2010年07月19日

エネルギーと食料

21世紀は石油の時代ではなくなる。これは実は100年に1度の大変化なのだが、世間では「エコな電気自動車!」程度の認識のようである。

実は“エコ”とか“CO2削減”なんて、ちょっとはにかみながら「わたし、Myはし使ってます」とカバンの中から取り出す、そういう騙され世代がまさに引っ掛かりやすい詐欺である。

これこそまさに砂糖をまぶした猛毒なんだけど、でもって西洋社会では騙されるほうがバカと言われるが、じゃあ誰が騙しているかと言えば米国や欧州の支配層、とくに今は米国の支配層である。(ここで注意してもらいたいのは、米国に住む人々のうち90%くらいはまともな立派な人々だってこと)

20世紀は米国の時代であったが、その基礎を支えたのは石油と食料である。

産業革命の英国で19世紀に栄華を誇っていた資本家たちが、自分たちの次の100年の計としてエネルギーと食料支配を考えた時に、広大な土地と豊富な石油が採れる米国に目を付けて移住してきて、ニューヨークを中心に株の取引所や穀物取引市場を作りだした。

そして彼らは自動車に使うエネルギーを石油と定めて全ての車が石油を使って走るようにした。そこには当然戦車も戦闘機も入る。覚えている人もいるだろうが、当初の車を走らせるエネルギーはいろんなもの、例えば石炭自動車などもあったが、米国で採れる石油を基礎とさせるために政策的に石油以外のエネルギーを利用出来ないように仕向けた。

(簡単に言えばどんな戦闘機をどんな国が発明しようと、それは石油がなければ飛ばないし、どんな立派な戦車でも石油がなければ動かない。その石油を押さえたのが米国なんだから、あいつらと喧嘩しても勝つわけがないって、非常に簡単な理屈だ)。

その結果として「クルマはガソリン」と言うイメージがすっかり定着したが、これによって米国は世界に送り出す車を石油自動車として販売する事が出来て、石油による世界支配が完成した。

その後も石油を支配する為に世界中で石油を採掘できる場所を見つけてはメジャーと呼ばれる石油資本会社が次々と開発、言葉を変えればその国を間接または直接支配していった。

勿論相手の国家の事なんかどうでも良いわけで、その為に中東や南米では政府をクーデターで倒して米国寄りの傀儡政権を作り上げた。

これは食料も同じで、南米で作られる作物は食料メジャーがエージェントを送り込んで自国の食料を購入するかまたはその国の食料をすべて支配する体制を作り上げた。実際に食料メジャーはいくつかの国を倒して自社の食い物=米国支配層の食い物にしている。

ところが1970年代から米国のあまりの強引なやり口に各国の民族主義者が気付いて反対するようになり、イランのホメイニによる革命を代表として世界中で米国に対する反感が高まった。

民主主義とか自由と言う名目を使っては民族主義政府を不平等選挙でひっくり返したりクーデーターを起こしたりという嘘つき手口はそろそろ通用しなくなったので、次は軍事行動によるイラクへの侵略やアフガニスタン、そして今はイランを相手に喧嘩しようとしているのが現在。

米国は口を開けば人権とか民主主義とか言うが、ありゃ嘘だ。自分だけが金儲けをしたいために思いついた言い訳でしかない事は、彼らがやってきた事を見ればよく分かる。アフガンやイランでどれだけ多くの民間人が殺されたかを考えれば分かる話だ。

ところが21世紀になっていよいよ中東はイスラムを中心として強固な塊になり、米国の軍事支配ではやっていけなくなった。そして米国内部からも「米国の若者が何故異国の地で死なねばならないのだ」と言う当然の批判が出てくるようになった。

今の中東はまさにベトナムの悪夢の再来である。ベトナムと言う東南アジアのちっちゃな国で米国は5万人の若者の命を失った、それも全く意味のない戦争で。

もし機会があればディアハンターを観て貰うと良い、あれは奥深い。表面的にはロシアンルーレットがどうこうって言ってるけど、最後に歌った歌が全てを物語っている。米国の現場レベルでは今でも素晴らしい愛国精神と自由の大事さを理解している人がたくさんいる。

歴代政権も戦争やるたびに次の選挙の事を考えなくてはいけない。けど、元を返せば中東に攻め入ったのはそこに石油があるからで、エネルギーを石油以外のものにしてしまえば中東のターバン巻いたヤバスジなんて相手にする必要もない。

そこで米国の政府の更に上にいる連中は決めた。「よっしゃ、21世紀は石油や〜めた、他のエネルギーにし〜よっと」

そうでなければなんで電気自動車など出てくるものか。米国が一番大事な利権を手放すにはそれなりの理由がある。

しかし手放すにしても次のエネルギーを何にするか。ここで21世紀のエネルギー、資源と言うテーマになる。

続く


tom_eastwind at 10:36│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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