2010年01月13日

生命保険は誰のものか

生命保険は誰のものか

出口治明さんというライフネット生命保険社長が書いた本。数日前に書いた「体制側の硬い本」である。

頭が良くて理論的で、日本のセイホを世界に広めた人でもある。独立系の生命保険会社を設立して保険の原価を一般大衆に広めようとしてる。

その道具として本の出版もしたわけで、あれれ、おれ、この人の事、好きになれないかも。

いやさ、悪い人ってんじゃなくて、すんごいエリートで賢くて立派なんだろうけど、だからこそ根本的な問題を感じてる。

今までの保険会社が営業女性を使って組織的に企業に売り込みをかけてそれで日本のセイホが成立してたわけで、その時代をまさにど真ん中で生き抜いてきたわけで、今になって「今までの保険業界は変わるべきだ」って、ううううんんんん、どうなんだ。

彼が書いている事はまさに正論であり業界内部にいながら難しい言葉ではなく簡単に保険の仕組みを説明しようってのは有難いし勉強になるし、けどさ、だったら何で最初からそうしなかったのか?

つまりセイホのカラクリに問題を感じたらその時点で飛び出すべきであり、その時点でセイフのキセイが厳しいから保険を売れませんってんなら、違う商売をするなり、自分で納得する生活手段を選ぶべきではなかったか。

過去に鯨を、その油だけ取って肉を捨ててた米国人が今になって捕鯨を「ありゃ過去の私が間違ってました、けどやっぱり捕鯨はだめです、だからニホンジン、捕鯨は駄目です」と言ってるようなものだ。

理論的には非常に良くできた本だけど、感情的に納得出来ないぞ。それでも本としてはきちんと価値がある。お金を払っただけのことはある。

副社長の本と合わせて読んだので生命保険については非常に勉強になりました。たしかに普通のニホンジンとして生きていくなら一度は読んでおくべきでしょう。


生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと生命保険はだれのものか―消費者が知るべきこと、業界が正すべきこと
著者:出口 治明
販売元:ダイヤモンド社
発売日:2008-11-29
おすすめ度:4.5
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tom_eastwind at 00:58│Comments(0)TrackBack(0) 最近読んだ本  | 諸行無常のビジネス日誌

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