2010年11月12日

香港交易広場

9ceabacf.jpg香港で二日間の予定も無事終了。

今回のアポの一つは相手側のオフィス、ExchangeSquare(交易広場)ビルを訪問する。このビルも懐かしい記憶がある。

20年前に香港で働いていた事、このビルには金融関係のお客様がたくさんいて、香港金融のメッカであるこのビルには打ち合わせでしょっちゅう通ったものだ。

さすがに20年経って周囲にどんどん新しいビルが出てくるとその中に埋まってしまうような雰囲気だが、それでも老舗の金融業界の集まってるこのビルで働く連中の顔つきはたくましい。

今回のミーティングは香港ベースのファイナンスカンパニーの日本進出に関するアドバイザリー業務である。とは言ってもぼくは日本の金融実務はアドバイスできるほど詳しくなく、あくまでも日本人の考え方とか仕事の進め方に関する部分が中心である。

この会社との付き合いも長く、社長は元々オークランドでファイナンスビジネスを行っており、当社は1999年の日本の外為法改正でファイナンスビジネスを始めたときからの付き合いである。

その後彼の会社は順調に成長して本社を香港に移して世界各地に支店を作るほどになったが、今でも香港に行けばメシを食う仲である。

今、世界中の金融屋が日本、特に国債に目をつけている。いつか吹っ飛ぶのは分かってるが、いつ誰が引き金を引くのかが問題で、金融屋同士がお互いに(日本ではなく)相手の顔を見つめながら「その時」が来るのを待っており、「その時」に乗り遅れないようにと準備にかかっているのだ。

それにしてもこの世界は怖い。ファンド業界を禿たかと呼んだりするが、あれは誇張でも何でもなく、まさにこの業界を知れば知るほど「禿たか」だけでなく、最初に相手を一撃で倒すライオンもいれば、襲われて凝らされた獲物の骨に残った死肉までもしゃぶるハイエナまで、いろんな連中が虎視眈々と機会を狙っているのが分かる。

日本国内にいてはまず感じることもないような問題だが、そうなるとお金の流れが一気に加速する。この時に起きる資金移動などの様々なビジネスチャンスを狙ってこうやって香港の会社が日本に出て行こうとするのを見ると、実感として「お、もうすぐか」と思ったりもする。

日本円は短期的に対米ドルに強くなってはいるが、これは実体経済ではなく為替操作の結果であり、だからNZドルや豪ドルは円に対してじわじわと上昇している。これは実体経済を現している。

実は彼も日本進出については「あの国って、一体どこが頭でどこが尻尾だ?わけわからん」と思ってた一人であり、今回の進出についてもとにかくゆっくりと(それでも日本人から比べれば非常に敏速だが)動いて、石橋を叩きながら前に進めている。

中国大陸出身の彼はオークランドでも非常に苦労しながら努力して成功してきた。長い付き合いなのでお互いに気楽に言いたい事も言える。だから彼が「日本はよく分からん」と言うのを聞いて、以前NZのティム・グローサー大臣が同じように「日本は、分からん」と言ったのを思い出し、う〜ん、申し訳ないな、けど説明しようにも彼らが理解不能なのだから仕方ないと言う気持ちについついなってしまう。

思うに、日本が世界の常識を理解して国際化する為にまず最初に必要なのは日本政府の転覆である。

江戸時代から政府の方針である「民は寄らしむべし、知らしむべからず」が鎖国につながり、戦後も実態として鎖国を続けてきた日本。これを良しとするかどうなのか、なんとも答えられないが、片方では国際化を唱えながら片方では実態として鎖国をするという、本音と建前をここまで使い分けていながら精神的安定を保っていられる日本人ってのは彼らからすれば理解不能な人種であるのは間違いない。

話は変わるが、昼飯をビル内の中華レストランでおごってもらい(この店の飲茶がまた随分美味しい)、ぼくと彼は英語で、彼と店のスタッフは北京語で、ぼくと店のスタッフは広東語で、3ヶ国語が飛び交うのに何の違和感もない香港でのランチを楽しみながら、母国を振り返ってちょっとさびしくもある。

なぜなら日本だとすぐに「え?英語出来るんですか、すっごーい!」とか「広東語も出来るんですか、すっごーい!」と言われるが、言葉はしょせん手段であり目的ではないにもかかわらず、ぼくが何故そこで何を話していたのかを質問する人は、非常に少ないのが悲しい。

このような世界では三ヶ国語くらい話すのはごく普通であり、一ヶ国語しか出来ないのは米国人くらいである。何語が出来るかよりも何を話せるかの方が非常に重要だというのをゲームのプレイヤーは誰でも理解している。

来年の展開はもしかすれば日本か?そんな事も考えながらオークランドへの帰途に着く。







tom_eastwind at 18:26│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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