2011年01月22日

再開!

1月19日に出社、ということは一か月会社にいなかったわけだ。ぼくの長期出張は3週間程度なのでオフィスを離れてた日数では最高記録かも。

 

日本の1970年代は商社マンの出張と言えば一か月など珍しくなかった時代がある。海外出張しても乗継便の問題とかで時間がかかる。どうせ行くならまとめて出張を片付けてしまえってんで米国をぐるぐる回った後に欧州に行き、それからついでに中東かアフリカを回って帰ってくればカレンダーの月は変わってて、ある意味時代はそれだけゆっくりしていた。

 

今では信じられないだろうけど旅先の多くのホテルにファックスはないし国際電話も申し込んでから部屋で何もせずに2時間くらい待ってやっとつながるとかだ。もちろん携帯電話はなし。だから出張の途中に待ち時間を数日利用してちょっと旅行でもなんてできた。

 

それが今は世界中どこでも一発で通じるケータイ電話とファックスとインターネット、そして何よりも飛行機の高速化により移動時間が大幅に短縮されたことで、“ちょっと旅行でも”なんて思ってたらいきなりケータイが鳴り出して「お前、今どこなんだよ!夕方の直行便ですぐ帰ってこい!」ってことになる。

 

その結果として1泊3日の欧州出張などが発生するようになり、海外を飛び回る連中からすればまさにビジネス以前の体力勝負になったわけだ。

 

パソコンやケータイが出現したとき、人はこれで便利になると思った。けど、相手も同じ武器で装備するって考えなかったのかな、結果的に誰もが今まで以上に忙しくなった、喜んだのはビルゲーツとNTTだけである。けどその彼らも自分たちの首を絞めることになったのだから、古き良き時代の終わりを自分たちで幕引きしたってことかな。

 

オフィスの机の上は思いっきり片付いてて、ほとんど何もない机の左上に郵便物が日経ビジネスを中心にきれいに重ねられていて、郵便でさえ2通だけ。ぼく宛ての手紙が来ることは非常に少ない。出張中にわりかし不安なのがクレジットカードの利用残高である。金がなければ何もできない日本だからと言って腹巻に現金巻いていくわけにもいかない。クレジットカード命である。だから出張から戻ってきて銀行のステートメントを見るのがどきどきだったけど、今ではこれでさえもネットで即見られるので通知をもらう必要もない。

 

そういえば1960年代の手塚治虫のマンガで「これからのお金はクレジットカードになるよ」と主人公が言ってて、当時のぼくは「授業で使うような下敷きのプラスチックがお金になるわけないよ」なんて思ってたけど今ではカードは手放せないし、逆に言えば自分の行動を思い出そうとしたらクレジットカードの利用記録を見ればわかる時代になった。

 

水曜日の朝に出社して机の上をさっさと片付けて出張中に日本で溜まった読み終わった本を本棚に、雑誌を休憩室に、その他必要なものを定位置に戻すと朝の11時からさっそく会議に入る。

 

今回の出張で今後10年くらいの日本の方向性は見えた。もうちょっと長いか。やっぱり日本が日本でいる限り絶対に変わらない部分と、一部日本人がとんでもない努力と偶然と幸運を身に着けて変えていく部分とがどう組み合わせていくか、ベクトルは広いけど答えに大きな違いはない。

(今日も書き込みで苦労してます。写真の挿入とか行間とか、まだわからんな)。

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tom_eastwind at 14:41│Comments(0)TrackBack(0)

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