富裕層の資産運用多様化に伴い海外の保有資産が増えている」と分析している。

 

 08事務年度の海外関連の調査件数は前年度比16.7%増の475件。申告漏れは同12.9%増の377件で、うち仮装・隠ぺいを伴う遺産隠しは同50.0%増の63件だった。1件当たりの申告漏れ額も1.5%増の9362万円と2年連続で増えた。

 

 ある男性会社役員の遺産のケースでは、生前に「日本に取り寄せない限り税務署にはばれない」と発言していたことなどから、相続人が海外の遺産を申告から除外。約2億円が遺産隠しと認定され、計約1億円を追徴課税されたという。(00:38)

 

政府税調、相続税の強化検討 租税特別措置で査定案

 政府税制調査会は17日から2010年度税制改正に向けた本格討議に入る。租税特別措置の見直しは財務省が各省庁に提示する査定案をもとに議論する。地球温暖化対策税などの主要課題に加え、相続税の課税強化も議題にする。富裕層の税負担を増やし、所得再分配の機能を強化する狙いがある。

 (07:00)

 

 

★ここまで本日の日経新聞より転載。

 

やっぱり始まりましたね、富裕層狩り。

 

政府は税制全体を見直す中で富裕層向けの課税を強化しようとしている。これは分かりやすくいえば「取れるところから獲る」という事だ。

 

税金は国家運営にとって最も重要なものであり、社会政策を実現する為に誰からいくら徴収するのか、その公平感が最も重要である。

 

この公平感とは、徴収される側から見ても「そうだよな、これなら払ってもいいよな」と思わせ、さらに払った金の使い道が「あ、これに使うんだったらOKだよな」と思わせないといけない。

 

ところが今までは払うほうは「何でおれが?」と言う気持ちがあり、使い道に至っては全く意味不明、車が通らない高速道路や観光名所にしかならないダムとか、要するに政府と役人が勝手に流用していたから、国民の間で不公平感があったのだ。

 

それでも昭和後期の経済成長期であれば「明日は今日よりよくなる」と思えたからそれほど文句も言わなかった。

 

けど今の時代になって社会保障が次々と切り捨てられる中で給料が上がらない年金はもらえないと分かってしまえば「明日は今日より悪くなる」としか思えない。

 

そうなると税金を払う意味が分からなくなるのだ。

 

だからこのあたりで税金を全て見直していこうねと言うのが元々の税制改正のはず。

 

ところが今は政府の税収が急激に落ち込んでいるから何とかして取れるところから獲るしかない。そうなると今現在カネを持っている人が目標となるのは当然だ。

 

なおかつ遺産相続税であれば、本人はすでに死んでいるから文句も言わない。受取人だって自分で稼いだ金ではないからそれほど文句も言えない。お、獲りやすいではないかとなる。

 

だもんでここで50%課税させてもらいますよって事になる。新聞も政治の味方だからこんなときには「仮装、隠蔽」と言う言葉を使うが、世間ではそれは「節税」と呼ばれた合法的な処理である。けどこれになんだかんだといちゃもんを付けて「仮装、隠蔽」にしてしまうのがプロの税務署集団である。

 

ほんっと、この手の話は尽きる事がないけど、こうやって富裕層狩りをやるってのは問題の根本をおろそかにしたまま表面だけ処理をするようなものであり、根本的な税に対する議論と国民の理解を得ないままに「民には言うな、知らせるな」って感じで勝手に役人が法律を作るからいかん。

 

税金は国家運営で必要かつ欠くべからざるものであるのは当然であることを前提にして、その上で税の公平感を持たせるにはどうするか?

 

例えばニュージーランドを見てみれば、人口400万人のちっちゃな国家だけどここ十数年国家経営は黒字である(今年だけは金融危機で赤字になる)。

 

国民も税金の負担は当然だと理解している。(もちろんどこの国に言ってもクレーマーはいるけどね、NZの場合はそれが日本人だったりするから困る)。

 

国民は一般的に税金をきちんと払う。企業経営者もその意識を持っている。何故ならそのお金の8割は社会保障や教育医療に使われており、非常に透明度が高いからだ。

 

払う金額も使い方も納得出来るから税金を払う。その結果として国家が安全に運営される。ほら、これが普通でしょう。

 

僕自身も会社で税金を払い個人で税金を払いしているけど、不満は全くない。これで治安、教育、医療、全部国が代行してくれてるから、払うのが当然ではないかと思える。

 

じゃあ何で日本が普通でないのか?それは政府が国民を国家の資源(領民)であると考えて、資源をいかに有効活用するかと考えるから、国家が作るダムの方が医療保険や教育よりも大事となるのだ。

 

だってそうだろう、領民なんてほっとけば子供を産むんだしいちいち教育なんて身に付けさせる必要はない、賢くなって困るのは政府ですからね。

 

そうやってごく一部のエリート集団がこの国を運営してきたのだけど、すでに制度自体にガタが来ている現在、人々にやる気を出させて安心感を与える政策に転換すべきであり、その為の税制見直しとなるべきだ。

 

でもって民主党の動きはもちろん基本的に「良い方向」に見直しをしていると思うが、現実として財源がない。それなら1400兆円の個人資産を戴きましょうとなるのは、これもある意味当然の帰結である。

 

という事はこれから個人資産を持っている人は、それを黙って政府に差し出して死ぬまで一生懸命働くか、思い切って政府相手に「納税拒否」をするかである。でもって海外移住。

 

政府もバカではない。だからこのニュースにもあるように「海外資産の監視強化」となったのだ。

 

今までは政府側に海外資産についての把握方法が明確でなかったが、これからは厳しくなるぞ。案の定の流れである。

 

ただ、日本政府に対しては「その税制、本当に平等ですか?」と聞くべきではなかろうか?

 

父親の資産は父親が頑張って働いて納税して、そして残したお金、つまりすでに高い税金を払っているのである。そのお金は政府に差し上げる為に貯金したのではない。自分の子供たちのためである。

 

なのにその資産の半分を国家が持っていくってのはどういう事だ?何もせずに税金ばかり取っておいて、更に死んだ後も税金獲るのか?だったら使い道をもっと明確にしろ。役人が自分たちだけ高いボーナスや天下りを保証された中で、一体何処が公平なのだ?

 

要するに多くの資産家は税金を払う事の意味は分かっているし払う事も納得している。けど今のような使い方では納得出来ないと言ってるだけなのだ。

 

ニュージーランドでは家族信託会社が作れてそこに父親が入れた資産についてはすべて無税で家族が受け取る事が出来る仕組みがある。

 

これは、家族の財産は財布が一つであるという考え方に基づく。また、すでに父親が資産を作る際に納税しており、それに再度税金をかけるのはおかしいという考え方がある。

 

つまり、国家にとって家族とは何か、税法の平等とは何か?そういう点をきっちりと議論する必要があるのだ。

 

それなしに今の日本のように「取れるところから獲る」をやっているからいつまでたっても不満が収まらないのだ。

 

例えば法の下の平等と言うのなら、政治家はどうなるのだ?父親が子供に譲る政治資金、地盤、後援会組織には一切課税されてないではないか。あれなんて一体どれだけの価値があるか分かっているのか?

 

一般市民からは鬼のように取り立てるくせに、政治家はうるさいから課税しないってのは、完璧な二重標準でしょ。要するにそんな安易な姿勢だから国民が反発するのだ。

 

だったらいっその事、国民全員が納税拒否してみればどうだろう。その上で役人に自分たちがやってた事をきっちりと総括させるのだ。

 

一人二人ならケーサツが逮捕ってことになるだろうけど、ある日突然、すべての国民が納税を停止したら、さすがに全員を逮捕なんてことは出来ない。

 

それくらいの騒ぎを一回くらい起こしてみないかな、にほんっじん。

 

写真はクイーンストリートのクリスマス。空は明るいし道行く人は上向いてて楽しそうです。今日より明日の方がもっと幸せになれる、そう信じる事が出来る国なんですね。

 

 



tom_eastwind at 11:25│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔