2010年08月29日

雨と東大

2602d101.jpg雨が降ったら電波が撃墜されるって言ったら笑われたって話を書いたら読者の方からご指摘を頂いた。ご本人の承諾なしなので内容をかいつまんで紹介すると、

前略〜無線LANで使う電波も人間の眼に見える光も同じ電磁波。雨が降ると光が届かずに景色が見えにくくなる。無線LANは高い周波数なのであながち間違いではない〜後略

実際は非常に丁寧な文章で詳しく説明を頂いているので、理科に弱い僕でもこれならすぐ分かる。

ありがとうございます、そうですか、どちらも電磁波のことなんですね。これですっきりしました。やっぱり専門家のお話は分かりやすくて簡単で事実を説明出来るので難しい勉強が分からなくても納得出来る。

それに比べると自称専門家でも全く意味不明な話をする人がいる。官僚でも本来は優秀なはずなのに現実を無視したわけのわからん考え型を平気でする人間もいる。

その理由が数日前のアゴラの池田記事で書かれていた。(池田氏は東大経済学部を卒業後慶応大学大学院でメディア・政策の修士課程を卒業、NHKに入社した人物である)

どうやら昔で言う大蔵省、今の財務省に入る学生は池田氏いわく「東大法学部に合格して最初から国家公務員試験を勉強して授業には欠かさず出席して、大蔵省は良が3つ以内でないと(後はすべて優)いけないので、入るのは勉強に疑問を持たず先生に忠実な学生であること」が条件だったようだ。

彼らは自分が納得するかどうかではなく先生が授業でどう言ったかがすべてなので、白いものを黒いと言われ、あれが白いと見えるのは錯覚だ、くらいの勢いで先生が説明する事を疑問を持たずに頭の中に詰め込まないといけなかったのだろう。

だから現実に見えるものでも信じてはいけないのだ。

そして先生や親の言う事を信じて社会に出れば本当にぼくは社会的に尊敬されて一生の生活は保証されて地域住民からは何かにつけ先生、先生と呼ばれて特別扱いされて幸せな一生を過ごす事が出来るんだ、そう本気で思い込んでいたのだろう。

だから世間からすれば常識的なことでも彼らの頭の中では一切理解出来ず受け付けようともしない。ある意味可哀相だ。

そして役人になれば疑う事を知らない彼らは今度は「上司のいう事がすべてだ、上司のいう事だけに従っていればよい、ばかな世間の噂や文句は無視しろ」と言われて育つ。

彼らの上司が作った作文だけが正しくて彼らの言うがままにバブル敗戦処理を先延ばしにしたり不良債権を隠したりしても何も疑問を感じない。

世間が大不況になり街には失業者が横行してアパートを追い出された人は公園にテントを張って寝るしかないような状況になっても本人の給与と地位は保証されているのだから関係ない、いつか世の中の現実を見せ付けられるまでは。

そう言えばこんな話がある。

ある地方都市の住宅街では地域住民が毎週交代で道路清掃などを行ってきた。新しく引っ越してきた家庭を訪問した町内会の幹事がこの住宅街でのイベントとか、皆が交代でやっている道路清掃の話をして“お宅の通りは来週の日曜が当番ですから、それまでに軍手とか買っておいた方が良いですよ、ほうきとかは町内会で準備していますので大丈夫ですから”、すると、それまでにこにこしていた奥さんの顔が急にきょとんと困惑したようになる。

“どうされたんですか?”そう訪ねる幹事に向って奥さんは「ええ、けど、宅は東大なもので、、、」。


tom_eastwind at 14:20│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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