2011年04月07日

香港出張

急な出張で昨日のキャセイ航空108便で香港入りする。シンガポールに比べて少しおとなしい感じだが景気の戻りを感じる。

 

香港ではまだまだ日本の存在感があり、ホテルではNHKが見られて部屋に届けられる新聞は日経だ。

 

日経のトップニュースは世界的な金利上昇だ。リーマンショックで世界各国がお金を刷りまくってそのお金がいよいよ経済にバブル的過熱を与えている。

 

そんなニュースの中でも日本だけは地震と原発で経済の不透明さが表れており、その上各国が金利を上げているものの日本では金利上昇が出来ずに世界各国との金利差が発生、これが円売りにつながっている。

 

長期的に見ると外資が日本から流出する方向性だ。その理由は二つあり、一つ目は原発事故における日本政府のあまりに不透明な対応で、「日本人は、まったく意味が分からん」と言うことと、二つ目は今後予想される東京直下型地震である。

 

外資からすればオフィスをどこに置くかは政治の安定性、経済の透明性、法治国家である事、そしてオフィスのある地域の物理的安定性である。

 

政治が不安定であり経済は官僚に統制されて見えない障壁がたくさんあり法治国家と言いながら後出しじゃんけんのように法律の解釈を変更する。

 

そのうえ今回の原発対応で日本政府の外国政府に対する情報提供の不透明さ、自国民にひたすら事実を隔して情報統制を行い、今までは原発は安全だと言ってていざ事故が起きると今度は「安全だ、気にするな、大したことはない」と言いだした。

 

これで原発が爆発しても「大丈夫だ、大したことはない、気にせずに仕事を続けてくれ」とでも言うのだろうか。これではどうやって自社の社員を守って行けるのかとなる。

 

「やってられんな全く、日本は経済がでかいから支店置いたけど、これで次に地震が来るとなったらわざわざ東京に置く必要もないだろう」と言う話になる。

 

これだけインターネットが普及して航空機の長距離化高速化が進めば、あえて東京にオフィスが必要なのかと言う事になる。

 

こんな事を書くと必ず出てくるのが「そんなガイジン、出てけ!」であるが、今の日本の経済は世界とリンクしていなければやっていけない。感情論で突っ走っても意味はないのだ。

 

地震は少なくともどこでも起きる可能性がある。これは当然だ。しかし問題はその対応なのである。地震が起こった時に社員を守るためにどうすれば良いか?今回明確になったのは、日本政府は国民を守るよりも国家を守ることを優先する姿勢を明確にした事だ。

 

NHKのニュースを見てたらどこかの大学の教授が「世の中にはいろんな危険があるものですよ、少しくらい我慢することも必要ですよ」と言ってた。そうかそうか、我慢しろってか。けど我慢する必要のない人間にとっては出ていくという選択肢もあるのだ。 



tom_eastwind at 02:26│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 日本ニュース

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔