2010年04月17日

のがみと言う媒体

82879ae7.jpgのがみなんて言っても今時の人には理解出来ないと思うが、「上野(うえの」」の別名である。てか隠語。

上と野をひっくり返して読み替えるんだけど、戦後の東京では一時期よく使われていた言葉だ。

他にも今時の人でも想像出来る言葉で言うと「ジュク」と「ブクロ」がある。

どうも日本語の発音でいくと3文字が丁度ゴロが良いのだろうか、アキハバラがアキバになったりするのもそうで、だから渋谷はブヤにならないしビットバレーでもない、シブヤのままだ。

だったらニホンバシはポンバシかって言うとこれは4文字だからゴロが悪い。ニホンってやってしまうと完璧に意味不明なのだがンバシだと発音しずらい。

だからいいや、あれはニホンとハシだし歴史のある街だからそのままニホンバシでいいやってことなのかな。

英語の場合でも略して3文字にすることが多い。僕の働いているシティはCBDとかかれることが多い。これはCentral Business District の略称である。

JFKだったらアメリカの大統領だし(ちょっと違うか?)、FYIだとFor Your Informationだし、AKAなんてのは普通に日本人してたら見かけないだろうけど、これはAs Known As = 別名と言う意味になる。最近よく使うのはPOAだけど、Power Of Attorney なんてのもある。

3文字しかないから間違いやすかったりもするのだけど、ある小説で「お前、IMFって知ってるか?」と聴かれた主人公が「ああ、知ってるさ、International Monetary Fund だろう」って答えると、男はふっと笑って「違うよ、International Mustard Federation さ」って答える場面。

年を取ると頑固になるってのか、原語の発音を大事にしようよって話がよく出る。年の近い連中としゃべっていると「日本語を大事にしようよ」って言うのは分かる。

けど、この「ノガミ」って隠語が出来たのは今から60年くらい前である。古い日本語だよね。てか、おやじさん、あんたらも充分「でたらめな日本語」を使ってるよね。

普通に「ラ」抜き言葉を使ったり、江戸弁使ったり、要するにその時代に応じて使いやすい言葉を「発明」しているわけなんだけど、それが「賢い人々」には自分たちが学んだ言葉が使われなくなることによって既得権益が減少するから「日本語を大事にしようよ」って言ってるんじゃないかい?

結局ここでも「既得権益」に乗っかった連中が「既得権益」を守るのみで何も新しいものを作ろうとしない、そんな状況があるんではないか?

僕自身は出来るだけ今の日本語を大事にしたい、けど、うちの娘19歳いわく「シブヤ語、全くわかんない」ってのも分かるし、けどそれを使っている人たちもきちんとそれなりの理由があるんだと思う。

結局ぼくが日本語に拘るようにシブヤで生きてる彼らもシブヤ語に拘っているんだと思う。結局言葉って自分と文化の原点だからと思う。

日本で生きてると、日本って本当にでっかい国でありながら日本語だけで生きていけるからなかなかそういう「言語」を感じることはないと皆が思っているが、あれは結構大きな勘違い。

だから英語出来ますってだけで田舎なんかに行くと結構“ほ^!”って言われるし、ましてや広東語をしゃべり始めると“”ありえん!“みたいな顔をされるんだけど、けどさ、日本国内でも鹿児島の人と津軽の人が本気でしゃべったらお互いに通じないぜ。

だからぼくはよく冗談で「ぼく、4ヶ国語話せます」と言う。すると皆さん当然「え?何語が出来るんですか?」となる。そこで「えっと、日本語と英語と広東語と博多語です」と言うことにしている。

しょせん言葉なんてそんなもん、いくつの言葉を使えるかなんて殆どナンの意味もない。それよりもその言葉って言う“媒体”を使って何をしゃべるか、相手に何を伝えるかのほうが思いっきり大事である。

英語が話せない!なんて言ってる人に一つだけ助言をするとすれば、まずは日本語を覚えましょうってことだ。

キーウィ同士で放している事が聞き取れないって、そりゃそうだ、だって彼らは今キリスト教の話をしている。しかしあなたは自分の所属する宗教さえ明確でない状態であり、だから自分の頭の中にキリスト教の知識どころか仏教の知識さえないから、まずは仏教における日本語を知ることがない。

日本語を知らないから必然的にそれに相対するキリスト教の英語を覚えることもない。だから目の前でキーウィが話してる内容が理解出来ない、それが英語が分からないってことにすり替えているだけ。

多くの媒体を持って表現方法を広げるのは大事だけど、表現したい事自体が乏しければ、こりゃまずいでっせ。


tom_eastwind at 15:33│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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