2010年11月30日

善意の皮を被った無責任な人々

31008a9f.jpgぼくが仕事をやってて一番困るのは、善意の皮を被った無責任な人々(本人がそう思ってない事が一番困り事)がニュージーランドのイメージを結果的にマイナスにする事だ。

例えば不動産であればお客はニュージーランド不動産投資とかに興味を持つのだが、何故か日本での不動産成功体験があるから「おれ慣れてるから大丈夫」と安心している。

なのだが、結果的に自分で視察に来て現地の居酒屋あたりで知り合った日本人に「ほう、だったら地元のちゃんとした不動産会社を紹介しますよ~、日本人不動産業者なんて妙なのが多いですからね~」となる。

そしてその地元不動産屋にこてんぱんにやられてから駆け込みしてくる案件。不動産に関する法律の基本概念が日本とは根本的に違うし、地元の不動産屋は売ったら終わりで信用なんて関係ない。

何故なら彼ら不動産やは、当面やる仕事がないから不動産やってますってのが非常に多いし彼らは1年程度働いたらすぐ他の業界に行くのだから信用なんて必要ない。目先の手数料が入りさえすれば良いのだ。

ところがそのような基本的知識を教えもしないまま「え~、何でも自分で出来るよ~」なんてやってしまい不動産物件の鑑定も周辺価格調査もやらずに、買った後でトラブルになる。

紹介した日本人もよく言えば先が読めないだけだし悪く言えば無責任な間抜けなのだが、がちがちに作られた契約で買ってしまった後にはどうしようもない。そしてこの日本人も「おれ、紹介しただけで、よく知らないんだよね、あの会社のこと」なんて平気で言いのける。

悪気はないんだろうけど、人が良いだけなのだろうけど、同胞をお手伝いしようと考えているのだろうけど、結果的に善意の皮を被って無責任な発言をして他人をトラブルに追い込んでる。

ビザも同じだ。当社は日本の一般住宅の郵便受けに一枚一枚「移住しませんか」なんてビラを撒いてるわけではないし、どちらかと言えばお断りするケースの方が多い。

だから僕らとしても誰かれなく「移住しませんか~」なんて営業が出来るわけがない。当社に営業チームがいないのもそれが一番の理由だ。

移住できそうな可能性がある方にはきちんと方向性とか考え方とか将来性とかを説明するが、そうでない人には「日本にいた方がいいですよ」と伝える。

もちろん誰でも移住できる可能性はある。だから「私は出来るんですか出来ないんですか!」と聞かれれば、可能性として出来ると答える事は出来る。

ただこれはすべてにおいて比較論の問題であり、移住することにかかる手間と費用と時間と移住した後に構築できる生活を考えれば、このまま日本にいた方が幸せと言う人はたくさんいる。

日本にいれば少なくとも家族や親戚や同級生や、誰かが何かの時に守ってくれる。しかしニュージーランドに来たらそんなのないわけで、誰を頼りに出来るわけでもない。

だから、出来る出来ないではなく、移住の将来像を考えた時に果たして移住が正解なのかを考えてもらいたいということだ。

ところが当事者意識のない無責任な連中は平気で「移住?いいんじゃないの~、誰でも夢あるもんね、やってみれば~」なんて気軽に言う。もちろん責任を取るつもりはないのでイウダケ星人なのだが、言われた方は背中押された気持ちで移住計画を作る。

ところが善意の皮を被った無責任な人々は何も考えずに「え~、自分が正しいと思うこと、すれば~、人生は一回だけなんだし~」などと平気で無責任にけしかける。口当たりの良い言葉と耳に心地よく響く言葉、すべてが飾り物だと気付くのは移住した一年後である。

結局そうやって移住してきた人は現実の壁にぶち当たり「こんなはずじゃなかった・・・」と言うのだが、時すでに遅し。時計の針は反対側には回らないのです。

美辞麗句で立派なことを言って自分にうっとりしている人に対して言っておきたい。当事者能力も当事者意識もないままに無責任な発言をする事で人が不幸になっていく現実を知っているのか。

移住を希望する方に予め言っておきたいのは、移住はあくまでも比較の問題であるってことだ。移住は出来るかもしれないが、それよりも今の日本にいた方が幸せな人はたくさんいる。

よく考えて欲しい。移住とは幸せになるためのステップであり、移住を実現する為に苦労する事と移住した後に実現するであろう生活を考えてみて、それと今の日本の生活を比較してみて、ほんとうに移住した方が良いのかどうか。

地獄への道は善意で敷き詰められていると言う諺がある。今の日本のように、皆が目先のことだけ見て善意でどうのこうのやってるうちに国家自体が沈み始めている。

個人でも同じである。一番怖いのは自分が正しい事をしていると思い込んで他人を不幸に巻き込むことだ。



tom_eastwind at 12:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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