2010年01月17日

住む場所

cd510c51.jpg自分の好きな夜景の一つがオークランドだ。この街は朝も昼も綺麗だけど、とくに月の出てる晴れた夜にノースショアから見るシティの夜景と、同じく晴れた日の夜のシティから見たノースショアの夜景がとても好き。

30年ほど前に生まれて初めてニュージーランドに来た時、真夜中のフライトで機内の窓から眺めると、オークランドの街はまるで黒と緑のベルベットの上に宝石を散りばめたような美しさだったことを覚えてる。

それも東京のように宝石が固まっているのではない。宝石一つ一つが適度な距離を取りながら打ち広げた波打つビロードの柔らかな布の上に散らばっており、まさに宝石を見るような感じなのだ。

夜、シティのアパートから眺める30年後の今日もその美しさは変わらない。街は広がりを見せてビルは増えたけど、基本的に街の空間が守られている。

仕事の都合で一ヶ月だけ住むようにした久しぶりのシティだけど、坐っているソファからはスカイタワーが真正面に見えるし、その向うにはハーバーブリッジの灯りも見える。

遥か25階下の地上では、今晩も若者が楽しそうにどんちゃん騒ぎをしている。そんな音も街の背景に溶け込んでいる。

こういう美しさを感じるのは、もう一箇所ある。それは香港時代に住んでたアパートだ。

電車で官糖(ちょっと綴りは違うけどクントン)を降りてミニバスで10分、小高い山の中腹にある秀茂坪と言う街だ。1960年代に多くの難民が香港に流れ込んだ時に作られた住宅団地である。

初期のアパートは7階建てでエレベーターなし部屋にキッチンなしトイレなしシャワーなし、まさに寝るだけのスペースしかなかった。それでも避難民からすれば屋根のある場所に住めるだけで幸せだった。

じゃあ飯はどうするのか?答えは簡単、すべてのアパートの1階が朝食から夕食まで食べられるレストランが数軒入っているのだ。レストランが自分の食卓、ある意味ぜいたく。

それが人口増加によってどんどん新しいアパートが建てられるようになり、ぼくの住んでた頃は自宅にトイレシャワー(水洗トイレではない。トイレの上にシャワーの蛇口があるやつ)もキッチンもあった。

その後90年代に入って住宅公団から前面建て替えの要請とともに新築のアパートに移ったのだが、これはお風呂とトイレが別(つまりホテルのユニットバス)になると言う最新型。そんなアパートで3年ほど過ごしたのだが、これが最高の眺めである。

秀茂坪という場所自体が切り立った山の中腹にあり、崖を削った場所に乗っかってるアパートだから目の前をさえぎるものが何もない状態で、ちょうどカイタック空港を数キロ先に眺める事が出来る。

その当時の航空会社の宣伝で、空港から飛び立った飛行機が右下から左上に向けて斜め一直線に飛び上がっていく場面がある。もちろん背景は満月。

大きな月を背中にしながら飛び立っていく飛行機を、毎晩ライブで楽しんだものだ。

そういう時は部屋の電気を暗くして窓際に水割りのグラスを置いて、満足するまで飛行機が夜空に向って飛んでいくのを楽しんだものだ。お金がなくてもあの景色だけで楽しかった。

誰にも自分にしっくりくる土地があると思う。東京も綺麗だけど、流れる空気の違いかな、香港やオークランドとはちょっと違う。

東京の定宿ホテルも正面左に東京タワーが見えるし大都会であるけど、う〜ん、何か流れる空気が違う。もちろんシドニーもニューヨークもバンクーバーも綺麗だし福岡だってきれい。けど、このオークランドや香港のようなしっくりさがない。

風水の世界では1月に生まれた人は暖色を選び8月に生まれた人は寒い色を選ぶと良いといわれてる。

それ以外にも風水には様々な決まりがある。

ぼくがあるとき奥さんに「風水って中国の崑崙山脈から始まるんでしょ。だったら南半球はどうなるの?」って聞くと、思わず詰まってた。

オークランドにいる香港人でも、風水の本はよく読むけどあまり考えてない人の方が多いのではないかな。

結局人は旅をしていると、「あ、ここだ!」と感じることがある。これは旅行屋をやっているとよく分かるが、人には合う合わないって、本当にあるんだと思う。

それが風水って言っていいのか、たぶんこれから何十年もすれば自由電子が科学的に分析されたりしていくんだろう。

けどそれまで待ってられない人は、やっぱり旅をする事ではないかな。いろんな街を渡り歩いてみて自分の風水に合った街に行けば、実に仕事は円滑だし疲れないし調子が良い。

そうでない街に行けば家族が病気になったり仕事でトラブルがあったりするだろう。

まあもちろん自分の運気で働く場所が自由に選べる人は少ないだろうけど、就職する前ならそれが可能である。

いろんな本を読んでると、どこかの街や田舎を選ぶ人って、大体最初の直感で決めているようだ。

風水も科学も難しくて解明できてないんなら、人間に残った最後の機能である「直感」を信じるのも、ありではないか。

その意味で学生の頃にバックパッカーもって旅をするのは良い事だと思う。世界中あちこち見て回り、日本国内を観て回り、それこそ「自分の住みたい場所探し」をしてみれば良いと思う。

シティの街中の青を中心とした光とノースショアのオレンジを中心とした光の対称が実に素晴らしい。

今年もまた始まったぞ。一年なんてあっと言う間に経つのだから、毎日どんどん進んでいかねば。その為には自分をベストのポジションに置く事だ。その一番基本となるのが住む場所だ。

さ、ねよっと。


tom_eastwind at 22:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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