2012年02月28日

月に10万円で生活する 日本からますます仕事がなくなっていく

http://blogos.com/article/32807/?axis=p:0

日本の学校でWeb技術を磨いて月に10万円稼げればベトナムに移住するのも手段ではないかって意見があった。ベトナムあたりだと確かに月10万円で生活出来る。この意見自体は良い視点だと思う。ただ移住という仕事をしていると分かるが、人生は金のみにあらず、なのだ。お金だけあっても望むような生活は出来るかどうかは分からないのだ。


日本人は月10万円稼げる技術が何かを見出してその技術を出来るだけ短時間に学ぼうとして予定通り学んで外注で稼げるようになったらベトナムに移住、のんびりとした生活を楽しむって計画を作る。しかしこれは部分最適ではあるが全体最適を考えていないので危険である。


と言うのが、おそらくこのようなベトナム移住を考えるのは20〜30代独身男性、自由に動ける人だと想定するが、彼らに最初に襲いかかってくるのはハニートラップ。


日本の田舎の技術系のおじさんが地元フィリピンパブで知り合って好き好き!と言われてその気になって退職金持って豪遊するつもりでやってきたフィリピンの田舎町。


現地に着いてみるといきなり親戚が総出でお出迎え、宴会やってくれた後にそれぞれの苦労話をしてきて「だから家買ってくれ、親戚じゃないか」とか「仕事でどうしてもトラックが欲しい、兄弟になるんだ、買ってくれ」とかで彼女本人が悪いというよりも国民性なのだろう、とにかくしこたま“たかって”くる。


これはタイも同様でありベトナムになると更に凄い。一族の中で一番優秀な子供に一族の金を注ぎ込んで高い教育を受けさせて一生懸命働いてもらい一族全体を引っ張ってもらう習慣がある。このあたり近藤紘一氏の「ベトナムから来た妻と娘」に詳しい。国際結婚話本としても最近の「だ〜りんは〜」とかのような内容とは全く違って一冊の本として良くまとまりのある良書だ。当時の東南アジアの雰囲気を知りたい方は是非勧めたい。


だから例え10万円稼いでもそれをハニートラップで「貢いでしまえば」終わりである。これ以外にも東南アジアでは日本では思いもつかないような事件が起こる。フィリピンで車を運転してたら警察官に停められて留置場に放り込まれた。その後家族が罰金を払って釈放されたのだがこの罪状は警察官に免許チェックをされた時に渡す賄賂がなかったからだとか、笑えないような話がある。


もう10年以上前になるがオークランドに住んで繁盛しているビジネスを経営する日本人経営者がタイ人の奥さんと一緒に里帰りでバンコクに戻った。詳細は明確に記憶していないがその数日後だっけな、ある夕刻彼の部屋に強盗が押し入り彼は刺し殺された。その後警察の調査があり奥さんが逮捕された。強盗は金で雇われたチンピラで狙いは彼のオークランドの資産だったという話が当時広がった。このあたり日本の常識が海外で通用するはずもなくお金だけ持って行ってもどうしようもないアウェイの社会であることはしっかり認識して10万円生活を検討した方がいいと思う。


池田信夫氏がNECと日立製作所が出資するエルビーダメモリー、日の丸半導体の会社更生法に関して「今までの日本的研究開発と生産体制や日本式雇用はもう世界では通用しない」点を繰り返している。

http://agora-web.jp/archives/1435382.html


と言うのも彼は数年前から日本のすり合わせ技術では早晩行き詰まるので業態変換すべきだと主張していたからだが、今回は更にこれからの日本の若者の将来雇用について述べている。労働は二極化されて世界に散らばり普通の大卒という資格だけでは福祉、医療、介護、スーパー店員、コンビニなどのサービス業しか仕事が残らず製造業も賃金が低下するからサービス提供側もQBハウスのように料金も賃金も低下すると指摘している。


その結果として近い将来起こるのが中国人と日本人の賃金の同一化だ。ここ10年で中国人の賃金は4倍程度に成長しており日本はみなさんがご存知のようにほとんどの民間企業では賃下げ現象が起こっているから両方の賃金線がいずれ交差するようになり東京の吉野家が時給890円で中国人学生を雇おうとしたら「そんなに安いんじゃ嫌だ」となり仕事のない日本人が「それでもいいから働かせてください」、となった時に初めて雇用は日本に戻る。


しかしその時はすでに隣国に日本人並の給料を得る12億人の巨大な市場が誕生して隣国の企業が逆に中小市場である日本に攻め込んでくるようになるだろう。日本企業の幹部を見れば皆英語を話す米国MBA取得中国人でパナソニックがハイアールに買収されるような事態も起こるかもしれない。こういう状況は外国にいたり日本国内でも自分の考えを持って勉強していれば理解出来るのだが日本国内で毎日忙しく働いているとなかなか頭に入りにくい。いくら理屈で説明されても目の前にある松下電器のポットがハイアールなんて聞いた事もない会社になるなんてどうしても頭の中に入らない。


しかし現実には三洋電機はパナソニックに吸収され不要な人材は切り捨てられ又は部門ごとハイアールに売却されてしまった。そしてそこで働いている人々は厳しい労働市場に投げ出された。


今回のエルピーダメモリーでも多くの人が再就職先を探すことになるが半導体を作っているだけの会社で身に付けた知識が転職に際してどこまで有効なのだろうか。池田氏は労働の二極化が起こる中でおそらくグーグルやマイクロソフト、FACEBOOKなどに就職出来るのはほんの一握りであり殆どの人は日本国内で中国人並みの賃金で働かざるを得ないだろうと言ってる。しかし、だからと言って10万円稼げるようになって海外に出ても「その程度の知識と社会常識」では殆どの人は通用しないだろう。出るも大変残るも大変だ。


ある人は今起こっている時代変化を400年周期の変化と呼んでいる。つまり弥生時代が西暦ゼロ年として400年まで。そこから王朝〜藤原氏と続き、1200年代からは武士の時代、1600年戦国時代が終了して現在までの日本は安定した江戸時代。2000年にすでに新しい時代に移り2012年の今まではまだ江戸時代を引き継いでるがもうすぐ大きな変化を見せるだろうって意見。つまりぼくらは2000年という国境の長いトンネルを抜けたらそこには全く違う雪国が広がっていく事になるのだろうか。これから400年冬眠するわけにもいかない。それにしても大変な時代になったものだ。



tom_eastwind at 15:51│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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