2011年04月15日

コーヒーミーティング

今週はコーヒーミーティングに何度か呼び出された。コーヒーミーティングとは名のごとくコーヒー(紅茶でも水でも良いが)をオフィス外で飲むこと。

 

つまりどこの企業も最近は情報管理や企業倫理と言った分野にうるさく、オフィス内ミーティング(議事録、録音)や電話(ケータイ電話も含めて自動録音装置が付いてる)では話せないようなことをざっくばらんに話しましょうやって意味だ。

 

隣のビルに入ってる大手中国系ファイナンス会社の社長からも呼び出されいくつか仕事の話をした後、「ところで今後、日本はどうなるんだ?」「管はInvisible(見えない)」だってほんとか?とか、地震関連で今後の日本がどう動くのか、現状は実際に海外のニュースで報道されているものと比べてどうなのかを知りたいらしい。

 

確かに日本にいると日本語の統制報道しか入手出来ず、英語圏では英語で作られたある意味無責任な記事が出回っている。

 

管は平時の司令官としてもかなりInnocentだが今回の原発対応でどうやらOvercapacityになったようだ。いたずらに補佐官を増やしているが誰が責任を持って対応するのか、ますます不明確になっている。

 

Edanoって誰だ?って聞かれたから、今一番首相の座に近い人だと説明しておいた。ついでに「今一番面白い政治ジョークは、枝野寝ろ、管起きろ!だ」と言ったら笑ってた。どうやらこれ、英語版でも使われているようだ。

 

他にも「管 有能」と検索すると「もしかして」機能で「もしかして、管 無能?」と出るそうだとも話しておいた。

 

こういう内容をオフィスで話してもコンプライアンスに触れないとは思うが、会議室の中でいきなり大爆笑されると働く人々の士気に影響するだろう、カフェを選んだのは正解だった。

 

ぼくは彼に「あなたは地震に遭ったことがありますか?」と聞いたら少し考えながら、「えーっと、あったっけ?おれ、ロンドン勤務とここと米国だったから、米国で何かあったかな〜?」程度

 

「津波ってのはこのカフェの天井くらいの高さですよ」って説明すると、3階まで吹き抜けになってる天井を見上げながら「う〜ん」とうなってた。

 

彼らはニュースで映像を見ながらもあまりに映画っぽくて、どうなのだ?と心の中で思っているのだがそんな事を日本人に聞くのも不謹慎だよなっていう思いやりもある。けれどやっぱりほんとの事は知りたいって感じだろう。

 

「震度9の地震ってのは立ってられないほどだが日本の東北は木造住宅も多く、地震そのもので亡くなった人よりも津波で流されて亡くなった人の方が圧倒的に多いでしょう」

 

「しかしあまりに死体が多すぎて検視が追いつかず、検視を待っていると死体が腐ってしまうので、全国から集まった法医学者が死体を検視するのは、口のまわりで泡が残ってれば溺死、そうでなければ不明のまま次の死体の検視に移ります。おそらくですが津波で死亡した人が8割を超すでしょうね」

 

最初は興味深そうに聞いていた彼も、最後はけっこうまじで青くなってた。今夜彼は自宅に帰って奥さんに「おい、地震って知ってるか、立てなくなるんだぞ」とか「津波の高さがビルの3階くらいまで来たら逃げようがないぞ」とか話しているのだろうな。

 

ニュージーランドでも2月の地震で多くの方が亡くなったが、あれは古いレンガつくりの建物や地盤の問題でありある程度理解可能である。しかし津波に関しては、まさに理解不可能であり映画の世界のようだったのだろう。

 

最後にぼくから聞いた。「原発、どう思う?」彼はゆっくりと落ち着いて答えた「絶対に安全ならそのような選択肢もあるだろうね、絶対に安全ならね。だから今もニュージーランドには原発がないのさ」

 

 

 

 



tom_eastwind at 19:21│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔