2011年02月03日

やりたい放題

国税OB税理士を聴取 愛知・知立の業者も捜索、脱税容疑で名地検

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 名古屋国税局OBの税理士(50)が主導したとされる脱税疑惑をめぐり、名古屋地検特捜部は3日午前、愛知県知立市の運送業「刈谷配送」が架空経費で所得約2億円を隠し脱税したとして、法人税法違反(脱税)の疑いで強制捜査に着手した。同社や、名古屋市天白区の税理士宅など関係先を、国税局と合同で家宅捜索。特捜部は税理士らから事情を聴いている。

 会社関係者によると、2007年12月の刈谷配送買収を機に経営に参画した税理士は、自らが関与する2社に「経営指導」名目の架空コンサル料を計上する手口で、数年間にわたって法人所得を圧縮していた。脱税額は6千万円前後とみられる。

 昨年末からの任意での特捜部の事情聴取に対し、税理士は自らの主導について否認しているもようだ。一方、税理士と一緒に刈谷配送の代表取締役に就いた日本介護サービス(同県豊田市)の役員3人は脱税を認めているとされる。

 一方、名古屋国税局は10年5月、刈谷配送と関連会社の売却益2億5千万円を申告していなかった所得税法違反(脱税)の疑いで刈谷配送の創業者(68)を、また同11月には、架空経費で所得を圧縮したとして法人税法違反(脱税)の疑いで日本介護サービスをそれぞれ強制調査(査察)した。いずれも、税理士が脱税指南した疑いがあり、特捜部はこれらの関連捜査も順次進めていくとみられる。

(中日新聞)

 

こういう事件は国税局からすれば「個人の例外的な違法行為」とでも言うのだろうが実際には長年にわたって行われてきた「組織犯罪」である。

 

税理士というのは面白いもので、大学出てから税理士になろうとすると一生懸命勉強して免許を取る必要がある。けれど税務署で一定期間働いた公務員については、退職後に試験を受けることなく免許を取ることができるという特例(抜け穴)がある。

 

だから国税局を退職した後に税理士を開業して国税時代の客?に天下り顧問として入り込んで、その企業には税務調査が入らないようにさせる。

 

現役国税マンからすれば調査先はたくさんあるわけで、自分を鍛えてくれた先輩OBが「おいこら、うちには入るなよ」と言われれば、当然そのような企業には査察をしない、ほかにもたくさん「客」はいるのだから。

 

国税局職員の数は限られているし予算も限られている。その中で効率的に「徴税」しようとすれば、街の噂で儲かっていそうな企業を狙うわけで、つまり法律の根本である「誰にも平等に」という発想はそこにはない。

 

だから税務署が行きたがらない会社は、例えば風俗店舗で後ろに怖い人がついてるとことか要するに自分の身に危険が及ぶかもしれないところと、先輩が天下りで顧問をしている大手パチンコ屋である。

 

逆に、法律にも詳しくなくて真面目に税理士を雇ってるIT企業なんてねらい目で、おとなしくやっている企業はガンガン査察をして会社をつぶすくらいの勢いで徴税する。

 

何せ税金がたくさん取れれば優秀な国税マンですからね。国税マンにとっては日本経済の再建なんて自分の仕事ではない、日本経済がどうなろうと起業家精神が冷え込んでやる気ナッシングになろうと関係ない、とにかく自分の仕事である徴税を行うのだ。

 

そして面白いのが警察がからんでる案件でも国税は手を出さないってことだ。パチンコ屋は税理士OBだけでなく警察OBも雇う。警察と国税は表面的には別組織なんて言ってるが、調査の際にはお互いに協力している。

 

だから警察が目こぼししている風俗営業の店がどれだけ儲けてても、そこには税務調査をしない。そんなことしたらせっかく目こぼししてくれる警察のメンツをつぶすことになるからだ。

 

ことこれほどに税務調査は恣意的であり彼らに頭を下げなければ、下げないというそれだけで重加算税35%が加算される(笑)。

 

サラリーマンはほぼ完ぺきに捕捉されている税金であるが、役人同士では見事に合法的脱税をする仕組みが出来上がっているのだ。

 

今回のたいーほについてはおそらくだがこの国税OB税理士が何らかの理由で元の職場、つまり国税局の言うことを聞かなかったので見せしめにやられたのだろう。

 

こうすることでほかの国税OB税理士に対しても「組織の言うことを聞けば脱税はOKだけど組織に逆らったら速攻逮捕ですよ」とメッセージを送ったのだ。

 

これからも国税OBの税理士開業で客を取る天下りシステムは続くだろう。真面目にやってる人々からはごっそりとふんだくり、仲間内ではしっかり脱税する。これでいいのかな、ほんと。



tom_eastwind at 17:52│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

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