2012年01月25日

歩きたばこ

先週の地元新聞でいよいよクイーンストリートを含むシティエリアが歩行禁煙禁止になりそうだとの事。そう言えば最近は歩きたばこが急増してて、その理由がオフィスやレストランで吸えないからだそうだ。

 

うちの入居しているビルもオーナーはタバコ吸わず、ビルの入り口に以前は灰皿を置いていたが今ではそれさえ取っ払い敷地内では玄関の外側と言えども禁煙にした。おかげでヤニ民族は道路側に大移動、だもんで今度は道路側の交差点で歩きたばこが急増。

 

歩きタバコを禁止する理由としては「子供がタバコの火で火傷するから」となっているが、実際はもっと単純に、健康に悪いしケムイし道路がポイ捨てで汚れるから、ってあたりで、禁煙推進派が市議会で大多数を占めているからだろう。

 

実際にこの国の喫煙率は低く20%に満たない。そしてこう書くと語弊があるかもしれないが、この国では煙草を吸う人は自己制御の出来ない底辺層の人に多いのも事実。ストレスの多い仕事でたばこを吸う人も多いだろうが、この国でストレスのある仕事ってあったか(笑)?

 

だいいち多くのタバコを吸わない普通の人々でも歩きたばこは危険と思ってるし子供が怪我でもしたら大問題だ。そして道路に吸殻が落ちているのが目立つが、とにかく最近タバコのポイ捨てが多い。教養のない底辺層の人々のやりそうな事である。吸いたかったら自宅で吸えって事だが、新聞のアンケートで喫煙者に「自宅や自分の車の中で吸えますよ」と質問すると「家にいる子供の健康はどうするのだ?」とか「車内が臭くなる」とか、さすがに底辺層は考えることが一段階しかないのがよく分かりますね。

 

禁煙は時代の流れとか他国がどうかとか関係なく単純に自分や周囲の健康を害することが科学的に証明されたから止めようよと言う事だ。

 

しかしこれを科学的ではなく一種の宗教として捉えると次に出てくるのは禁酒でしょう。もともとニュージーランドは1900年代初頭に禁酒法案が国会に提出された。多くの人々はお酒を飲まない実に敬虔なクリスチャンであり、お父さんは外で農作業を終わらせたらまっすぐ自宅に帰り、草履のような硬くてまずいステーキと潰した芋を食べたらとっとと寝ろって時代。

 

とにかくくそまじめで道徳心の高い団体が移住してきたわけで、美味しいものを食べるのは贅沢であり清貧に反するって考えがこの国の食い物をまずくしてきた歴史がある。1980年代に中華料理がこの国で広がった時地元民は「魔法の鍋だ〜!」と言ってびっくりした。今でもフードコート内によく見かける中華料理店に「MagicWok」と言う名前が付くのはそれが理由。

 

1980年代は日曜は酒を売ってはいけないって法律があり、週末に酒が切れると友達の家にもらい酒に行くほどだった。当時僕が住んでいたクイーンズタウンは観光地と言うことで例外的に日曜日の酒場(バー)は営業出来たのだがテイクアウェイは出来ず、とにかくお酒についてはうるさい国だった。そうそう、あの頃は日曜日にバーでビールを買うと必ずジョッキで出てくるか缶の場合はプルトップを開けてから出された。自宅持ち帰りを禁止にする為だ。

 

オークランドに今もある昔ながらのパブ(例えばシェークスピアタバーンとかアルビオンホテル)には2階に宿泊施設がある。これは当時の法律で宿泊施設はバーを併設して良い事になっており、主な目的は人を泊める事じゃなくてバー営業目当てじゃないのかなんてよく言われてた(半分以上ほんとの話)。

 

つい数年前まではオークランドのスーパーマーケットで酒を売る事は禁止されていたがビールとワインの売り上げの魅力はついにスーパーも動かして、法律を変更してスーパーが酒を売る事を認めるようになった。今ではスーパーのビールの売り上げはそれまでの売り上げNo1だった牛乳と肩を並べるほどになった。

 

酒もたばこも美味しいものも一切メーダ(ダメ)と言う人々は宗教観から来ているのでお酒の効用など訴えても全く関係ない。個人的には恋を語るのに酒飲まずにしらふって想像つかないのだがうちの奥さんは全くお酒を飲まないけど、奥さん、もしかしておれの事好きで結婚したんじゃないかも??どきどき、聞きだせないなそんな事(笑)。

 

賛成はしないが禁酒法が導入されれば守るべき立場にいるのでこれは守ろうと思ってる。喫煙派のようにじたばたと「自宅じゃ子供がいる」とか「車の中が臭くなる」とか自分勝手な言い訳をするほどみっともない事はしたくない。ちなみにぼくは飲酒運転は例えコップ一杯のビールでも絶対にしない。だから外で飲む日は朝奥さんに送ってもらい帰りはタクシーだ。キーウィは普通に「ビール、ああ、あれはアルコールじゃないよ〜ははは!」とか言ってるが、苦笑するしかない。

 

導入時期はまだ新聞発表はされてないけど、ここまで新聞で書かれたら市議会での根回しは終わっているのだろうから近い将来、半年以内くらいではないか。いずれにしてもニュージーランド、世界でトップクラスに平和な国で自然環境は素晴らしいものがありますが、酒とタバコに縁が切れないお父さんは移住する前に考えてみる必要ありです。原発推進とか原発反対ってのとはかなりレベルの違う話で、比較すると何だか笑えてきますが、狙ってお母さんがお父さんをけしかけて移住してくるかもしれませんね(笑)。



tom_eastwind at 22:57│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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