2010年11月09日

風俗?風俗

54bb3c4a.jpgりょうまくんと一緒にいるのでテレビを見る機会が増える。今朝のNHKのニュースを点けていたらサラ金問題、今では消費者金融問題特集をやってて、これが非常に興味深かった。

テーマは消費者金融に関する法改正で発生したサラ金難民、とくに住宅ローンを抱える家庭の主婦が結果的に家族に内緒で風俗に走り生活費に充当するという話である。もちろん後半では闇金も出てきてこんにちわ、てな感じの作りで、時間がなくて途中までしか見なかったが、ほう、NHKが朝からこのテーマをやるほどに問題が広がっているんだなと感じた。

ところでこんな図式を考えた事がある人は少ないだろう。

バブル崩壊⇒給料減額⇒住宅ローン返済苦⇒サラ金⇒風俗⇒闇金=わかってやってる政府の仕業

しかし現実は上記そのものである。書き出せばきりがないけど、日本がデフレに陥って一般サラリーマン家庭が住宅ローンを支払えないのは承知で、さらに一時の立替手段として利用していた消費者金融をつぶす事で結果的に普通の家庭の主婦が風俗に走るようになるのは政府にとっても既定の予想として分かっていた。

1年ほど前には「消費者金融をつぶす事でサラ金被害はもっと大変なことになる、それよりも市場を健全化することで対応すべきだ」と言ったまともな意見はすべて無視されて強引に法律改正されて、その時に多くの声なき人々は「政府はばかじゃないか」と言ってたが、政府はばかじゃない。

消費者金融をつぶす事で家庭が崩壊の道を辿る事を重々承知の上で、役人の家庭だけはそういう事のないようにした上で民間企業で働く普通の家庭を風俗に追い込む。

この目的は、政府の役人が安いお金で素人を集めた風俗で遊びたいから考えたわけではなくて、日本人が借金をせずに身の丈を知った生活をさせる事で「低い平等」を実現させる、まさに人々を幸せにする社会主義を実現させる手法である。(これはこれで正解な政治手法である)

この手法を全部書き始めるときりがないけど、政府が何も分からずにサラ金規制法案を作ったのではないってのが理解すべき点であり、政府批判をする人が注意をしないといけないのはまさにここである。

政府の発想を理解する為には、彼らの発想の根本=日本社会主義を理解する必要がある。


戦前から戦後の社会主義思想をしっかりと学んだ彼らの頭の中では、「社会主義社会においては誰もが平等であり平和であり犯罪もなく格差もなく、そこには本来通貨さえなくてもよい、サラ金なんて浮いた金が存在するのがおかしいし、ましてやカネがなくて売春に走るなんてあり得ない」が大前提にあるので、「社会主義の実現に反するものは一切排除する、その過程において数年程度は一般家庭が崩壊する事もあるだろうが、それは自己責任である」と考えている。

この官僚の発想は現在の民主党の発想に非常に近く、特に現在の政権ど真ん中にいる仙石さんあたりとはぴったりの意見なので、ここ数ヶ月の政官コンビによる立て続けの法案改正や省令発動を見ると、まさに水を得た魚の勢いで今まで官僚がやりたくても出来なかった国家作りが一気に進んでいるのがわかる。

ここでまた何度も同じ話で申し訳ないが、ぼくは社会主義を否定してはいないし日本人には社会主義は合っていると思う。だから今の政府がやっている事は大きな舵取りの意味では充分に正解である。

右に行くのか左に行くのか分からない政権よりも、はっきりとヒダリに行きますよと宣言してもらい実行してもらったほうが、国家としての成長速度は速まるのだから問題はない。

ただしそれを一般国民に言わずにやるってのが、こいつら実に利口だなって思うだけだ。一般市民は隅田川のほとりで「た〜ま〜や〜」とか言いながら花火を楽しんでる最中に政府は暗い足元で民衆に気付かせぬように法律改正をやって、翌朝になると民衆が「あれ?法律って変わったんだ、まあいいや」で終わらせる技術。こりゃたいしたもんである。

けれどぼくのようなひねくれ的日本人、世界では普通の人間(笑?)と呼ばれているような人種からすると、このような「たまや詐欺」と言う手口は嫌いだし、社会主義は好きだけど僕の目指すのは上向きの平等であるから、これもまたどうしても納得出来ないし、だから結果的に上向き社会主義のニュージーランドに住むってことになってる。

サラ金問題から随分と離れたネタになってしまったが、こういう日常で発生する現実を、その現実だけで見ると大きな間違いになるし、大事なのはこのような結果を起こした原因がどこにあるのか、そしてその原因を納得出来るのかどうかという点だ。

納得出来る人が集まって国家を作れば同じ価値観の人々同士なので無駄な軋轢も余分な弁護士も不要である。それが日本の望む姿であればそれも良いと思う。

自分の奥さんが知らぬ間に風俗でアルバイトしてたなんてのはご主人が知ったらどうなんかとは思うが、それは大きな時の流れから見れば大きな川の中の小さな小石であり、流れさってみれば歴史の中のひとつの時代のページの”風俗”として語られるに過ぎないだろう。

写真は自宅の庭に最近よく遊びに来る野生化されたインコです。


tom_eastwind at 23:58│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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