2010年06月11日

シドニーでビジネスをしない理由

d638d8e0.jpgよく人に聞かれるのが、何でバンクーバーとかロンドンとかで会社作るのにお隣のシドニーでビジネスをやらないのかって事。

これ、理由はいろいろあるんだけど一番最初に来るのが“この街は過当競争”であるって事だ。

ん?過当競争?ビジネスに競争は付き物でしょって思うだろうけど、勿論品質やサービスの競争については僕は大賛成、どんどんやってけ派ではあるんだけど、そうじゃなくて単なる無知な連中の値段の叩きあいである点がどうしても好きになれないからである。

例えば旅行業。地元の無料情報誌に広告を掲載してるんだけど、大体において書く内容はどこよりも安いとか何でも無料とか、とにかく安い安いの一点張りである。

旅行業と言うのはお客様から手数料を頂いて手配するものと言う基本を全く理解出来てないど素人が自分でも何となく簡単に始められそうだからと旅行業をやっているのだけど、その会社を作る時のお金は結局親からの投資であることが殆どである。

つまり日本のど田舎のどんくせーバカ議員が自分で面倒見れなくなった子供を海外に留学と言う名目で追い出したが、毎日クサやったりまともに漢字も書けないままに大人になった子供が今更日本に帰って来られても地元の選挙民に合わせる顔がない。

そこで子供に「おい、オマエ何か会社やれよ、そしたらオレは“うちの息子は海外で独立起業して社長です!”と威張れるじゃないか」とカネを渡し、バカなガキは親父の本音も理解せずにのぼせ上がって本気で旅行会社を作る。

でもって原価計算も人件費も理解出来ないままに野菜の叩き売りみたいにとにかく「よそより安い!」だけを新聞で連呼して客を呼び込む。

しかし最初から原価なんて考えてないからいくら売れても利益は出ない。そのうちカネが回らなくなると親父に電話してカネ送ってもらう。そして数年して一応「青年社長」と言う呼び名が定着すると会社を適当に誰かに売り飛ばして日本の地元に帰って二代目議員の誕生である。

そういうバカを伝統的に送り込みやすい、つまり授業に来なくても出席した事にして学生ビザを取らせる語学学校や私立大学がたくさんあるのがシドニーであり、ここはカネさえあればバカでも過ごせるから街の本質や内部は一切知らないまま、勿論英語なんて出来やしなくても生きていける。

金があるのだ、英語の勉強とかそんな面倒な事をする必要がないってことになる。

ちなみにオークランドでは語学学校はそういうずるは絶対にしない。お国柄と言うよりも英国のどの階級出身者が創った国かの階級の違いであろう。

そういう街でいくらまともに旅行ビジネスをやろうとしても結局は野菜の叩き売りに巻き込まれてしまい商売は成立しない。

なにせサービスを受ける客も高品質のサービスを期待していないからそんなサービスを提供出来る旅行会社も必要ないしそんな事やってても無駄な経費が出るばかりであるとなって、最後は値段だけの叩き売りになる。

つまり程度の低い客が程度の低い旅行会社とお互いに信頼関係が構築出来ないままに相手の利益をいくら食い潰すかしか考えてないから、そのような街で旅行業をやってもビジネスが成立するわけがないのだ。

これは丁度オークランドで言えば今の不動産業者と同じような状況である。ただしオークランドの不動産業者の程度が低いのは不動産業法による規制が大きく影響してるのに比べてシドニーの場合は法律の問題でなく経営している人間の素質の問題だってところが違う。

じゃあ高級レストランとかやればいいじゃんかって話になるのだろうが、ぼくは自分がレストラン経営の素質があると思ってないし、やっぱり人には向き不向きがある。人生は一回なんだからやりたくない仕事で稼ぐよりもやりたい仕事で飯が食えればそれでよい。だいいちなんでレストランをシドニーでやらんといかんのか、と言う話にもなる。

シドニーで流行ったものは半年から一年後にはオークランドに波及してくると言われている。なのでぼくの中でのシドニーの位置はあくまでも情報収集と美味しい食事が出来る街であり、半年に一回くらい来れば充分かなと思っている。

写真は成田空港出発口で見かけた笑える掲示板。これを考えた人、本気で「お洒落な警告」だと思っているのだろうか?


tom_eastwind at 17:41│Comments(0)TrackBack(0) NZの不動産および起業 

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