2010年02月10日

154

eadafdbb.jpg今日から3週間の出張である。
正月から片付ける暇のなかった出張道具を週末に整理してたら、電話線が出てきた。

そうだよね、10年くらい前はちょっと地方に行くと電話線でインターネットを繋いでいたんだもんね。

そいでもってLANケーブルもある。2メートルくらいの奴だ。そうそう、5年くらい前はホテルの部屋にLANはあるけどフロントでケーブル借りるのが面倒だからこれを持ち歩いてた時代もある。

今は出張先で電話線やLANケーブルが必要になる場所はさすがになくなり、それよりもびっくりしたのは今自分が使っている日本で使用可能な携帯電話が3台になった事。

一台は日本で5年位前から使っているプリペイド。これは今年半ばにサービス停止される第二世代機種だが、まだ電話代を課金すれば使える。

二代目は日本で買ったアイフォン。これはSIM入れ替えしなくても日本でもNZでも使えるが、SIMLOCKを外せばNZのSIMを入れて使えるので、通話料がNZ国内扱いとなり圧倒的に安くなる。第一NZの電話番号が使えるので、将来的にはこいつが一番利用頻度が高くなりそう。なにせ有難いのが世界中のGPSが出来る事で、道路検索に弱いぼくには重宝だ。

三台目は現在ニュージーランドで使っているボーダフォンだけど、去年後半から日本でも使えるようになった。難点は日本で使える電波回線が限定されているようで、ドコモとソフトバンクの間を行ったり来たりしながら電波を探しているので、つながらない事が多い。

けどまあ考えてみれば、これはまさに携帯電話ビジネスでもインターネットビジネスでも世界中の企業がどんどん新しいサービスを取り入れて世界中の顧客の利便を図っている事の分かり易い例だろう。

元々パソコンがビジネスに取り入れられるようになった20年くらい前には「これで仕事がはかどる!ライバルに有利だし早く仕事が終わるので早く家に帰れますよ」なんて広告があった。

けど、その当時から「バカジャン、こっちが核武装すれば相手も核武装する、こいう武装強化の世界においては自分だけ楽になるなんて絶対にない」と思ってたので楽観視せずに、敵との違いを出すにはどれだけ装備を使いこなすか、しかないなと思ってた。

結局時代はその通りになり、誰もがビジネスツールで重武装して戦闘状態に突入。「片手に!携帯〜!胸元にIpod〜!カバンに〜パソコン、無線LANで繋いでる〜」と言う状態になったのが今の時代。

1月になってアイフォンでメールが取れるように設定して、ついでにNZで加入しているVodafoneのスマートフォンにも設定したら、一番びっくりしたのはNZ製品でありながら日本語の表示が可能なのだ。

キーボードは英語なのでこちらから日本語発信は出来ないが、相手から来た日本語は100%完璧に読める。うわ、すごいな。

つまりこれで、ぼくは朝起きてパソコンを立ち上げなくても、アイフォンまたはVodafoneで日本から来たメールを読むことが出来るって状態だ。

もちろんこれは僕の自由な時間をどんどん削っていくと考えても良い。

けど同時に、インターネットの発達のメリットは大企業も中小企業も情報発信においては平等になりつつあると言う点だ。これは大きい。今まで情報発信と言えば新聞やテレビや広告代理店を使った方法しかなかったが、インターネットがそこに完璧で修復不可能な大穴を開けて、これは更に拡大している。

ならば間接経費の少ない中小企業が小回りを生かして世界中の商品情報をこの体に吸収して、そこで情報整理を行って僕自身が情報発信基地として発信してやろうではないか。

去年1年の出張日数を計算したら154日だった。このうち130日は海外である。海外に出たからにはニュージーランドとの連絡手段は限られる。

今年は連絡手段が大幅に増えたな。あとは、こっちが文明の進歩に追いついて内容の濃い仕事が出来るかどうかだ。

そういう意味でも21世紀の情報産業においてはどこで仕事をするかなんてのは意味がなくなっていく。そして勤務時間と言う概念がますます薄れていくだろう。毎日同じ時間に会社に来て定時に退社する、そんなことに何の付加価値もない。

それよりは世界中に散らばっている情報を集めて整理してそれぞれの顧客向けに提案する、そういう付加価値を理解して構築出来る能力があるかどうかが勝負である。

文明はある意味機械を一個一個付け加えれば出来る。けどそれを使ってどれだけ付加価値の高い仕事が出来るか、これは一個一個付け加えて出来るものではない。

何故なら他人も同じように機械を付け加えて仕事の速度を上げているから、それだけでは付加価値が付かない。付加価値とはあくまでも差別化であり、それがなければ価格競争に陥るのみである。

こういう機械を普通に使いこなしてそれを自分の仕事に生かして自分の仕事の付加価値を高める、これが今年の出張中の一つの目標かもしれんな。

しかし振り返ってオークランドを見ると、今だもって顔を見ながら話をすれば仕事をした気持ちになるビジネスマン(日本人、キーウィに限らずだ)が多い。

「おい、ちょっと話があるんだけどさ」
昼間に呼び出されて会ってみると実にしょうもない駄話である。

その間にも手元にあるアイフォンをシュパっと指走らせてみたり、かかってきた電話にカッコいい言い回しで話してみたり、情報を検索するときだけはさすがに底が浅いせいもあり、いつまでたっても探したい画面に行けずに「まあいいや、ところで」と話題をそらす。

それ、情報武装とは言わないんだよね。顔合わせて話するなら、顔合わせてしか話せない事を話そうよ。


何の生産性もない事をぐだぐだとだべって、しばらくお茶を飲んだらそれで終わり。

その間何の議論もなく何の提案もない、ただ無駄な時間が過ぎるだけ。終わってみたら、二度とこいつの誘いに乗らないぞと堅く心に決めているぼくがいる。

お前らさ、それで仕事をした気になって、儲かるのはカフェだけだ。ばっかじゃないか。脳みそがせっかく首の上に載ってるんだから、死ぬ前に少しくらい使えよ。

結局は変化のない田舎で自分のある程度の既得権益が守られてて居心地が良いから(または親からもらったお小遣いで一生食っていけるから)、テレビで見た北半球の格好良いビジネスマンの真似をして街角でコーヒーを飲んで仕事をしている演技をしたいのだろう。暇人め。

こういうところはオークランドも日本も同じである。ばかに付き合っているヒマはない。

「絶対やっちゃいけない絶対やるなよな」とまでは言わない。

時にはお茶もいいと思うし息抜きにもいいかもしれんが、ビジネスでかっこよくお茶を飲む事や無駄な会議を増やす事が自己満足になった瞬間に確実に利益は落ちる。その覚悟があって付加価値を下げるならどうぞである。

今年は何日出張になるか分からない。けど出張の長さではなく内容で勝負をしなければ。身を引き締めていこう。


tom_eastwind at 10:02│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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