2010年05月04日

在日米軍のTwitter

74314859.jpg
在日米海軍でもTwitterを利用して一般市民に向けて情報発信している。その中にこんなのがあった。


“駆逐艦が寄港したある地方の記者の方に、「この駆逐艦というのは、いわゆる空母ですか?」と質問を受けたこともありました。でも、御存知ない方はそういうものですよね? 9:01 PM Apr 28th webから”

あり得ん・・・。地方の記者じゃなくて痴呆の記者だろう。国内ならまだしも米国人に対して無知を晒したわけであり、日本人として恥ずかしい。

この記者はおそらくヘリ搭載型駆逐艦の後部にあるヘリ発着用甲板を見て“空母!”とでも思ったのだろうが、これは例えて言えば電動機付き自転車を見て“これがBMW7シリーズの最新型クルマですか?”と聞くようなものだ。

たしかに丸い車の上にモノを載せているという意味では電チャリもBMWもクルマであるには間違いないけど、それって情報のプロ集団であるはずの新聞記者が発する言葉ではないよね。

ヘリ搭載型駆逐艦も空母も海の上に浮かんでいて駆動装置を使ってスクリューを回して移動してミサイルや機関銃で武装してて、そういう意味では同じフネだろう。けどその形状も運用目的も主たる武装も全く違うモノであるというのはインターネットで調べれば10分で分かる。

ちなみに駆逐艦とは1800年代後半に開発された小型艦で、主に魚雷を積んで戦艦を攻撃する水雷艇を駆逐する為に作られた。足回りの良いフネであり戦艦のような巨砲を積んではいないが機雷や魚雷や小型艦砲を装備しており、第二次世界大戦では対潜水艦攻撃をやったり艦隊を組む際の外縁に配置されて大型艦艇の間をくるくると走り回る連絡役にもなったりした。

現在ではミサイル防空システムを持ったイージス駆逐艦が外国侵攻用に作られた空母とセットで運用されている。

日本では第二次世界大戦の敗戦までは駆逐艦と言う名称があったが現在の日本では軍隊が存在しない事になっているので自衛隊の軍艦=護衛艦と呼ばれている。もひとつ言えば最新の護衛艦「ひゅうが」は、あれならちょっと見で小型空母と呼べる。

こういう田舎記者と言うのは自分がプロとして仕事をしていると言う自覚が全くゼロで、地方の大学を出て痴呆の新聞社に入社出来てうれしくて周囲の友達に言いふらして同窓会では「おれさ、 xx新聞なんだよね、今。毎日忙しくってさ」と言うのが楽しくして仕方ないけど、実際は全く世の中の勉強もせずにせっせと上司のゴマすりと通信社から送られてきた記事を意味も分からずに掲載したりして弱いものいじめの片棒を担ぐのが関の山。

ところが何の準備もしないままに取材に行って本当に自分の目の前におっきな船が見えたら、それがなんて船なのか名前も知らない。

こういうのに限って劣化ウラン弾とタングステン弾の違いも分かってないままに通信社から送られて来た「米軍の劣化ウラン弾が中東でどうのこうの〜」記事を何の疑問もなくそのまま掲載してしまうのだろう。

べつに一般の素人が駆逐艦と空母の違いを分からなくても良い。劣化ウラン弾とタングステン弾の違いを知らなくても当然だろう。けど、情報でメシを食っている奴が情報収集する時に頭の中空っぽで何も予備知識無しで行くか?普通行かないだろ。

この米海軍のツイッターをフォローしている人は結構たくさんいるけど、それをブログでねたにしている人はほとんどいない。つまり米海軍のツイッターをフォローしている人でさえも「あれ?そういえば駆逐艦と空母って何が違うのだろう?」程度なのだろう。だからネタとして書けない。

つまりそれほどに軍事知識と言うのは平和日本においては知る機会もないし情報のプロであるはずの新聞記者でさえ知らないし、おそらくテレビでキャスターとして出てくるアナウンサーでさえ「クルーザー」と聞いて巡洋艦を連想出来る人は少ないだろう。

だから「知らない」ってのは一般的日本人なら問題ではない。ただ知らないなら知らないで余計な事を言わなかったり書かなかったりすればよいだけなのだ。

ところが問題は軍事知識がない連中が日米安保や現在の辺野古や米海兵隊の記事を書いて地元の居酒屋の飲み会で同級生相手にいかにもそれらしくあーでもないこーでもないと無知をひけらかして偉そうなことをバカ面さげてしゃべって、聞いてる芋ちゃんたちも「おお、こいつは記者だ、こいつのいう事は間違いない」と思い込んで、それが結局間違った世論となり日本を間違った方向に引っ張っていく危険性だ。

要するにバカは単独でいてくれれば他人に感染しないのだが、何故かこいつらはメディアという媒体を持っていてすぐにごそごとそ集まってぐちゃぐちゃとバカ話をやる。(最近はコレラとかプリオンとか感染系の医学本を読んでるのでついつい発想が“そっち”に行ってしまいます)。

そして何の根拠もないしデータもないままに、「おい、米海兵隊がいなくなったら日本人を救出してくれる兵隊がいなくなって大変だぞ。自衛隊は憲法で縛られているからそういうときこそ米海兵隊が大事なのだ!」なんて本気で語られてそれが世論になってしまったら亡国って事だ。

問題は結局ここに来る。記者が社会の木鐸(ぼくたく)として活動する為に自分の取材対象に関する知識を持つことは記者の社会的地位を守り記者の存在理由を明確にするものだが、最低の知識さえない記者は存在理由そのものが喪失してしまうだけでなく下手にメディアという媒体を持っているから社会にとってはコレラやエイズや狂牛病のような害毒をばら撒く病原菌となってしまうと言う事実だ。

だからと言って別に彼らに対して歩く百科事典のように常に専門知識を頭の中に持っていろとは言わない。旧日本陸軍歩兵が使用していた38式歩兵銃とM1ガーランドライフルの違いを見ただけで分かれとは言わない。けど少なくとも38とM1の違いを表すデータがどこにありどうやったら調べられるのか、そして実際に調べると言う行為は記者という商売をする以上は最低限必要である。

バカは隔離しておくべし。痴呆記者はもう一回世の中の基本を学びなおすために小学校に戻って自分の金で勉強するべし。本当にそう思った。


tom_eastwind at 16:18│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔