2010年01月31日

RAIN OR FINE !

dbf621a4.jpgオークランドで毎年夏に開催されるシーフードショーに行って見た。入場料15ドル、駐車場は近くの空き地に適当に止めて、桟橋の上に作られた数十軒のシーフードテイクアウェイ、ワイン、名産物などの販売をやっている。

主催はサンフォード株式会社で、ここの社長の付き合いで去年はスチュワート島の養殖サーモンを視察にも行った。

天候はあいにくの曇りと時々のスコールと、その合間に見える晴れ間であり、要するに10分ごとに天気が変わるいつものオークランドである。

それにしてもSimple is Best を代表するようなショーである。難しい仕掛けは何もない。入場券売り場は魚を海から引き上げて一時的に保存するような倉庫で、端っこに氷を1mくらいに盛り上げてそこに様々な魚を置いてるのだが、氷が溶けるに連れて魚が転げ落ちてくるのは、笑える。

15ドルの入場料金を払い、まるで車検証のような立派なチケットを受け取ると、その10m先で回収される。じゃあ印刷するなよ。

波止場をそのまま使っているから普通に大型漁船が停泊しているその横では、バイオリンとギターとコーラスで元気の良いバンドが演奏をしている。どっちかってっと古いアイルランド系の音楽。リバーバンド、みたいな感じかな。

波止場沿いに歩くと最初にあるのが仮設トイレ群。う〜ん。

そしてコーストガードの寄付テント、その次は何かの抽選に当たりますよって書いたテント、その次はStJohnから来ている救急車。用意が良いですね。

でもってやっと主会場に到達すると、あとはもう何の脈絡もなく、オイスター、サーモン、マッスル、いろんな生ものや焼き物や料理が次々と出てくる屋台群。関連性は?

けど、人々の顔は明るくうきうきしており、時には土砂降りの雨の中で立ちっぱなしでワインを飲みながら、、皆が楽しそうにおしゃべりをして食べている雰囲気は「ああ、ニュージーランドだよな」って感じ。

楽しみも知らずに毎日一生懸命働いて、年に一度の盆踊りに踊り騒いだ江戸時代の日本か。

皆それぞれ夏の昼下がりの気軽な服装でやってきて楽しそうにおしゃべりをして、漁船の先に突き出したグリースを塗ったマストの上を滑らないように歩いたり(もちろん皆全部、結局マストの先端にある旗を獲るまでに海上に落ちてしまうのだが)、アトラクションを見て楽しんだり。

Simple is Best ってこんな事なんだろうって思ったりする夏の日曜の午後。

誰の顔にも屈託がなく、雨が降ればキャーキャー、誰かが海上に落ちればキャーキャー、美味しいマッスルをほうばればキャーキャー、とにかく一時が万事、皆楽しいのだ。

日本でこの程度の出し物だと、小学生でも「け!」とか言って後ろ足で砂かけて帰るだろうな素朴なお祭りではあるが、オークランド市長もスポンサーとなりすでにこれで4回目?(かな)を迎えているお祭りは、ただいま絶好調。

この街を見るたびにいつも思うこと。それは足るを知る=知足だなって事。世の中、いろんな楽しみ方があると思う。

ただ、満足してもっと次が欲しいと思うような、麻薬やタバコのような上方志向性の高い遊びに慣れている日本人からすれば理解しがたいけど、この国の多くの人々は、今あるものと、それを更に高める為に捨てねばならない自分の自由な時間の比較が出来ていると思う。

何かを捨てなければ何かを得る事は出来ない。その意味でこの国は人生にとってあまり大事でないものを捨てて、その代わりに心の自由を得ているような気がする。

RAIN OR FINE! 雨でも晴れでも!

ほんとにある意味、良い意味での南太平洋の「ブラ!」って幸せさと西洋社会の「収益的幸福」のバランスが取れているんだなと感じた日曜の午後でした。

追記
ほんとは今日の小沢記事の「建設業者からの賄賂」ねたを書こうと思ったのだけど、ぼくは間違いなく小沢側が賄賂を受けていると思うけど、じゃあ他に船頭がいるのか、ニュージーランドでJohnKeyが首相で成功しているように、てなことを書こうと思ったけど、今日こうやって真夏のオークランドで人々の笑顔に囲まれていると、まあいいか今日はって気持ちになってしまいます。

それほど住みやすい街、それがオークランドなんだろうな。(ただし移民一世には厳しいですよ。移住を考えているなら自分の労働力を労働市場でいくらで売れるか、その価値を知らなければせっかくフェスティバルに来ても子供にオイスターを買ってあげることは出来ません)


tom_eastwind at 21:39│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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