2010年11月23日

幼児教育

35af37b3.jpgりょうまがまっすぐにこちらの顔を見て考えてから話をするようになった。奥さんはすんごいびっくりしている。坂本龍馬がおねしょばかりしてたのが、ある日突然目が覚めた、あの感覚だろうか。

本人からすれば何の違和感もないのだろうが、今まで目の前に霞がかかっていのが、相手の言う事を聞き取れるようになり自分が何を言うべきかを分かるようになった。すんごいよね、この成長。元々香港及びニュージーランド政府認定の自閉症ですぜ、この子。

少しづつ成長するって感じじゃなくて、ほんとにここ2ヶ月程度で急激に変わった。ついこの間までとんちんかんな話しか出来なかったのが嘘のような進歩である。

たぶん子供の頭の中には自分を守る為の薄い皮が何枚も重なっており、それが少しづつ剥げ落ちてきて、最後の一枚が今やっと取れて殻から出てきたという感じだ。

自閉症のことをきちんと勉強してるわけではないが、あれってやっぱり環境が大きく影響しているんじゃないかと思う。もちろん生まれつきの部分もあるだろうけど、生まれてからすぐにストレスだらけの社会に晒されてしまうと、感受性の強い子供は自分の脳みその回りに防護膜を張ってますます引き篭もってしまうのではないかと思う。

ある教育者によると、生まれたばかりの子供が実は一番目も耳も開いてて外部の様々な現象を理解して吸収していくのだと言う。つまり大事なのは頭の固くなった小学校あたりで何かを教えるよりも、生まれたばかりの時から教育プログラムを作ってあげることがずっと効率的だと言ってる。

今の日本では幼稚園と保育所をどうするかが議論になっているが、保育所とは子供を預かる場所と言う解釈から議論が始まってるが、実はこれ自体正しい出発点なのかってことを考える必要がある。

子供が一番成長するのは三歳児までである。だから昔からの諺で「三つ子の魂百まで」となる。三歳までの教育は親が中心となるので、もし子供の性格や素行が悪ければそりゃ親の真似をしただけであり、親の責任と考えたほうが良いであろう。

日本では無責任なバカ親が学校に過大な要求をして学校は責任逃れの為に出来るだけ何もせずにいて、その被害者が子供と言う構図になっている。だから無理やり学校に行かされたりテストで良い点を取るように強制されたり、なのにきちんとした教育を与えてはくれないから可哀想なものだ。

ニュージーランドはこの点は随分日本よりも進んでいる感じがする。子供の個性を大事にする教育だし、何よりも子供を社会の宝と位置づけているのが良い。

自閉症は子供の頭の中に何十枚もの薄い膜がかかっている状態と考えてみればどうだろうか。子供は薄い膜を自分を保護する為に作り上げているが、周囲に問題がないことを理解すれば、長い時間をかけて次第に膜を一枚づつ剥がしていって、最後はある日突然ぱっと目が覚めたようになるのではないか。

その為に大事なのは親が子供にストレスを与えない環境で育てる事だろう。他人と比較せず、常に話を聞いてあげて、決して怒りに任せてどならない(このあたりかなりぼくは自己反省)。それに環境も大事だろう。ストレスを感じさせない環境でのんびりと生活をさせてあげる事。

けれどりょうまくんにとって何よりも幸運だったのは素晴らしい母親の存在であろう。彼女はりょうまくんが生まれた時から教育を与え、自閉症と診断されても特別扱いせず、けれど間違ったことは間違いときちんと教えて、いつも優しく包み込んでいた。

ぼくが奥さんを一番尊敬する点は、まさにこの教育である。彼女の教育者としての方法は見事としかいいようがない。

今からでも学校の先生になればいいでしょ、せっかく大学で幼児教育の勉強もしたんだからと言うと彼女は「あんたたち3人で充分に疲れたよ、もう充分。それによその子を学校で教えたとしても家に帰ったら親がそれをひっくり返すんだから時間の無駄」と言ってた。なるほど、家庭教育の大事さですな、学校だけでは砂上の楼閣か賽の河原ですな。

それにしても幼児教育の大事さは、大人になってから何を教えてもムダになるって事を考えると、大学教育よりもよほど大事な基礎教育である。

親はどこまでいっても教育には素人であり教育能力がないのなら生まれてからすぐ預かってくれてきちんとした幼児教育を提供してくれる公立の保育園を作り、ここで5歳までしっかり基礎教育を教えてみればどうだろうか。子供の数に合わせた保育園だから入園出来ないって事はないし、そうすればお母さんは出産後に職場復帰出来て社会戦力となる。

頭の固くなった若者に大学に行かせても費用対効果は低いわけで、それならゼロ歳児教育にお金を傾斜投資してみれば、20年後には確実に効果が出ると思うのだがどうだろう。

なんて事を書いててふと思い出した。そう言えば生まれたばかりの子供はすべて親元から手放して国家教育相で管理して徹底的に”教育”をするって政策があった。あれって一応SFだけど共産主義の行き着くところだったような。

行き過ぎは困るが今の日本の素人教育で子供が親に殺されたり学校に擂り潰されて自殺したり自分が制御出来ずに病気になったり他人に無関心な大人になったりするくらいなら、政府による無料ゼロ歳児教育を導入させてお母さんの社会参加を促しながら教育はある程度はプロに任せていくのも良いのではないかと思う。


tom_eastwind at 10:39│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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