2010年03月13日

ワーホリノ3ヶ月ルール廃止

日本から来るワーキングホリデイの皆さんには、実に生真面目な人もいれば超不真面目な人もいる。

人それぞれだから他人に迷惑を及ぼさないうちはよいのだが、たまに仲間内の飲み会で議論になることがあるのがこの3ヶ月ルール。

ワーキングホリデイビザでは同一雇用主の下で3ヶ月を超えて働く事が出来ないという決まりがある。

この理由はワーキングホリデイと言う趣旨が、若者が旅をしながら外国を学ぶと言うものであり、一箇所にとどまって1年も仕事を続けるようでは本来のビザの趣旨ではないから駄目よと言うことだ。

これはこれでスジが通った話なのだが、ニュージーランドに来る日本人ワーホリはどちらかと言うとワーホリ⇒ワークビザ⇒永住権という流れがあり、その為一箇所で長く働くと言う傾向があった。

そして移民局としても真面目に働く優秀な若者である日本人がきちんと一年間同一雇用主の下で働いて納税した後にワークビザを申請するのは国益である。

だもんで同一雇用主の下で一年働きワークビザを申請する際に雇用主が「この子は当社で一年よく頑張って働いたのでワークビザを申請する」と言うと、そりゃよくがんばった、はいワークビザって感じでほんとに普通にワークビザが取得出来てた。(もちろん職場によりますよ、きちんとした会社である事は前提)

「おいおい移民局さん、この申請者って3ヶ月ルールを見事に破ってるんですけど」なんてやぼな突っ込みはなしだ。日本人だぜ、悪い事をするわけないじゃんか。

これは実は今も変わらない。キーウィにとってニホンジンと言うのはちょいと特別枠であり、他にもいくつか優遇されている面がある。

ただこれが、生真面目ワーホリからすれば「ルールなんだから3ヶ月以上働くなんてあり得ない!そんな人がいるから日本人が悪く言われるのよ!」と本気で怒るネタになる。

一応現場と法律を見てる立場から言わせて貰えば、ルールなんてのは人間が決めてるわけでありお互いに良いと思えばルールを適用しない事があるこの国では、あまりルールに拘るのは意味がない。

法の精神が国益を守る事であり、ニュージーランドにとって優秀で病気にも罹らない若い労働者が増える事が国益なんだから、優先度がず〜っと下の方にある「ワーホリノ3ヶ月ルール」なんてのは無視。つまり適用しないのが当然である。

また日本人が悪く言われる事も統計的には少ない。非常に少ない。お人よしだしやってる事が意味不明ってのはよく言われるが。

思い込みの激しい人がニュージーランドでも最下層の人々が夜な夜な集まる地下の薄暗いバーで網を張ってるガイジンが日本人の気を引く為にありとあらゆるデタラメをばら撒いて、どうこうと英語で話しかけられてくる言葉を、ほとんどその意味も分からずに真に受けている人間に限って日本人悲観論に陥ったりして「3ヶ月以上同じ場所で働くワーホリがいるから日本人が悪く言われるんだ」とか、「鯨を食べちゃいけない」とか言い出す。

しかし、だからと言ってこの「日本人には3ヶ月ルールが実質的には適用されていない」事実を逆手にとって、ワーホリを一年まるまる、ぎりぎりまでこき使う為に「大丈夫、一年働いてくれたらワークビザを申請してあげるから」と安い給料で雇う経営者がいるのも悲しいが事実である。そして勿論ワークビザの申請なんてしてくれない。結局最後になって「やっぱりお前、働きよくないから不要」となる。

説明会で時々こういう法律に関して質問を受ける事がある。

「9ヶ月滞在したら次の9ヶ月は再入国出来ないって大使館に聞いたんですけど本当ですか?」
「大使館の言ってることは一般的な話であり日本人には現在適用されていません。つまり中国人や中東の人々にとっては違法でも日本人には違法じゃないんです。けどそれを文章にすると人種差別になるので書いてないだけです」

ちょっと意地悪な書き方だけど、ではもう一つの例。

ニュージーランドは日本のような自動車教習所がない。なので運転免許を欲しい人は教官を個人的に雇って教えてもらったりする。同乗者がいて「運転勉強中」のサインを出していれば公道を運転出来る。

そして免許の実技試験の日。試験官は彼または彼女に「はい、この試験場まで自分の車で来てください」と言う。

「おいおい、ぼくはまだ何の免許も持ってない状態だぜ、隣に誰も坐ってない状態で、つまり今運転したら無免許じゃんか」
普通の日本人の発想なら当然こうなる。

けどこの国では「え?あんた運転出来る自信があるから試験受けるんでしょ、自信ないの?」となる。

このあたり、「違法」と言う考え方が日本とニュージーランドではすでに違うのだ。

この説明は実に難しい。法は現実に則していなければ適用しなければ良いという考え方は日本でも昔から存在するし、実際にそういうケースはたくさんある。

ところが真面目な日本人は法律を、その字面で書いてあることをそのまま鵜呑みにして自分なりに解釈して、自分で裁判官までやってしまい、違法か合法かを決めてしまうと言う、なんともエライものだ。

実態としては日本人の場合、3ヶ月ルールをそれ単独で適用されたことはない。

中には「3ヶ月ルールを適用されて職場を追い出された」と言う人もいるのだが、ありゃそうじゃなくて、本当は他に理由があるのだけどめんどいから分かり易い3ヶ月ルールで追い出したと言うケースなのだ。

このあたりも殆どの日本人は伝聞証拠で「私の知り合いが聞いた話だと〜」とか「だってこんな話がインターネット掲示板で書かれてたもん」と言って、根拠無根の話を舞台として無意味な会話が始まるから、いつまで経っても生産性のある議論にならない。

まあとにかく日本人に対しては3ヶ月ルールは廃止された。これは間違いない。同じ雇用者の下で長く働いて永住権に繋げる機会でもある。


tom_eastwind at 00:29│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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