2010年09月09日

対外的心理武装と理論武装と知識武装

8c308bcf.jpg西洋、特に欧州の若者は大学を出ると1年程度海外に出て見聞を広めてくる。当社の入居するビルでも10階に欧州の若者向け情報センターがあり、エレベーターには周囲のビジネスマンの中でちょっと場違いな雰囲気でバックパッカーを背負った若者が出入りしている。

彼らは外国で生活をして、よくフラットシェアなどで他国の若者と議論をしたりする事がある。例えば韓国人や中国人、もちろん多くの国から来た西洋人などなどと意見交換をしながら色んな事を学んでいく。

ところが悲しい事に殆どの場合日本人はこの環の中に入れない。それは英語が出来ないからではなく会話が出来ない、つまり話すべき内容がないからだ。

歴史を学ぶとか地理を学ぶとか政治の基本を学ぶとか宗教の基本部分だけでも学ぶとかを日本を出る前にやっておけば、これだけでもずいぶんと他人と話をする時のベースになる。

ところが何も学ばないまま外国に出て逆に外国人に日本の歴史を教えられてそれで日本を嫌いになるというお馬鹿も多い。こういうのは大体反捕鯨論者の女性が目立つ。

基本的に頭が良い為相手の話を素直に聞き、その一つ一つの理屈を納得してしまう。そして「ええ!そうだったの?日本ってそんなに悪い民族だったんだ、ゴメンなさい。私がこれから皆さんと一緒に悪いニッポンをやっつけえますう」となる。何故なら理屈の一つ一つは単体としては一つの考え方や理論として成立するからだ。

実は全体では矛盾したり崩壊してたりするのだが、全体を組み合わせて俯瞰してみると言う訓練を受けていないので矛盾に気付かずに大声で人前で「鯨を食べるのは野蛮だ!」と平気で言えるようになる。

勿論こんなのは日本政府の教育システムの問題なのだが、この女性の場合も中国で愛国心を持って日本人打倒!なんて叫んでる若者も、基本は同じである。要するに国か誰かに騙されているだけなのだ。

中国人と第二次大戦や歴史の話をする事が時々ある。ニュージーランドだけでなく日本でもだ。彼らの最初の姿勢は大体において「この小日本鬼め、何を知ってるんだ」みたいな斜に構えた雰囲気でこっちの顔を見ながらふんふんと頷き、さてどこから切り込んでやろうか、この小日本鬼め」と言う感じだ。

けれど大体最初の10分で雰囲気は全然変わり「へえオマエ、よく中国の事をそこまで知ってるなあ、どこで勉強したんだい?」と聞かれる始末だ。

けれどこれは大した知識ではない、実際にぼくの持ってる知識等、書店に売られている本で集めただけの基本的な知識でしかない、その気になれば2〜3日で学べる程度のものである。本当の中国の歴史は井上靖ではないが本気でやっても何十年かかってもその一片しか理解出来るわけはない。

じゃあ何で日本人の若者がフラットで中国人の若者と話してて「すぐに馬鹿にされたとか日本人に対して歴史的批判をされて、何だか謝らなくちゃいけない雰囲気になりました」となるのか。

それは学ぶべき基本的な知識さえ持たず、学校でセンセーのいう事に何の疑問も抱かずに信じ込んでしまい、授業で教える事以外の、人間として学ぶべきものや日本人として理解しておくべきことを学んでいないからだ。

そして何よりも大事なのは、相手と話をする時は相手の思考回路を理解して、相手にわかるネタから説明をすると言う点だ。つまり日本的情緒で「言わなくても分かるでしょ」的な説明では話にならんという事。

例えば南京の虐殺事件がある。あんなもんを持ち出してくる時点でそいつの程度の低さが分かるが、何を言われようといくらでも反論は可能である。ただ一点、間違いなくその時期に日本の軍隊が南京で戦争をしてその結果として中国人が死んだと言う点を除いては。

南京虐殺事件を例としよう。彼らは日本人が南京で30万人を虐殺したと主張する。ぼくはそれに対して一旦話を聞いてから冷静に返答する「ほう、面白い主張ですね。人口が20万人もいない街でどうやったら30万人を殺すことが出来るのですか?」殆どの中国人はこの時点で黙り込む。

何故なら彼らの学んだのは「日本人が南京で30万人虐殺した」と言う「話」だけでありその裏づけとなるデータ等は一切学んでないからだ。

中には頭の良い奴もいて「いや、それは当時の統計が誤魔化されているんだ、本当は〜」と主張するが、「ほう、では正しい統計の数字が当時の中国政府によって作成された以外にあるのですか?だったらそのデータを見せてください」これで撃墜。

又追加で「ところで南京虐殺って英語はmasacreですよね。ところが奇妙なことに当時南京に在住していた英国人外交官が本国に電報をした際はそのような言葉は一切使われていないですよ、これが唯一確認出来る当時の外国人による情報です」これも効果的。

もちろん反論のしようはいくらでもあるが、問題は彼ら中国人はこの事件をプロパガンダとして学んでおり歴史的証明と言う洗礼を受けていないから、つまりきちんと勉強していないからこちらから提出する事実(主張)に対して反証のしようがないと言う点だ。

実際に南京で殺人があったのは確実だ。ただそれは戦争中はどこでも存在したわけだし、第一中国人を一番たくさん虐殺しているのは当の中国人である。

こういう事実を一つ一つ冷静に、目の前に居る中国人を責める様な言い方ではなくお互いに正しい歴史を知りましょうよって姿勢で話せば相手もそのうちこちらの話を聞いて納得するようになる。

最後は中国の歌でも歌って笑えば、次の機会は必ず良い友達になれる。こういうのが本来の「お付き合い」であろう。

だから外国人と日本ネタで話をする時はある程度理論武装をする事が必要だし相手に主張されたら必ず反論、反証するための基礎知識を持つべきだし、更に何を言われてもすぐに判然と言い返す、例えばテニスでボールを打ち込まれたら何も考えずに反射的に打ち返すなどの心理武装が必要だ。

これからもたくさんの日本人が海外に出て生活をするようになるだろうが、とにかく知ってもらいたいのは「学ぶべきはまず日本の歴史であり同時に近隣諸国、つまり中国や韓国との歴史的知識」であると思う。

時間があれば中央アジアの歴史を学んだりアフリカのマリの勉強でも良いだろうが、皆さんが外国に出て最初に近しくなるのはやはり肌の色もありどうしてもアジア人、それも中国人や韓国人である。彼らと堂々と対等に付き合うためにも知識武装は是非とも学んでもらいたいと思う。

ほんとうは早いうちに国家なんて意識を捨てて、それぞれが地球の中の一つの村って感覚になってくれれば良いのだが。ぼくは「廃国置球」がこれから100年後には実現するのではないかと思っている。

写真は龍馬くんのクライミング教室の一場面。ロープを支える相方は真面目そうなキーウィ少年。ここはすでに国際交流していますね。


tom_eastwind at 15:55│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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