2010年08月03日

Gravity

龍馬Gravity

ニュートンが落ちるりんごを見て思いついたという重力を、竜馬君が豆腐で実験した。別に豆腐でなくても良かったのだが、冷蔵庫にある食材で安いもので東洋的なものって考えたのだろう。

「重力について説明せよ」、これが竜馬君の通う中学校で先生から出された宿題である。

こちらの宿題と言うのは歴史の年号を暗記するとかスイキンチカモクドテンカイメイではなく自分の考えている事を表明するプレゼンテーション資料の作成と発表なので、いつ、どこで、何が起こったかを暗記して終わりではない。それを合理的に説明せねばならないのだ。

写真のように大きなパネル(これは後で立体的にする予定)に色んな文章やグラフを貼って、そこの中心に落下前の豆腐と落下後の豆腐の写真を入れて自分なりに重力とは何かを考えさせ、それを他人に理論的に説明する能力を身に付けさせることが目的なのだ。

世界が重力で支配されているのは誰もが周知の事実である。それを法則として証明?再発見?なんてか、誰でも知っていることを理論で発表したのがニュートンであり、別に彼が発明したわけでもなんでもない。

竜馬君はニュートンの重力?引力?の法則を自分なりに理解して「重さとは何か?」を同級生の前でプレゼンテーションするのだが、週末の間、好きなゲームも出来ずに朝からずっとエクセルでデータ作成やワードで文章を作ったり、次はそれをどんどん印刷にかけて、それから大きなダンボール紙を居間に広げて宇宙を意味する青に塗って、それから今度は床に座り込んではさみで切ってフロアを紙切れで吹雪が出来るほどにばら撒きながら一生懸命作っている。

ところが大体1時間に1回くらい、切れる。基本的に他人の話を聞かないので、お母さんがちょっと洗濯物を取り入れに行った瞬間、ふと目の前にテレビがあると何も考えずにスイッチを入れて後はずーっとそれを、お母さんに見つかって怒られるまで観ているのだ。

そしてお母さんがいる時でも、作業が煮詰まってくると、「お母さん!もう駄目だ、ぼくの思考回路が溶けてしまった!整理するにはPS3しかないんだ、Give me half hour ! 」とか叫んだりしている。けど一度始めたら1時間では終わらないのもいつもの事で、これまた怒られる。

毎回怒られることは目に見えているので、最初にまとめて宿題を終わらせてからゆっくりテレビを観ればよいものを(まあ親父も毎回同じ結果になることを分かっていながらバカな事をしているのであまりどうこう言えないが)プレゼンテーション資料作りは彼にとって全く新しい勉強方法であり、いらいらするのもよく分かる。

竜馬君もそろそろ自分の将来の方向性を考える時期に来ており、これから学校が教えていく内容も今までのような一人一人の子供向け情操教育中心から次第に社会の中に一人で放り出されても他人と社会生活をしながら生きていけるようになれる「すり合わせ教育?」とでも言うかな、自分の主張をきちんと他人に伝えられるようにする訓練だ。

今回の竜馬君のテーマは重力であるが、先生が与えた研究テーマは一人ひとり違うので、テーマが被ることはない。このあたりも、他人と比較するよりも自分で目標を作って自分の目標に近づいていくと言う方針を感じる。

プレゼンテーションの資料が出来上がれば学校に持って行き、子供たちが順番にクラスの前で自分に与えられたテーマごとに同級生に発表する。

最初の頃は慣れないだろうが、そのうち西洋人社会の論理にもまれて彼らの言い回し、理論展開などを少しでも覚えてくれればと思う。そうすれば彼は言葉のバイリンガルだけでなく思考回路に置いてもバイリンガルになることで、西洋社会のどこに飛び出しても親の助けなしに何とか戦っていけるからだ。

バイリンガルと言えば日本では士魂商才、和魂洋才、と言う諺があるけど、うちは日中ハイブリッド家族なので亜洲精神西洋理論か。


tom_eastwind at 12:13│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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