2010年07月21日

言語 何を学ぶか?

どこに住むか何をするかはゆっくり考えて良いのだが、言葉は早いうちに学んだほうが良い。そのほうが苦痛が少ないからだ。

けど、じゃあ何語を学ぶのかとなればアフリカの少数民族の言葉を苦労して覚えてもビジネス的にはあまりプラスにならないのは、これはちょっと考えれば分かる。

「そんなひどいことを言わないでください、アフリカの言葉だって大事なんです」と少女趣味的に眼を潤ませて語られてもどうしようもない。だってこれは純粋に21世紀に子供が生き残る為にビジネスとして何語を学べば良いかと話であり人道主義を語っているわけではないからだ。

時間のある時に共感出来る言語を言語学者として学ぶのであれば何も言う必要はないが、最初に覚えるべき外国語ではないってことだ。

では21世紀のビジネス社会において何語を勉強すればプラスになるか?言葉を変えれば世界の共通語は何語になっているか、である。

その意味では間違いなく21世紀も共通語は英語である。これは昨日も書いたけどエネルギーとか世界戦略を考えるときにアングロサクソンがやる手口は、OS、つまり世界標準を構築してその上で全てを動かす、マイクロソフトのOSのような方法だ。

最初に世界標準を作り、すべての人間がその上で動くようにする、実にうまい手口であるが、言語もその一つであり今の世界共通語が英語になっているのは偶然でも何でもない、彼らがそう仕向けただけなのだ。

そして英語が標準語と言う現実は簡単に変更出来るものではない。ある日突然、「はい、今日から中国語が標準語になります」なんて事は世界戦争でも起こって中国が世界を支配して強制的に言語切り替えをしたとしても、やはり人々は慣れた英語を暫くは使うだろう。

だから22世紀に何語が標準語になっているかは読めないが、21世紀末頃までは英語が標準語である現実は変わらないだろう。

だからであろう、最近の中国では小学生の頃から英語を学んでいる。それも米国人教師等を雇い入れてきちんと本格的に発音からやっている。

名古屋で会った中国人はまだ学生だが、瀋陽から名古屋にやって来て最初に日本語を学び今は大学で英語を専門に学んでいる。すでに英語は充分に出来るのだが、その程度ではビジネスに通用しないと分かっているからだ。

そうであれば僕らの子供が学ぶべき第一外国語が英語であり、英語で外国人とビジネス交渉を出来るくらいの能力がなければビジネスの本流には出て行けないと理解出来る。

ならば早いうちから子供に英語を学ばせることの必要性がわかる。「ざけんな、うちは代々味噌作りなんだよ、英語なんて必要ないんだよ!」と言いたい伝統系の人々の言い分も分かるが、味噌を売るにしても日本だけではなく世界で需要が出ればビジネスは増えるでしょ、国内だけでこれからやっていけるのか、それよりは海外に出てビジネスの機会を掴もうよと言いたい。

そして英語を学ばせるにしても、日本の公立学校の教育システムではまず役立たない英語しか学べない。日本国内の英語の勉強ではどうしても限界がある。なのでやはり子供の頃から海外留学を数年経験させて現地学校に通わせてきちんとした英語を学ばせるべきであろう。

韓国から多くの親子がやってくるが、これは永住権だけでなく子供の英語教育という面も大きい。

今の韓国ではアメリカのビジネススクール帰りの英語バリバリな若い連中がビジネス社会を引っ張っており、ここ10年の韓国の成長の原動力となっている。

ここで、何で日本での英語教育では駄目かって点。それは、どれだけ英語の発音を身に付けてもそれだけではビジネスの世界では通用しないからだ。

大事なのは英語を使って考える訓練、そして相手と交渉をする技術を磨くことであり、日本にいる限り元々が議論のない国と文化なのでいくら英語を覚えても使い方が分からないという事になる。

ところが日本の現実は、今年のハーバード大学に入学した日本人が一人だけと言う状態だ。米国の大学では中国からの留学生が爆発的に増えており韓国からも常に多くの学生が来ているが、日本だけはどんどん減っている。

やはり日本の方が居心地が良いのだろうが、そんな事で21世紀を乗り越えていけるのかと本気で疑問に思う。

人の人生が80年とすれば、そのうちの2年間程度を自分の将来の為に投資してみようと思わないのだろうか?

いずれにしても親が子供に出来るのは、どれだけたくさん持っていても絶対に盗まれない技術、英語力を教えることだ。金だけ残してもバカな子供は使いきってしまって終わりだ。

ただし、もし時間があれば中国語も学ぶべきだろう。それも北京語。世界は今後ますます小さくなっていくが、アジア圏では一番力のある言語は今後中国語になる。世界標準としての英語は必須だが、それ以外にも中国語を学んでおけばアジアにおけるビジネスはかなり円滑になる。

自分が住む国が将来的にドイツやフランスであれば中国語はあまり意味もないけど、日本で生活をする可能性の方が高ければアジアの中心となる中国語は、出来ると非常に有利になるのは間違いない。

言葉が出来ると言うだけでビジネス交渉の場に引っ張り出されて、それが機会となって出世するのもよくある話である。

正しい場所に正しい時間にいる事が基本。その基本の上に言語を乗せてみよう、子供の為に。


tom_eastwind at 11:25│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔