2012年02月09日

食べ物の定義 オークランド空港にて

オークランドに定刻通り無事到着。香港で乗り継ぎが一時間なので成田からオークランドまで合計で17時間の旅だ。直行便を利用すれば11時間で来れるが、たかが6時間の為に超不愉快な社会主義者がサービスの意味も分からずに飛ばしている飛行機には乗りたくない。

 

飛行機と言う交通機関の最大の欠点は途中下車出来ないという事である。タクシーなら途中で頭来たら運転手に金ぶつけてその場で降りれば良い。その際にいくつか追加の言葉を発するかどうかは本人の道徳心次第だ。電車だって次の駅で降りられる。

 

ところが飛行機だけは11時間と決まったら「気に食わん、じゃ降りるからパラシュート貸して」ってわけにはいかないので、社会主義者の優越的ブルジョワジーの拷問にあうくらいなら乗継便で5時間余分にかかっても他人の気持ちとプロのサービスが理解出来る飛行機に乗りたい。

 

ついでに言っておくと社会主義航空は今年のAirLine of the Year に選ばれたそうだ。あり得ん。白人には友達感覚でおしゃべりしてアジア人には支配的立場でものを言い、こちらが何かを要求すると「待ってろ、おれだって忙しいし疲れてんだよ、ちょっと休んでからな」で終わり。サービスに時間が含まれてないって思ってるのか、ばかたれが。これからも余程の立て込んだ理由がない限り社会主義航空には乗るつもりはないし、もし乗ったとしたら頭から毛布かぶってもちこんだ水とパンとお菓子で成田の地元野菜直売所到着までいないふりをするつもりだ。

 

オークランド空港では常にビデオサービスが行われている。空港に到着した人々の荷物を検査するBiosecurityと言う場所で乗客とMAF(検疫所)の喧嘩をビデオに収めてそれを時々テレビで放映しているのだ。

 

入国の際に記入するカードがあるが、実はあのカード、たくさんの仕組みがある。持ち込みのおカネが1万ドル超す場合は申告の必要あり。申告しても税金が取られるわけではない。とくに厳しいのが食料品の持ち込みで、これは冗談では済まない。

 

ぼくは食料品でYesと書いて一時間以上待たされるBioSecurityは受けたくないので食糧は持ち込まない。しかしここで食料品の定義が問題になる。キャンディはFoodか?クッキーはFoodか?これがNZへ初渡航をする人を悩ませる基準である。

 

飛行機内で出た食事の中にバナナ一本ってのがよくある。あれなんてまさに乗客を引っ掛ける罠みたいで、機内で食べずにカバンに入れて後で食べようと思って「持ち込み食料品」とはついつい思い至らず申告せずにBioSecurityで発見されてInstantFineの400ドル!(約25000円!!)が即時に請求される。そんなん航空会社に言ってよ、食べ物大事にするの当たり前だし、ダメだったら最初からバナナなんてメニューにいれなきゃいいじゃんって言いたくなる。

 

このあたり本当に連携が悪いのか航空会社にノルマがあるんじゃねえかって思うくらいだ。ちなみにこれも社会主義航空の仕業である。皆さんもニュージーランドの検疫に厳しさ、せっかくの旅を楽しく過ごすためにも十分に神経質になってください。

 

ところでキャンディとかのど飴ですが、これは食料品とはみなされていません(今日時点)。なのでぼくは喉飴はいつも持ち込んでます。もちろんSecurityで「何これ?」と聞かれることがありますが「キャンディ」と言うと「あ、そうだね、はいOKですよ」で問題なく通過できる。

 

こんなBiosecurityであるが、申告地点の右側を見るといつものように中国人とインド人が大行列を作っている。そう、彼らは何故なのか分からないがとにかく「食料品」を持ち込もうとする。それもBioにもろに引っ掛りそうな種子や肉や土の付いたようなものだから通るはずもない。なんで彼らに出発前に忠告しないのかなと思うんだけど、とにかくよく持ち込む。

 

笑って冗談で済むとでも思っているのかもしれないのは最初の会話を聞くとよく分かる。よくあるパターンで、彼らは最初に食料品の持ち込みにNOと書く。けど検疫もバカではないから膨れ上がった大陸袋を見て「これ開けて」と言う。中国人、にこっとしながらジッパーを開けるとそこには瓶詰のやそのままのやとにかく食料品がぎっしり。係が「またかい〜」と一気に疲れたような顔で「これ全部持ってBioに行って」と言う。その時点では中国人、自分が何か問題を起こしていることに気づいてない。

 

問題は長蛇の行列が終わり自分の荷物を検査台の上に広げた時だ。係が聞く。

「あなたは食料品がないと書いてましたね。ここにあるのは食料品ではないのですか?」

「これは食糧ではない、これはお菓子と酢につけた漬物と干物肉である」堂々!

係官疲れたように

「これは食べるものですか?」

「だから違うって言ってるだろ、これはお菓子と付け元と干し肉、食べるものではない。食べるものとは米とか炒めた豚肉とか野菜とか温かいものを指すのだ(きっぱり)」中国人は本気で温かいものが食べ物であり主食であり、漬物や干し肉なんて常温なのは食べるとは言わないって本気で認識している。
「けれど口から入れるんですよね?」

「そうだ」きっぱり!

「それは食べ物と言うのですよ、あなたは虚偽申告をしたのでこれすべて没収して今からInstantFineを計算しますからちょっと待っててください」

すると威風堂々の中国人、その時点になって初めて相手が格下の中国人でない事に気づき

「えへへ、いやいや、係員さん、あ、何かの勘違いですよね、ここにあるのは中国では食べ物とは呼ばないしそりゃあなたの基準がちょっと、その、ちょっと違うと思いますよ、えへらえへら」

けどNZの検疫には通用しない。冷静に見つめながら

「これは食べ物です。没収します。税金計算するまでここでじっとしていてください」となる。

ここに至って中国人、逃げられない事に気づき最後の抵抗を大声で始める。

「ふざけるな、これが民主主義か!おかしいじゃないか、俺は何も聞いてないぞ!こんなんで没収するなんてお前ら法治国家なのか!」どっちがじゃ(笑)と聞きたくなるが検疫官も慣れたもので

「これ以上抵抗するなら罰金だけでなく懲役刑を科します。どうしますか?このまま警察に行って裁判になるまでずっと留置場にいますか?」

 

最後に中国人は自分が負けた事に気づき、ルールを守らなければNZでは生きていけないという民主主義の洗礼を受けてがっくりして窓口から立ち去って行く。海外旅行慣れしていない、アウェイに弱い中国人、ここに至って気づく。「ああ、誰だ、NZが地球の楽園だなんて言ってたのは〜!中国の方が無理も融通も利いて、ずっと過ごし易いじゃないか〜!」

 

いつも見かけるオークランド空港到着口での風景でした。皆さんも到着の際にはくれぐれも不要な食料品の持ち込みは止めてくださいね。



tom_eastwind at 18:45│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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