2011年08月11日

世界中で熱い夏

首都圏は十一日も猛烈な残暑が続いた。東京都心では、明け方の気温が二八・二度までしか下がらず、午前七時には早くも三〇度に。正午に今夏最高の三五・二度に達し、六月二十九日に続いて今夏二回目の猛暑日(最高気温三五度以上)となった。

 

暑いのは天気だけではない、管首相もいよいよ政権を投げ出すのか、それとも最後の打っちゃりで三法案を通した後に「やっぱり辞めな〜い♪」と言うのか、ここが一番熱くて興味津々のところである。

 

政治家の言葉などこれだけ嘘が続けば信用するにも限度があるわけで、今の管首相には無くすものは何もないわけだから徹底的に日本の自民党時代の政治をぶっ壊してやれって気持ちがまだあるのかもしれない。

 

民主党は管首相おろしのために選挙公約の子ども手当を平気で引っ込めるわけだし自民党からしてもすでに宇宙人のようになった管首相は何をやるか怖くて仕方ない、早いとこ大連立や閣外協力出来る、言葉の通じる人間に政権を取ってもらいたいと思うのだろう、随分と民主党寄りの発言が目立つ。

 

管首相が元々は米帝国主義の傀儡政権である日帝打倒を叫んで第四列でゲバ棒振り回してたんだから彼の最終目的は資本主義の破壊である。それが実現できる今の立場を最大限に利用すると考えてもおかしくはない。

 

一応周囲には「辞めますよ、はいはい、辞めますよ」とは言ってるが、ぼくは個人的には彼はいつでも前言撤回する用意はしていると思う。

 

管首相の背後にちらちらと目立つのは米国である。ある情報によれば管首相は米国債を60兆円購入する事で9月に米国に呼んで首相会談してもらえて政権延長を狙ったとか、ある情報では米国債のうち100兆円の権利放棄をすれば9月に会うけど結局管首相が放棄しなかったのでガイトナーさんと小浜さんが怒って原発、じゃなかった爆発して「お前なんか後押ししない、米国に来るな!」と三行半を叩きつけたとか。

 

いずれにしても暑いのは東京都心だけでなく霞が関もしかり、福島もしかり、そして世界金融の中心街であるウォール街も同様である。米国債格下げの影響を何とか食い止めるために米国自身が株式市場の大暴落を呼び込み株式市場から米国債券市場に資金が流入するように仕掛けたって噂もある。

 

同時に欧州の債券市場を引っ掻き回すことで米国債券から目をそらす作戦も進んでるって噂もある。英米仏の国債格付け引き下げ、ギリシアなどのデフォルトを起こして「悪いのは米国だけじゃない!」なんて騒ぎ。噂ばかりの中で唯一政治が機能していない日本は、何もしていない事が世界から見れば安定しているように見えて円に資金が集まる。

 

同じような事がオセアニアでも発生しており、極マイナー通貨であるキーウィドルは対円であまり下がらないし豪ドルも同様だ。両国ともパニックは全く出てなく、むしろ英国の暴動に両国国民はテレビにくぎ付けって感じだ。

 

しかしまあ、今の北半球のマスコミで流れているのは政治から金融までどれも噂ばかりであり、一体どこに真面目に手に汗で働いている人がいるのかと思えるくらい。ところが実際には日本でもほとんどの人がこの炎天下で手に汗どころか額も背中も汗だくになって毎日の仕事をしている。この矛盾、一体なんだろうなって本気で思う。

 

自分でもある程度関わっているからよく分かるが、金融ってのは生活に必要な作業であるがこれが行き過ぎてすぐに虚業になる。では実業とは何か?それは手に汗をしてモノを作る事である。金融はあくまで血液であり実業で作ったものを常に体の中でぐるぐると回す必要がある。しかしその目的は体内を維持するためであり、血液が人間を殺すような事をしては本末転倒である。

 

この点血液癌に匹敵する金融爆弾を作った1980年代から金融界で働く人々の貞操観念と言うのは実業で生きる人間からすれば事業の永続性を完ぺきに否定する自殺系ではないかと思うくらいだ。

 

が、貞操観念など持っていて金融の世界で食っていけるわけもない、その意味で金融は弱肉強食で歴史に学ぶことなく自分だけは最後に立っている男と何の疑問もなく思い込める西洋白人に似合ったビジネスである。

 

この点で豪州とNZは白人社会でありながら手に汗系の人々が土地を開拓して牧場にして生計を立てて来たから商業銀行は一般庶民から預金として集めたお金を牧場開発支援に投資して彼らに成功してもらい利回りを得て一般庶民に配当するという本来あるべき当然なビジネスモデルで運営されてきた。

 

北半球のような投資銀行や証券技術がほとんど発達していないのはニュージーランドの特徴であり、例えば銀行に行って「南アフリカランド債を買いたい」なんて言うと「それってなんですか〜?」と本気で聞き返されるくらいだ。実際に売っていない。

 

だから北半球金融世界の人間からすれば世界でこんなに退屈な場所は南極か中央アフリカくらいじゃんって思われるだろう。けど、実体経済に関係なくお金が膨れ上がったり縮んだりする世界の方がおかしいって思わないか?

 

金融は血液であり実体経済と共に成長すべきであるが金融だけが実態を飛び越してしまえばそれは間違っている。それは道徳的に間違っている。法律的に正しいとかどうかではなく、道徳的な間違いだという事だ。

 

この、道徳的な間違いってのを北半球では理解出来ずに、最初にはビジネスルールがどうとか最後には法的にはどうとか、けれど南半球の小島から見れば答えは見える。土と空気と水を見ながら子供たちが幸せに生きていけるためにはどうするか、それさえ分かれば良い。

 

ただ金融の問題の道徳的間違いってのは、かなり技術的で専門的な分野でありここまでの商品ならOKだけどここから先はダメよってのがあるのだが絶対に素人には理解出来ないって事だ。当然の事だが、だから何もしないってのが前回及び今回の金融危機では明白になったというべきだろう。

 

それにしてもこっちでは北半球の金融危機よりも明日の天気や英国暴動の方が大きな問題になっているのは、それだけ社会が健全な証拠であろう。今日のオークランドは14度。空は晴れて日本の秋晴れのような気持ちの良い天気である。



tom_eastwind at 21:07│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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