2011年03月19日

広瀬隆氏のダイヤモンドオンライン記事が秀逸

広瀬隆氏のダイヤモンドオンライン記事からメルトダウン=チャイナ・シンドロームについて、以下の記述を示している。

 

 ★抜粋開始

「電気出力100kW原子炉では、熱出力がその3倍の330kWある。この原子炉では、原子炉自動停止しても、その後に核分裂生成物が出し続ける崩壊熱は、1日後にも、15560kWもある。またその発熱量がどれほど小さくなっても、永遠に熱を出し続けるので、燃料棒が原子炉にある限り、それを除去し続けなければならない。なぜなら、原子炉という閉じ込められた容器内では、熱がどんどんたまってゆくからである。

 

 それを除去できなければ、水は100℃で沸騰するから、水がなくなり、燃料棒がむき出しになる。そうなれば、超危険な放射性物質が溶け出し、燃料棒の集合体が溶け落ちる。

 

それが炉心熔融であり、メルトダウンと呼ばれる。燃料棒の集合体が次々に溶け落ちると、炉の底にたまって、ますます高温になり、灼熱状態になる。やがて原子炉圧力容器の鋼鉄を溶かし、お釜の底が抜けると、すべての放射性物質が、外に出て行く。これが「チャイナ・シンドローム」と呼ばれる現象である。」

 

一方、燃料棒被覆管のジルコニウムが水と反応して酸化されるので、水素ガスを発生する。水素ガスの爆発限界は、最小値が4.2%であるから、この濃度になれば爆発する。


http://diamond.jp/articles/-/11514

 

★抜粋終了

 

今日は民主党と自民党の大連立の話や節電で東京のネオンを消そうという話が出ているが、メルトダウンは終わったのか?いまだ持って燃料棒は燃え続けており、死の灰は降り続けているのだ。

 

福島第1原発の事故がレベル5と暫定評価されたことについて東京電力の清水正孝社長は19日未明、「極めて重く受け止める。広く社会の皆様に大変なご迷惑をおかけし、心よりおわび申し上げる。自然の脅威によるものとはいえ、痛恨の極み」との談話を発表したとの事。

 

このうそつき野郎め。原子力発電所の事故による放射能汚染は、自然の脅威ではなくあくまでも人災である。

 

地震と津波は天災であるが、放射能汚染については原子力をエネルギーとするという国策を決定した1970年代の時点でわかっていた。人間の責任を自然に転嫁するなんて、どういうバカだ。

 

原子力推進派は「原子力は危険であると言い出したらなんだって危険じゃないか」と言う。いや、まさにその通りその通り。違いは、原子力は桁違いに危険だってだけだ。

 

それは水力発電所のダムが決壊したら下流の人々は巻き込まれて死ぬかもしれないが、翌日には生き残った人々が土地を耕すことは出来るけど、死の灰が降ったらずっと土地が使えなくなるだけではなく人々も子供の代までずっと原爆症の恐怖に怯えながら生きるしかなくなり、汚染された土地では一切の食糧を作る事が出来なくなるってしまうって、ただそれだけだ。

 

問題は、それほど桁違いに危険なものでありながら原子力推進派が金儲けの為に「安全だ〜」と言い張って、反対派も補償金もらえるならいいやって事で「そうか、お前が安全って言うんだな、、だったらまあいいや」という馴れ合いであった。


「おらさ田舎に原発くりゃ、あんた、なーもせんでお金が入るだがよ、こで先祖代々の田んぼも、なーもせんでも守れるぜよ」

しかし原発はおらが村の田んぼだけでなく、おらが村そのものを吹っ飛ばしてしまうものだった。いつもと同じだ、目先の利益に目がくらみ、先祖の土地をきちっと耕すって努力を怠った結果がこれだ。
 

2007年にNHKの討論番組「原発」についてぼくが書いたブログの中にこんなセリフがあった。

 

★(推進派の発言で)「電気代は毎月払うものですよ、それは出来るだけ安いほうがいいでしょ?」そりゃそうだ、その部分だけを見ればそういう事。でもさ、その代わりに受け取るものが核爆弾じゃ、あんた、情報の片手落ちでしょ。★

 

http://tom.livedoor.biz/archives/50783260.html

 

多くの人々が原子力の危険性を訴え続けてきた。しかし同じ人々が「こんな最悪の予想は外れてくれ」とも本気で思っていた。

 

本気で国民の事を考えなかったのはいつもと同じ、役人と大企業である。

広瀬氏も書くように、これから何か月も死の灰は降り続ける。風に乗って東北地方に流される。子供たちは汚染された空気を吸って生活をする。その責任は地震でも津波でもない。



tom_eastwind at 11:32│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔