2012年02月15日

ASIMO

★日経ビジネス抜粋

最新型のアシモに関する記事を読む。今までアシモは他のアシモの動きがあっても自分の動きに影響は出なかった。例えばアシモがプレゼンをしている時に他のアシモがお茶を持ってきた。今までのアシモだとそのままプレゼンを続けていきお茶アシモの存在は無視されるのだが最新型ではお茶が来ればプレゼンを中断し「お茶が来ました。どうぞ」といった気の利いた発言すらするようになった。

 

これは背景にあるのはプログラミングに対する考え方の全面的な変更だ。これまでは1から10までの行動を、順を追ってプログラミングし、実行させてきた。これでは指示通りの行動しか出来ない事を意味する。状況が変化して順番を変更しなくてはいけない時や、想定外の行動を求められている時に、機転を利かせることが出来ない。

 

そこで新型では1つの行動を単位としてプログラムをモジュール化し、そのモジュール群を状況に応じて組み合わせるという手法を取った。例えばAからEまでの5つの行動を順番通りにこなすのではなくACEBDのように組み替えることが可能になった。組み合わせは数万パターンに上るという。

★抜粋終了

 

そうかそうか、だったらアシモより先に人間に対してプログラムを挿入してくれないものだろうか。世の中にはそれほどに機転の利かない人間が増殖している。言われた事しか出来ない、言われた事しかしない、状況が変化しても同じことをしている。「だって聞いてないですもん」とか「それって私の仕事ですか?」とか、言い出せばきりがない。

 

あるファミレスで若い女性店員さんがお客のいないテーブルに頭を下げて「終わりましたもの、片付けさせて頂きます」と言ってた。まさにマニュアル。

 

ある日の午後新幹線に乗った時のこと。ぼくの座るはずの座席が他の人に座られており、おまけに寝てるっつうの。他に席も空いてるし、まあいいや近くの席に座っておいて車掌さんが来たら状況伝えようと思ってたら間もなく制服姿の可愛らしい車掌さんがやってきた。小声で事情を説明すると「ちょっとだけお待ちください」と確認に戻った。

 

この、「ちょっとだけ」と言う言い方が良い。マニュアルっぽくなくて個別の気持ちがこもってるな。そう思ってたらすぐに戻ってきて今度はちっちゃな紙に「xx駅までだったらこうこうで、xx駅までだったこうこうで」と空席案内を書いててくれた。寝てるお客が万が一でも起きた時に不愉快にさせないための対応だ。あれにはびっくりしたな、毎日何百本と走ってる新幹線で車掌がここまで個別に対応するのは、なかなか出来る事ではない。彼女は今頃出世しているかな?てか出世出来なきゃJR、男尊女卑だよねって思わせた瞬間。

 

社会全体に「あれはダメこれはダメ」って雰囲気が広がって行けば最後はマニュアルのみになり決めた事だけすればいいんでしょ、余計な事すれば違反ですからねって事になり、最後は大東亜戦争突入だ。

 

自由に物事を考えようよ。マニュアルじゃなくて、目の前にいる人にどうすれば喜んでもらえるか、その為にはマニュアルなんてあったらいけないんだくらいの気持ちを持とうよ。でないとぼくらはアシモと同じロボットになってしまうよ。ロボットがどんどん人の心に近づいてる時代に、人間はどんどんロボットの世界に近づいている。この世界、おかしくないか?



tom_eastwind at 17:09│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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