2011年05月17日

ネットリテラシー

最近は電話で移住の問い合わせを受けるケースが増えてきた。日本からは直接電話で問い合わせしてくるのだが、やはり海外の会社にメールを送る不安があるのだろう、だから電話をするのは正解だと思う。当社スタッフはほぼ全員日本人であり電話をとるときも最初から日本語対応にしている。

 

ネットにいくらかでも不安を感じるのであれば原始的ではあるが電話が一番確実だ。相手の声も聞こえるし雰囲気も分かる。第一こちらの情報提供を出来るだけ少なくすることが可能だ。

 

実際にメールアドレスを持っていても使いこなせていない人もまだ多い。メールを送ってきてこちらから回答するのだが何回送っても「なんで返事がないんだ!」とメールが来るが受け取り側が受信拒否操作をしてたら、そりゃ受信出来ません。「そちらから変なメールが送られてくるがどういう事だ!」いやいや、それはSPAMメールと言ってこちらのアドレスを真似しているだけです。

 

でもって「アフリカの金と政府ネタメール」とか「宝くじ当たったよメール」を受け取って、自分の幸運にどきどきしながら「まわり、誰も見てないよねどきどき」みたいな感じで夜中にもう一回パソコン開いて「おー!おー!」と喜ぶ人たちもいる。

 

メディアリテラシーとネットリテラシーは文字情報を読み解くという意味では同じだが、駅のキオスクで買った朝日新聞が勝手にこっちの情報を取りに来ることはないこちらからの「一方通行」なのに対してネットの場合こちらからアクセスしていく双方向なので自分がアクセスした先がどうなっているかが分からないわけで、その意味ではネットの方が危険性が高い。

 

しかし情報量はネットの方が圧倒的に多いのであなたの脳をこれからも活発に利用するつもりならネットリテラシーを身に付けて「なんじゃこりゃ?あやしいぞ〜」と見抜けるようになるとかなりたくましい味方になってくれるのは事実だ。

 

そういえばもう一つ面白い事があるのだが、東北地震の際に当社のお客様に「大丈夫ですか」メールを送ろうと思って調べてみたら、当社のお客様は東北にたったおひとりだけ、それもその方は以前ニュージーランドに在住されていた方だった。

 

東北の人にとって海外ってのは遠い世界の事だろうし移住ってのは東京に行くことなんだろうな、思わずそう実感した。

 

けれどこれからの将来を考えていけば東北と言えど日本国内であり厳しい現実が待っていると言わざるを得ない。何せどれだけ働いても日本政府と言う相手の平の上で踊っているのだから、これから導入される国民総背番号制で収入は完全に捕捉され年金は削減され税金は増えるわけだから海外と言う選択肢も視野に入れていくことも必要ではないかと思う。

 

海外と国内と税法や収入や生活などいろんな面を比較して選択肢を持った上で、それでも日本国内が有利であれば日本を選べば良いと思う。とくに言語の問題は日本人には辛いものがある。

 

しかし選択肢を考えもせずに持ちもせずに毎日真面目に仕事をして「働けど働けどなおわが暮らし楽にならざりじっと手を見る」状態になってしまってから後悔しても始まらない。少なくとも本人は「働けど」で納得するにしたって子供には広い世界を見せてほしいと思う。

 

その為の第一歩がネットリテラシーを高めて海外の情報収集をすることである。インターネットには危険な情報も出回っているが同時に国内メディアでは取得出来ない情報がたくさんある。個人的には危険度対有益度でいけば2:8くらいだと感じている。ネットは強力な拳銃のようなもので使い方を間違ったら自分が死んでしまうがうまく使えば敵をやっつける道具になる。

 

石川啄木の時代はネットもなくさすがに海外と言う発想はなかっただろうがそれでも彼は函館まで行ってる。当時の函館は東京よりも国際的だったという話もあるから随分と自由だったのだろう。ネットリテラシーを身に付け選択肢を増やすこと。これを出来るかどうかがこれからの日本を生き抜くための一番大事なポイントになってくると思う。



tom_eastwind at 19:30│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 | 移住相談

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