2011年01月30日

年金改革は白紙で議論!

政府の言ってる消費税と年金改革の行方が見えてきた。まさに今までの制度を「白紙」、つまりちゃらにしてしまうということだ。

 

「国民の皆さん、みなさんが今まで払った年金は賦課方式、つまり年金世代を現役世代が支える仕組みという名目なので皆さんが払ったお金は先に使ってしまうのです、今まで皆さんが払った年金は全部箱モノにしたり天下り財源にしたりして使ってしまったのです。だからあなたの払ったお金はもうありませんヨ」

 

「もしあなたが年金欲しければ若者から取り立てるようになりますが、そうなると彼らの負担は毎月3万円とか5万円とかすんごく高くなりますよ、若者を苛めてあなただけ楽をしたいのですか(笑)〜??」

 

「日本のみなさん、今後は年金は団塊世代がもらえないようにひとまず70歳から支給にしますが、団塊世代が死なずにたくさん生き残るようなら団塊世代が追いついてこないように次は75歳、その次は80歳、最終的には90歳にしますから〜」

 

「それから病気にもならないようにメタボ対策やってくださいね、医療費も高くつくので今は三割だけどそのうち病気の種類によっては自己負担を基本としますね。どうしてもお金がなければ病院には行かないでください。でもって自宅で孤独死してくださいね。だって自己責任でしょ、病気になるのは」

 

「あ、もちろんぼくら公務員は別ですよ、自前で公務員年金を作ってるし医療保険制度も整備されていますので大丈夫。だいいち、いやだな〜(笑)、ぼくらは60歳までにきちんと天下りしますよ〜」

 

「次官クラスなら上場企業の役員、局長クラスでもなんちゃら財団やなんちゃら公益法人やらたくさんあります、一般職員でも自動車学校とか取引先の中小企業とかね、だって役人に睨まれたら困る人がたくさんいるでしょ」

 

「でもってそこの会社で70歳まで悠々自適で給料とか役員報酬とかをもらって最後にどかーんと退職金をもらって、仕事を辞めた後でも公務員年金は手厚いので生活には困りません、ど〜ぞご心配なくぅ〜」

 

 

年金改革が議題に乗っているが、どうやらこの考えは「年金は払わない」という方向性である。与謝野さんが担当になって財務省と組んで方向性は明確になった。年金を白紙でという意味は、年金制度をやめることを含めて見直しをしようということだ。

 

今まで国民から預かってた金は全部使った。年金制度は止めて自己責任制度にする。今まで真面目に払ってた人ありがと、これからは自分で稼いで自分の老後を守ってね。

 

これも財務省の立場から見ればわかりやすい。1960年代頃から年金は税金として国民から集めようという議論が当時の大蔵省の中にあった。しかし税金が高いと批判されないようにあえて税金と切り離して年金としたのだ。

 

こうすれば払ってる方からすればなんとなく貯金している気分になる。実際は賦課方式であり払った金はその場で全部使われたのだが、1970年代の若者は30年先に年金がどうなるかなんて考えもせずに黙って政府に金を差し出したのだ。。

 

しかし役人の感覚では国民から集めるこのお金は「税金」であり、毎年使い切るのが正しいとなる。

 

今年集めた金年金受給者に配給した後に残る莫大なお金の入った金庫に政治家や役人が手を突っ込んで「おらが村に箱もの作れ!」とか「私たちの天下り先の財団を作りましょ」となる。

 

もともと年金が残高不足になるのは20年前からわかっていた。少子化により現役世代が減っていくのだから当然のことだ。

 

今までにかき集めた金は全部使った。これから集める金は今の制度で払っていくには足りない。ならば選択肢は若者からごっそり取るか年金支払いを停止するかである。

 

ここでわかると思うが、厚労省には最初から年金運用で次世代に資金を残すと言う発想は全くなかった。とにかく入ってきた金は全部使う。足りなくなったら国民に選択を求める。「あなたの年金止めますか、若者から搾取しますか?」だ。

 

しかしそこには自分たちが保身のために使った金のことなど全く考慮されてない。

 

「今まで俺たちが払ってきた金は何だったのだ?」

「ああ、あれね、あれは賦課方式と言って年金世代の人々のために全部使ってしまいましたよ」

「え?じゃあおれたちが25年以上も続けて毎月払ってきた金はどこにあるんだよ?」

「ああ、あれね、ほら、阿蘇山の近くとか年金で作られた宿泊施設とか演芸会館とかあるでしょ、あれに使ったんですよ、だって賦課方式ですから入ってきたお金は年金世代の方に楽しんでもらうために大きな箱を作ったんですよ」

「それって今の計算でどれくらいの資産になるんだ?てか、それ売り飛ばして現金に出来ないのか?」

「ああ、あれね、売り飛ばしてもいいけど二束三文だし誰も買いませんよ、だってそこで働いてるのは国家公務員という大事な人々で、買い取りをしたい人には必ず雇用保障を要求しますからコスト合いませんよね〜(笑)」

「じゃあ、おれたちが今まで払ってきた金はなくなった、じゃあおれが60歳で定年になったらどうするんだよ!」

「ああ、あれね、大丈夫、定年は65歳にしますから。けど年金支給開始は70歳、でもって死人の数が合わなければまた支給年齢を引き上げますから〜、わははは」

 

これこそまさに年金の根本的改革である。政治が止めることは出来ない。選挙で止めることも出来ない。何故なら政治は官僚によって支配されており官僚は選挙で選ばれるのではないからだ。

 

この日本の制度を根本から変更する方法はある。しかし実行するにはあまりに多くの犠牲が必要である。今はまだ無理だ。



tom_eastwind at 11:41│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

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