2010年03月12日

小沢的構造改革 -新しい料理は新しい皿に-

307d6573.jpg何で経済改革が進まないのか、考えてみた。現場では「韓国脅威論」が出てきているし世界の中で日本の姿が見えなくなっている。

世界第二位の経済大国と言っていながら、中国は日本を追い抜くし韓国も今の勢いで日本を追い上げてくるだろう。


なのに日本政府はあいも変わらず「友愛精神」ばっかりで、米国と基地問題やったり小沢の賄賂問題をやったり、とにかく政治が安定せずに経済への注力が見られず、結果的に指導力を無くした日本の経済は三流に陥ってる。

と、これが今現在の日本人ビジネスマンの一般的な見方であろう。

しかしちょっと視点を変えて見ると、これは違った見方が出来る。つまり日本政府は新しい経済政策を打ち出せないのではなく、あえて打ち出さないのだ。

もし今ビジネス界の要望を受け入れて様々な経済政策を実行しようとする。そうなるとその受け皿である官庁は、例えば経産省がエネルギー政策を発動してその旗の下に大手電機メーカーがぶら下がって「日の丸技術」の開発にかかる。

けど、この手の方法は二つの問題を生み出す。

一つは、すでに時代遅れになった「何でも自前」主義で国際社会に合致しないような、つまり所用のない技術ばかり作って「ほら、おれはすごいだろ」とやってしまう自己満足に陥ってしまうと言うことだ。

そしてもう一つがもっと大事なのだけど、もし今大胆な経済政策をやるとしても、実際にそれを行動に移すのは既存の官僚であり既存の仕組みである。

そしてその中でやる限り既存の官僚ルールが適用されて、官僚は「大胆な経済政策」を人質にとって自分たちの組織の延命を図り、結果的に現在の官僚システムの温存に繋がってしまうということだ。

そうなってしまえば、たとえ目先の経済は復活したとしても肝心の日本構造改革は失敗に終わってしまう。これが一番やばいのだ。

つまり、古くて汚れたお皿に新しい料理を載せるなということだ。

新しい料理は古いお皿に足すのではなく新しいお皿に。ところがそのお皿がまだ焼きあがっていない。だから今、どれだけたくさんの美味しいレシピがあってもそれは待機してもらうしかない。

お皿が焼きあがるのは、今年の参議院選挙で民主党が勝利を得てから政治改革を行い、戦後続いて来た官僚制度を本当に国民の為になるように作り変えるまでだから、後1年くらいか。そしてその経済政策が実際に効果を見せるのはさらに2年後くらいだろう。

政治改革は官僚制度をぶっ壊すと言っても良いし改善と言ってもよいが、ポイントは個人としての業務処理能力が高い官僚が自分たちだけの利益を考えて行動する時の方向性が国民の幸せの方向性と一致するような制度に作り変えることだ。

天下り制度だって現役世代で年収数千万円を受け取っていれば天下りで60過ぎまで働かなくても充分食っていけるので天下り先の確保は不要となり、公団やなんちゃら財団は不要となる。

現役高級官僚の人事権をすべて政府及び内閣が持ってしまい、国策に合った行動をする官僚を評価すれば、自然と誰もが自分の省庁よりも全体の利益を考えるようになり、省庁間のすりあわせでも全体的な利益と言う分かり易い視点で議論が出来るから答が明確になる。

こういう、方向性が明確になれば日本人は強い。国益を考えた人間が利益を得られるとなれば、素晴らしい回答を持ってくるのが優秀な官僚である。

そして民間と役所の交流も非常に大事だ。現在のように一人の人間が22歳から55歳まで同じ場所で違ういくつもの業務をこなしても出来上がるのは何でもちょっとだけ知っている「何でも屋」であり世界では通用しない。

何でも屋を育てるよりも、今は何か一つの業務があればそれを熟知している民間メンバーを一時的に役所に入れて仕事をしてもらい、終わればまた民間に戻る仕組みを作る事だろう。

今のように省庁がそれぞれ人事権を持ち、自分の省庁の利益を追求する人間が出世できる仕組みがあるから頭の良い東大卒は自分だけの利益を考えて行動する結果として国益が失われるのだ。

こうやって既存のシステムを完璧に作り変えてしまった後に経済政策を出していく。そういう順番でないと長期的視野に立った日本の将来は見えてこない。

だから言葉を変えれば「国民の皆さん、あと3年くらいは我慢してください」ってことだ。「その間、頑張って耐えてくださいね、デフレ、失業、年金不足、問題はたくさんあるけれど、日本人だったら雑草のように生き残るでしょ」である。

日本の民衆は叩いても叩いても死なないだけの連中だもんな、それは明治維新でも日露戦争でも第二次世界大戦でも何度も証明されている。日本人はウエがどんなに無策でバカでも現場で何とか解決するもんね。これはこれで悲しいかどうかは別にして、事実である。

確かに現場では完成品メーカーの存在が薄れてきている。ソニーはサムソンに負けるし原子力発電所でも韓国に負けたし、ヒュンダイはすでに世界第5位の販売台数を持って日本のクルマメーカーを後追いしている。

しかし技術だけを見れば、韓国は結局日本の部品メーカーから優秀な部品を買い付けて韓国で組み立ててるだけであり、基礎的な技術はあいも変わらず日本が強いし、おそらくこれからも政府が余計な事をしなければ世界でトップであり続けるだろう。

原子力発電所だって核を制御する技術は日本が最高である(現場ではバカみたいなミスが出てるけど、それでも他国よりはまし)。

だから韓国としては結果的に日本を頼りにするしかないのも事実。ただし韓国が頼りにしているのは日本の技術を持っているメーカーであり、完成品会社ではないし安い値段だけがウリの日本企業ではない。

実際に去年後半から韓国の完成品メーカーが日本の技術部品企業に次々と部品の発注を行っている。

だから今、日本がこれだけの技術を持っているうちに、つまりまだ何とか食えていけるうちに政府が自己変革を行い平成維新を実行して、次の50年間に向けた経済戦略を作っていくようになるのだと思っている。

そうなる前にどうにかならなかったのかと言えば、そりゃそうだ。

けどこれもまた日本と言う国の特性なのか、全体を見通して転ばぬ先の杖って発想がどうしても苦手なのは仕方ないんだから、今回は50年に1回の平成維新ってことでしばらくは我慢するしかない、「国民の皆さん、欲しがりません勝つまでは」です。

データをUPしようとしてたら視界の右側で何かが飛び上がっていった。朝からバンジーやってる人もいるんだな。写真はオフィスから見たスカイタワーと、ちょっと見づらいけど手前の黄色いクレーンが逆バンジーです。


tom_eastwind at 11:09│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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