2010年03月15日

My Fair Lady

cac02915.jpg今移住に関する基本的なデータをいちいち説明会に来なくても自宅で読めるように文書化して販売しようと企画中。
説明会で使う資料に説明会で話す内容を加えて、臨場感はないけれど少なくとも皆さんがニュージーランドに対して持っている知識を増やすのに役立つ内容にしようと考えている。


この資料、去年末くらいからどんな切り出しにしようかと思ってたんだけど、序章でどうしても1840年のロンドンの雰囲気を頭の中に入れたかった。

何故1840年代にイギリス人はニュージーランドに移住したのか?

今回2月のロンドン出張の目的の一つは、実はテームズ川を見ることにあった。

産業革命、東欧からの移民、マイフェアレディ、蒸気船、そしてテームズ川。

人々はこの川の東側と西側で違う言葉を使い、郊外には貴族が住む屋敷があり、人々は住む家や話す言葉で階級が分かった、そんな時代の香りを感じてみたかった。

「マイフェアレディ」ではコヴェントガーデンで使われる労働者言葉が話の中心に置かれる。

だもんで出張から戻ってからは夜の10時過ぎにはベッドに入り朝の4時前には目が覚めるようにしている。

そのまま起きても良いのだけど、とくに急ぎの仕事もない時はそれから瞑想?迷走?要するにうとうとした状態でいろんなアイデアを頭の中で飛ばしていくことにしている。

そこで今朝はオードリーヘップバーンをdaisukiな僕はマイフェアレディを真ん中に置いて朝早くから“ぽよぽよ”する頭の中で空想してみた。

すると出て来る出てくる、みた事もないロンドンのテームズ川に横付けされる蒸気船、そこから陸に上がって石造りの建物を歩く人々。

周囲は随分汚くて臭くて(何故か色も臭いも感じる)、行ったとこもない時代なのに、なんでか記憶の中でしっかり重なっていく。

でもって不思議なのは、大体こんな空想をしている時は僕は誰かの体の中に入ってその人の眼で見ていることが多いのだ。

今回も船から見上げたテームズ側の岸壁。これは多分前回のロンドン訪問でいろんな角度からテームズ川とそこにかかる橋と川を渡る船の高さなんかを自分で歩き回ってみたので、自然に頭の中でキャドが動いて三次元画像を作ったのだろう。

そいでもっていろんな映画でみたいろんな場面がどんどん重なって編集されていって、一つの物語になっていく。

岸壁にぶつかった軽い衝撃も体に感じて思わずびくっ!と目が覚める。

でもってまたすぐ半迷走瞑想に戻ると、今度は街を歩く人々の格好(シルクハットはロンドンを舞台にした小説が影響してる)に「おお、すごいな、ロンドンだわな」なんて感心しながら歩いてる自分がいる。

結局は今まで見た映画や読んだ小説が頭の中で総動員されて一つの物語を作っていくんだけど、だから実際にその時代に飛んでいるわけではなく、あくまでもたくさんの要因が一つにまとまっていくだけなんだけど、それはそれぞれの原本の筋書きから大きく変わっており独特の筋書きになっていく。

こうやって何故当時のロンドンで多くの人々がニュージーランド行きの船に乗り込んでいったのか、その時の人々の気持ちはどうだったのか、そんな事を考えながら話を膨らませていく。

そんな過程で出てきたのが英語の訛り、それもコックニーである。マイフェアレディから入ったからこうなったのかな?

ちなみにMy Fair Lady (マイフェアレディ)は、本当はMayfair Lady(メイフェアレディ=上品なレディの住む街)だったのをコックニー訛りでMayfairをマイフェアと発音するからわざとこう書いたらしい。

僕が夢の中で歩き回ってた地域の人々は確かにコックニーだったけど、現在のニュージーランドではコックニーを使っているのは南島のかなり地方に住む農場経営者とか、随分限られている。

けどそれはコックニーを全く使わないってわけではなく、今でもラジオを聴いてると朝のニュースでも随分「おら、訛っただか?」的な発音を聴く事がある。

なのでまあ、一生懸命キングスイングリッシュを使おうとしているけどねっこんところにはまだまだ訛りが残ってるんだべさと感じた。

それに比べてオーストラリアではコックニーが当たり前のように使われているのが特徴的というべきか。

このあたりが自主的に集団でニュージーランドに移住しようとした先取精神の強い中流階級移民団と、犯罪を起こして逮捕され政府によって個別に片道切符で送り込まれて一生島流しになった労働者犯罪階級オージーとの違いか。

テムズ川

まあ、1800年代のロンドンの汚いことと言ったら話しにならない。日本だとすでに整備されている公共設備が殆ど整っておらず、自由主義や資本主義の結果がこれなら徳川家康の独裁主義の方がよっぽど良いぞと思う。

だいいち犯罪が多い。治安が悪いし医療も発達してないし教育だってカネがかかるし第一普通の子供は良い学校に行けない仕組みがある。最初から社会の平等(機会の平等と結果の適度な平等)が存在していないのだ。

そう考えてみると今の中国についてで、よく議論されるのが、本当に民主主義は正しいのか?と言うことだ。

殆どの日本人は戦後教育によって子供の頃から民主主義は素晴らしい、民主主義を導入すればどの国でも良くなる、だから民主主義のない国は不平等であり不自由であり不透明であると思い込んでいた。

けどその結果として犯罪を生み不幸を生み社会が成長しないとなれば、さあどうなんだってことになる。

きしくもトウショウヘイが以前語ったように「白い猫でも黒い猫でもねずみを獲る猫が良い猫」である。

民主主義が立派なものだとどれだけ理屈を言われてもそこに参加して民主主義が食い物を与えてくれず住む場所を与えてくれず着る物もなく将来も与えてくれないのであれば、そりゃあねずみを獲れない猫と同じで役立たずだ。

独裁主義とか共産党とか言われても今の中国に勢いがあるのは誰も否定出来ないし、その勢いを作ったのがトウショウヘイでありその後継者であり彼らの基盤とするものが中国共産党である以上、悪い猫かもしれないがよくねずみを獲ってくれるのだ。

けど共産主義は悪い奴が権力を握ったらどこまでも悪くなるよって、そんなの分かってる。

けど今、愚民ばかりが集まってあ^でもないこーでもないと騒ぐだけで結果的に何も進まずに社会自体が沈んで全員が不幸になり始めている民主主義よりは、どう見ても魅力的に見えるよ。

要するにどっちが今、人々を幸せにしてくれるかだ。

だいいち民主主義とか言いながら政府は30年以上も核持込を偽装しており、今になって「国民の為だった」とか言ってるのなら、共産主義と何が違う?

不透明どころか政治家と官僚による情報の非公開であるところは民主主義を隠れ蓑にした独裁でしょ。「独裁です、はい」ってはっきり言い切ってるほうがまだましだ。

日本航空が破綻して債務超過になっているのが分かっているのに上場企業から1千数百億円の資金を集めたのは合法で、誰にも迷惑をかけずに自分の頭でビジネスを構築したホリエモンは潰された。

政府についてればOK、逆らうなら平等なんてない、法律を後から作ってでも逮捕してやるってことでしょ。これなんて体制側による完全なる不平等ではないか。

中国で政治活動をすれば逮捕されて拷問の挙句に殺される。それは事実だ。けどでは、日本では不当逮捕、社会的抹殺がどれだけ行われているか?

植草痴漢事件、風呂屋の万引き事件、とにかく当局に逆らったら逮捕である。

政治活動をやっても良い、当局の許す範囲内ならってなら、だったら共産党と何が違う?言論の自由が保障されていないのはそりゃ共産党の方だって分かってる。どっちも言論が不自由なんだからその意味ではこれも嘘を言うだけ民主主義のほうがずるいでしょ。

アフガニスタンに大量破壊兵器がなかったこと、イランに核開発がないこと、地球温暖化の嘘、自由主義と言いながらどれほど大きな嘘が出回っているか、自由なことを書こうとすればつぶされる事を報道現場では知っている。これで自由と言えるのか?

なんて朝方の半分寝ぼけた脳みそでロンドンの風景を眺めながら考えてみた。

なんだよ嘘つき!民主主義が良いとかいいながら、結局共産主義者も民主主義者もやってる事は同じじゃんか!誰も労働者のことなんて考えてない、所詮は使い捨てではないか!

そうなったら自分を守るのは自分しかいないし、自分の家族を守るのは自分しかいない。

よし、テームズ港から船に乗ろう。そして新しい国に行こう。

そこは労働者天国で人々が平等で、働かずに土地だけ持って小作人を雇うような金持ち連中もいない。

一生懸命がんばれば報われるし、年をとれば国から年金をもらえるから老後も安心だ。治安も良いし子供の教育も無料だし医者だって通うことが出来る、そんな国に行こう。

そして1840年代の英国人中流者階級は船に乗って南太平洋の彼方にある小島に向ったのである。


tom_eastwind at 21:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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