2010年05月05日

英国移民

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「オレの親父は1950年代にニュージーランドに来たんだよ。大道芸とかよく言えば音楽家、いろんな楽器でパブやレストランを回ってたそうだ。あの頃はニュージーランドの景気が良くてな」

たまたま仕事の夕食の際にある一人のキーウィのおじさんがぼそっと言ってた。

そう、1950年代のニュージーランドは農業の近代化に成功し英国の食料庫として繁栄を謳歌し、同時に国家の計画経済と社会主義を柱にして医療や教育の無料化など徹底した国民向け社会保障を提供して、世界でもご本の指に入るほど「幸福な国」と言われて、戦争で疲弊した宗主国である英国からも多くの移民がやってきた。

英国人の父親を持つ彼は今すでに60歳近いが、社会主義時代の景気の良かったニュージーランド、1970年代の大不況と国家財政破綻、そして1980年代から市場主義を導入して新しいニュージーランドに生まれ変わり1993年以降の財政黒字に見られる経済の完全復活、そして現在のマインドリッチな国となった流れをすべて見てきていた。

まるでジェットコースターのような激しい流れであり国がちっちゃいだけにその変化の速度は大国よりも一層激しいが、最近のニュージーランドはまた違った意味で宗主国から見直されているようだ。

最近のロンドンの記事を知り合いが送ってきてくれた。内容はイギリス人の自営業者の4人に1人がオーストラリアやニュージーランドの移住を考えていると言う記事だ。

現在ロンドンとか英国の大都市で仕事をしている人々からすれば、まさに生き馬の眼を射抜くような忙しい生活と、ちょっとでも気を抜いたら他人に蹴落とされるか追い落とされるかして生活の糧を失い、高い生活費や子供の教育費を考えたらそれ以上ロンドンで住んでいくことなど出来ない現状だ。

ならばある程度うまく生活出来てる今のうちにワークライフバランスの整った国、つまり、
1・楽に働けて〜(失敗しても許される職場環境、つまり甘いって事)
2・そこそこ稼げて〜(生活費はロンドンの半額だからそれで充分)
3・将来の不安もなくて〜(徹底した社会保障)
4・子供の教育も問題なく〜(完全無料教育と大学までいける仕組み)
ついでに本音を言えば、「私はイギリスから来たんだぞ」と言う、東京生活者が地方に行って感じる優越感があるので威張ってられると言ういわれのない気持ちを保てるって事だろう。

これってさ、知り合い同士で「君、どこから来たの?」って話になった時に「おれ、イギリスから」って言われると周囲の空気が一瞬低い場所で固まってしまう、“あれ”です。

恥じる必要もないキーウィだけど、やっぱりあの、毎日使う20ドル札でにやっと笑ってる女王陛下のお住まいの国から来たとなると、それだけで無条件反射で固まってしまう“あれ”は、ぼくのような全く関係のない余所者から見ると興味深いです(笑)。

けどこれで本格的に英国移民がニュージーランドに来るようになると、ニュージーランドとしてはわざわざ文化不明言語不明瞭なアジア人に永住権を発給する必要もなくなるわけで、対岸の火事と笑ってるわけにもいかない。

そうなると多文化主義を主張してアジア人枠を作ってもらわないといけないな。それと米国が採用しているDiversity、国家ごとの受け入れ枠を設定してくれれば日本人枠も確保出来る。けどどっちにしても移民の年間枠は約5万人。やっぱり早い者勝ちですね。

写真は2月のピカデリーサーカス。やっぱ、暗いっすね。

4 May 2010 12:21am
Almost one in four people in self employment are considering moving abroad

ad to work in the next five years, according to a new study.
A survey of 2,000 bosses of small to medium-sized firms by currency broker Foreign Currency Direct showed that the main reason for wanting to quit the UK was achieving a better work/life balance.

Two out of five of those considering moving abroad said it was because of the prospect of further tax rises, while a third believed that overseas countries offered greater chances of building a more profitable empire.

Australia and New Zealand were the most popular destinations, while the prospect of working overseas was most popular among smaller businesses in the banking and finance, hospitality and leisure, and professional services sectors.
Stephen Hughes, director of Foreign Currency Direct, said: "Given the state of the UK economy it's hardly surprising that so many self-employed people are considering moving their business interests abroad.

"We've seen a significant jump in self-employed people transferring money abroad to set up their businesses as well as paying for big ticket items such as rental deposits and cars."


tom_eastwind at 12:55│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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