2010年11月24日

対岸の火事

北朝鮮が遂に韓国に砲撃を仕掛けてきて死傷者発生、民間人にまで怪我人が出たのだから、これは普通に戦争再開である。

韓国と北朝鮮は休戦状態にあり、板門店で「さあ、これからどうする、射ち合うか手を握るか」って状態が50年以上続いている。

韓国としては今年3月に起こった自国哨戒艦の沈没事件で米国に乗っかって北朝鮮の仕業だと訴えたが「ほんとは自沈、味方同士の相撃ちじゃん」と言う世論も出てきてちょっとやばい状態だったが、今回の砲撃は明確に北朝鮮からの攻撃であり、疑問の余地はない。

であれば誰が何故韓国に砲撃を行ったか?誰にとって利益になるのか?少なくとも韓国側に何の利益もないわけで、そうなると北朝鮮側の誰が利益を得るかである。

中国と言う重石を頭に載せてる北朝鮮政府としては政権交代もあり、今あんまり派手な事も出来ないはずだ。

ところが北朝鮮の核開発疑惑が一昨日持ち上がり、そして昨日のこの砲撃であるからその背景にあるのは北朝鮮軍部だと考えるのが一番分かり易い。

政権交代をしても軍隊が結局一番強いんだぞ、金ちゃんとこの息子がばかな事やって北朝鮮の軍事力を低下させるようなことしたら、政府を無視してでも韓国に攻め入るぞ、今回は砲撃だが次回は侵略だぞって事ではないか。

要するに米国と言う本来交渉をしたい相手を引っ張り出すのに、弱い場所から順番に叩くってことだろう。その順番として最初が北朝鮮の国境沿いであり、次は半島本土か。それでも駄目ならまた日本の上にミサイルを飛ばすのだろう。

けどそうやって火遊びをやっているうちにどれか一つが本当に火薬庫に飛び込んで大爆発、そうなると朝鮮戦争の再開である。

北朝鮮は韓国のソウルに向って戦車で攻め込めば3時間で占領出来る。米軍は地上部隊が少ないから止める事は難しい。日本に向っては北朝鮮特殊部隊を送り込んでインフラテロを行ったりして経済をかき回して自衛隊とも市街戦くらいやるだろうな。

狙われるところはやっぱり新潟とか福井とか、北朝鮮から侵入しやすくてソフトターゲットのある場所です。そして北朝鮮に対して唯一対抗して防衛出来るのが日本の自衛隊である。さて、今まで鬼の首を獲ったようにはしゃいでた自民党の何とか議員さん、どう思いますか、これでも自衛隊は暴力装置ではないですか?

それとも、「いえ、自衛隊は暴力装置ではなく暴力対抗装置です」とでも言いますか??どっちにしたってこうやって外国が攻め込んでくれば、暴力を持って対抗してくれる組織は自衛隊しかいない。

まあこれもニュージーランドから見れば対岸の火事であり、今この国では北半球の東アジアのちっちゃな地域で起こりそうな戦争よりも、南島のパイクリバー鉱山の炭鉱事故で閉じ込められた炭鉱労働者29名の命の話を週末からずっとやっている。

この「重大ニュース」の合間に時々「北朝鮮が大砲撃ったよ」とやってる。彼らの感覚的にはイラクやアフガニスタンよりも遥かに遠い国の話であり、むしろ東ティモールに派遣されたキーウィ兵士に関するニュースの方が大きく扱われる。

これは当然の事で、ニュージーランドからすれば地理的にも離れて政治的に巻き込まれることもなく、自国民及び自国への経済的影響に与える影響が低い地域での限定戦争なのだ。それよりも目の前で起こった落盤事故の方が大ニュースである。

日本の上層部では「やば。今回はマジに日本もやられるかも」と思って、今までは対岸の火事だったのが両岸の火事になる可能性を少しは感じ出している。

一般国民は、まさか自分が住んでる街にある日突然ミサイルが撃ちこまれるなんて誰も真剣には考えていない。

が、いざ北朝鮮のミサイルが日本を向いたと言う報道が発表されて、それが日本のどこに落ちるか分からないとなれば「まっさかね〜」とは思うが、それが「どうやら目標は新潟市です」と発表されたら新潟市民はまさに「ひえあ!逃げろ!」となるのと同じである。

こういうのが「どこの街に住むのか」と言う問題である。ニュージーランドはイスラムもクリスチャンも仏教も仲良く共同生活をしているからテロが起こる可能性は殆どゼロに近いし、どの国も羊を食べる為だけにニュージーランドに侵略してくる事もない。

自分の住んでいる街はコンビニがあって地下鉄が発達してて朝まで電車に乗れて食事が美味しくて、けどそこにミサイルが撃ち込まれる可能性があるとなったら、それでもその便利な街に住み続けるだろうか。

いくら「言葉が通じて」、「昔からの友達がたくさんいて住みやすくて」、「そこそこに食っていけて」、「親戚もいるから生活に困る事もないし」とは言え、ミサイル撃ち込まれたらそれで終わりなのだ。

一生懸命作り上げた家族生活も、ローンで買ったマンションも、働いている会社も、親戚のうち数人かは、友達も数人か、亡くなるだろう。

ニュージーランドの今の大きな問題は29名の炭鉱夫の命だが、日本の今の大きな問題は北朝鮮と原子力発電所である。

ニュージーランドでは石炭を自前で賄っているから探鉱爆発と言うリスクは常に抱えているから今回の事故もある意味「想定の範囲内」である。NoRisk,NoGain,だ。

ニュージーランドの良い点は、国民がリスクをゼロにする事は出来ないが、リスクを最小化させることは出来ると知っている事だ。現実に軸足を乗せて考えるから、出てくる答も非常に理性的である。

実は先週金曜日に第一回目の爆発が起きてからすぐに救助隊は結成されたが、炭鉱内部は粉塵とガスで充満しており、もしそんな所に飛び込んだらほぼ確実に二回目の爆発が起きて二次災害が起こっただろう。

だから今日のニュースでも誰一人として救助隊がいるのに内部に入ろうとしない事に非難する声はなかった。日本だとこれが感情的に「中には誰かまだ残っているかもしれないのに、何故救助隊は救出に行かないのだ!」と非難ごうごうであろう。

これが日本とニュージーランドの最も違う点であり、日本は平和ボケしてリスクを取る事を忘れてきれいごとばかり言うが、ニュージーランドでは平和な国でありながら今も世界中にキーウィ兵士を送り出して平和の為に暴力装置を最大限に活用し、リスクを理解してどう最小化するかを考え、きれいごとは言わずに現実的に二次災害を出さないほうが大事と判断するだけの知恵がある。

日本で「おれ、安全だもんね」と思ってる人の住んでる町の原子力発電所が北朝鮮のテロリストに襲撃されたり地震で吹っ飛んで核爆弾になるリスクをどれだけの人が自分の事として覚悟しているか。

ここ数年、北朝鮮特殊部隊侵入や原子力発電所の爆発等を取り扱った小説が売れている。読んでいるうちは対岸の火事であろうがそれが実際に目の前で起こったなら、ボウリョクソウチって言ってた議員はどうするか?

おそらくきゃーきゃー言ってその辺をぐるぐる走り回るだけだろう、誰を助ける事も出来ず、自分が今まで何も備えをしてなかった事に後悔しながら。

なので、いつ、どこに住むのかはとても大事だし、何か起こったら逃げ場所を作っておく事も大事なのは当然である。それがリスクを最小化することである。リスクをゼロにする事は絶対に出来ないが、リスクを減らす事は出来る。それをせずに決定的な状況に自分を追い込んだ場合、それを自己責任という。


tom_eastwind at 18:53│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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