2011年01月12日

こうもり

東京に来て一番目立つのが暴走自転車だ。

★抜粋開始
携帯電話を使いながら片手で運転したり、音楽プレーヤーで両耳をふさいで運転したり。そんな危なっかしい自転車が目立つ。人波を縫うように猛スピードで走り抜ける光景も珍しくはない。
 
手軽さゆえの気の緩みからか自転車事故が増えている。二〇〇九年は歩行者との事故が十年前の約三・七倍、自転車同士の事故が約四・四倍に上った。

 一瞬の油断がもたらす代償は大きい。夜間、携帯電話を見ながら無灯火で走っていた女子高生の自転車が前を歩いていた看護師の女性に追突した。女性は首にけがをして歩行困難の障害が残った。五年前、横浜地裁が支払いを命じた賠償額は約五千万円に上った。

 相手が死傷すれば、自動車事故と同じように刑事と民事の両面で重い責任を問われる。自転車には一生を棒に振りかねない危険が常に潜んでいる。利用者はそれを肝に銘じておきたい。
★抜粋終了

ニュージーランドでは去年自転車の死亡事故が5件続いて、現在の道路交通法を見直しすべきではと言う動きがある。

この国では自転車は車があるのだから車道を走ると言う考えである。だから5年ほど前まではオークランドの大きな交差点でバスが信号待ちしていると、トレーニング用の自転車がその左横にぴたっと付けて自分の右手で体を支える場面などごく普通であった。

ところがあいつぐガソリン値上げで当時は1L1ドルだったのが、今ではもう1Lが2ドルである。これに影響を受けたのだろう、シティで最初に流行になったのがMoped(モペッド)、つまり日本で言う原付である。

そして自転車は以前は郵便局の配達のお兄ちゃんが颯爽としてシティの坂を駆け上ったものだが、最近はどうもガソリン節約の為のバイカーが増えてきて、彼らの腕が落ちているのではないか、クイーンストリートを走るのは良いがそれなら周囲にあわせた速度で走ろうよ、そんなとろとろで一車線取られたらやってっれないぜって雰囲気。

最近は道路整備するときは自転車対策としては車道と歩道の間に自転車道を作る地域も増えている。けれど自転車はやはり自動車に対しては弱者である。だから事故が起これば自転車が確実に負ける。

けど自転車を轢いてしまうと刑務所入りの可能性が高いからドライバーも注意しなくちゃいけなくて、これがまた運転の疲れをましてしまう。

と、ここまでがニュージーランドの現状であるが、日本に行くと自転車が歩道に乗り上げて歩行者を突き飛ばす事件が頻発している。

ぼくも街中を歩いてるとびっくりするが、今の日本ってこんなに他人に対して思いやりなくなったのか?抜粋にもあるように、ほんとにヘッドフォンして勢いつけて歩道を走って、子供が居たらビンビンとベル鳴らして「あっち行け!」である。

こうなると自転車は一体何なのか?自動車のような強い奴に対しては弱者になるが子供や老人の歩行者に対しては威張りクサって”リンリン!”と強者となる、まるでこうもりのようではないか。

今は日本でも自転車道を作ることが検討されているが、自転車は手軽に使えて車のように車庫証明も不要で駅前でだって放置しておけば良いってわがままな人間が増えて役所も困って対策を立てているがどうも根本的な改革になってない。

これなど自転車を運転する人が道徳心を持ってきちんと駐輪したり歩道で歩行者とすれ違う時は一時停止するとかすれば良い事だ。そうすれば何も駐輪場なんて多額のお金をかけて作らなくても済むだろうし歩道の拡幅もしなくて良い。

自転車は車なのか?答は難しいだろうが、お互いが相手の事を少し気を使うだけで解決する問題だ。


tom_eastwind at 20:58│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本

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