2011年08月25日

戦争広告代理店


今日の午後のキャセイ航空で香港へ移動。1990年代は香港がアジア金融の中心地であったが1997年の中国返還以降はシンガポールが中国を上回る独裁政権として金融ビジネスを発達させて現在では香港は中国政府系金融の窓口、シンガポールはアジアと欧州と米国を繋げる役目の全般金融の窓口の様相を示している。

 

香港でもたくさんのビジネス機会があるのだが熱過ぎる。香港で金が動くときは中国政府がセットになり、うまくこっち側に付ければ何でもありだが敵に回したら大変な騒ぎである。ぼくはまだ中国の刑務所に放り込まれたり公開銃殺はされたくはないのでどっちにも付かずおとなしくしている。

 

ここ三カ月ばかり忙しくてゆっくりと本を読む時間がなかったが、今日のフライトは11時間あるのでたっぷりと読書にひたる予定。

 

「戦争広告代理店」はボスニア紛争を舞台にしたドキュメンタリー。第二次世界大戦の英雄であるチトーが死去後に彼の力で取りまとめてきたユーゴスラヴィアが崩壊して欧州の裏庭で20世紀最後の大紛争が始まる。

 

自分なりに数冊の本を読んでみたがどうもこのユーゴスラヴィアの当時の紛争の全体図が掴めずに少しいらいらしていたところ、この本がどうやら僕の理解を手伝ってくれそうだ。まだ読了していないが機内でじっくりと読む予定。

 

それにしても国家とか国境とか、くだらんものを作りやがってといつも思う。自由に動ける人間からすればこんなめんどくせーものはない。既得権益者や政府関係者からすればこんなおいしい商売はない。

 

結局突き詰めて言えば地域のルールは価値観の共有である。人種、肌の色、宗教、何にしても同じものを見て同じ感情を抱けるかどうか、それで国境を作る方がよほど合理的であると思うのだが。

 

まあいいや、今日は香港行きのフライトでゆっくりと本を楽しもう。



tom_eastwind at 12:26│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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