2010年10月14日

へネス&マウリッツ

62755613.jpgへネス・アンド・マウリッツはスウェーデンに本社を置く世界的ファッション企業だ。H&Mと書いたほうが分かり易い。これまた日経ビジネスネタで申し訳ないのだが、何故かこの号には学ぶものが多い。

ワークライフバランスと言うテーマでH&Mジャパンのクリスティン・エドマン女性社長が産休を取る話だ。

彼女は日本で高校まで育っており日本文化に馴染みがある。彼女は今回二人目の子供を産む為に半年ほど育児休暇を取る予定だ。

日本事業を統括する立場の人間が半年も?!となるだろうが、彼女も日本で長く生活をしておりその習慣もよく理解しているから当然躊躇いがあって本社のCEOに電話をしたところこういう返事が返ってきた。「1年でも1年半でも休みなさい。他の人にとってもいいチャンスになるから」

彼女は「わたしはまだ日本っぽさが残ってるんだな」と感じたとの事。

スウェーデンでは育児休暇がごく当然のように取られておりそれが社会に溶け込んでいる。けれどそれが問題となる事はない。誰もが会社員である前に人間なのだ。子供を育てる事は社会の宝を育てる事である。

「社員の誰かが育児休暇で抜けたとしても、それは「お互い様」である。かつては自分も手助けしてもらった、もしくはいつか自分が助けてもらうかもしれない。働く人みんながそんな意識を共有しているから、“あの人が抜けたせいで負担が増えた”といった意見はほとんど出ない」

こういう社会であれば子育ても楽しいだろう。子供と一緒に過ごす時間はとても楽しいし、仕事をする事で社会との繋がりを持てて友達も作れる。

ニュージーランドもこのような意味で子育てをしやすい国だ。育児休暇もあるしシングルマザー手当てもあるし社会保障もしっかりしているから、子供を産んでも生活に困る事はない。もちろん子供が大きくなればまた会社に戻って働ける。

ニュージーランドの特殊出生率は約2.1であり、自然に人口が増える割合になっている。この数字もやはり社会構造がしっかりしているから出来ることである。

日本も少子化問題でいろんな取り組みをしているが、このようなものはすぐに結果が出るものではない。何故なら長い時間をかけて作られた習慣や風習が背景にあるから、同じだけの時間をかけて元に戻す必要があるのかもしれない。

ただ、もしかしたら少子化は政府がどうやっても上記の例のような育児休暇の充実による子供を産みやすい環境作りということにはならないのではないか。

なぜなら西洋社会と日本社会の根本的な違いは、日本社会の場合は社会の為に個人が犠牲になることが無言で強要されており、半年も休むなんて言ったら社長や人事部が何か言う前に周囲の仲間が「ふざけんな、おれたちはこんなに大変なのに〜!」となるからだ。

労働法とかの問題でなく日本社会にある、誰かが何かをしようとすると自分の名前を伏せて「会社の為に!」と大義名分だけをかざしてお互いに足を引っ張りあう習慣である。

女性の社会進出がやっと出来るようになったと言っても職場ではまだ女性に対する馬鹿男どもの蔑視感があるし、差別を乗り越える為には女性はより一層働かねばならない、そうなると当然休暇も取りにくくなる。だったら子供を産まないって事で少子化になるし、働かないほうがましだからとなれば今度は無産者人口が増える事になる。

これも結局は下向きの平等だ。お互いに足を引っ張りあって結果的に誰も子供を育てる時間が取れずに子供が不良化して、その子供は自分が親になった時に同じ事を繰り返して、次第に誰もが子供を産むことに興味を持たなくなって、こうやって進んでいく少子化を止める方法は一つしかない。

それはクリスティン・エドマン社長も書くように「お互いさま」と言う気持ちをお互いが持って、社会全体で困った人を助ける自助精神を育てる事しかない。

ところが現実は、社会全体が他人に無関心になり他人が何か自分たちより成長しようとすると足を引っ張って、けれど自分は何の努力もせずに社会の将来にも無関心。

女性の社会進出は実は非常に重要なテーマだ。日本の労働人口を増やす一番簡単な方法は女性に職場に戻ってきてもらう事だ。これにより子供を預ける親が増えれば子育てビジネスも生まれるし様々なビジネスチャンスに繋がる。

しかし現実は、21世紀の現在でも女は馬鹿だと思い込んでる大馬鹿男が山のように存在する。こればっかりはどうしてか分からないが、男は自分の方が偉いと本気で信じ込んでいるから困ったものである。

つまり女性の社会進出や男女平等って観念は、馬鹿男どもの出世の足の引っ張りあいと女性蔑視がある限り現実には日本では難しいという事だ。そうやって少子化と男女差別をしている間に日本はどんどん沈んでいくのにね。

【ジュネーブ時事】世界の大企業が参加している世界経済フォーラム(本部ジュネーブ)は12日、社会進出や政治参加における性別格差ランキングを公表した。格差が最も小さい総合首位は前年に続きアイスランドで、2位ノルウェー、3位フィンランドと北欧勢が上位を占めた。日本は134カ国中94位と前年(101位)から上昇したものの、主要先進国の中では最下位だった。(2010/10/12-13:09)

ほんと、今週の日経は読み応えが多かったです。


tom_eastwind at 11:39│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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