2012年02月29日

FACEBOOK 追記

FACEBOOKの話を書いてからちょっと興味があったので「FBを使わない人」がどのような意見を持ってるのか調べてみた。するとFB隆盛の現在でさえも今後を占う上で興味ある意見があった。


まず日本人の特徴として他人と違うことをするのは生理的に嫌う。FBが実名であるって事は自分が何書いたかわかるわけで実社会と同じ。本音を書いてしまえば読んだ人に「あ〜、あの人、ほんとはこんな事考えてるんだ、やっだな〜二枚舌」と思われたら村八分である。


かと言って周りがFBやってて上司や先輩に「あたしもやってんだからさ、ね〜、あなたもやれば?」と言われて「いやです」なんてのも「あんた、かなり自己中心的よね」ってこれまたいじめの対象になってしまう。だから仕方なくFBアカウント作るけど何書いていいかわからない。へんな事書くと嫌われるしな〜、かと言って本音は書けないしな〜、村八分にならずにFBを継続更新する方法、何かないかな〜?ってことで結果的に「あ〜ん、このあんみつ、最高ですぅ!」となるのだ。


その結果FBアカウントは増大していくだろうがそこで流通する情報はきれいごとや格好つけばかりになる。つまり実社会と同じ世界をそのままネットに持ってくるだけで本音はあいも変わらず居酒屋とかでこそこそとしか言わないのでネット情報の質が異常に低下してしまう。会社を辞めようと考えている人がFBで「おれ、辞めようと思うんだ」って多数の人に発信しないでしょ。おそらく仲間を褒め合い仲間以外を貶すことで仲間意識を再確認しながら食べ物や服や芸人の話で終わりって事になるのではないか。


結果的に実名の時は「まあ、あの人なんて行動的で素晴らしいんでしょ〜〜!」と書いてるけど実社会で言えない話は2ちゃんねるの匿名で書き込み「あのくそやろ、便所でじっとしてろっちゅうの!」と書く。


また実社会と同じであるから「既存の友達や学校時代の友人」の輪は広がるだろうが新規の友人となるとまず竹のカーテンを立てて「だれじゃ?名を名乗れ」となり相手の社会的地位を確認した上で自分の仕事上影響がないか問題ないかどうか検討してからやっと自分の輪に入れるかどうかを考えることになる。


つまりFB発祥の地である米国では自分の意見をいう事を子供の頃から訓練されてるし他人と意見が違うことを当然と受け入れるし仕事はしょっちゅう転職するので日本のように相手と自分の社会的立ち位置が固定される事がないので発言しやすい。しかし日本では未だもって雇用は固定化しているから取引先の偉いさんがFBやってると下手な事は書けなくなる。また相手に「お、君もFBやってるんだ、じゃあ今度ボタン押してよ」と言われると断れない。


だから実社会と同じく見せかけの自分と本音の自分が出来上がり、FBでは可愛い自分だけが表出することになる。新しい人と付き合いたくないって思えば自然とFACEBOOKの輪は「今まで会ってた人」に限定されていくだろう。また書きこむ内容も「今日何食べた?」に収斂していくのだろう。


そのぶん誰でも読めるTwitterの方が拡散性は高いかもしれないが140文字でどこまで表現出来るか?140文字以下しか書く能力がない人が140文字以上の文章を読み解く力のない人向けに発信するとどんな炎上が起こるか(笑)これにも興味がある。


現時点ではmixiの独り負けであるがFACEBOOKが良い子の集まりでTwitterが炎上の場としてもこれから次々と新しい技術でもっとすんごいSNSが出てくると、いつどこで誰が一番になってもおかしくない。日本もGreeなど技術的にはレベル高いわけで、ただ技術者がこれを外国人仕様にするのが苦手なだけだ。そこの調整さえ出来ればこのあたりまだ勝てる可能性があるのではないか。


それにしても発言は難しい。文字も言葉も一度外に出ると戻すことは出来ない。何を語り何を語らないか、語る内容を持つ知識と言葉と場所を選ぶ知恵、時代は進化して現在がネット時代と言いながらますます古代から使われている知識と知恵が個人に要求されている。


明治から大正、昭和と生きた与謝野晶子は同時代の女性としてはぶっ飛んでて今風に言えば不倫に略奪婚何でもありだったが自分には素直に生きていたのではないだろうか。その彼女が残した有名な歌がある。

「清水へ祇園をよぎる桜月夜こよひ遇う人みな美しき」

不倫相手である与謝野鉄幹を思いつつ作った歌だろうが、本音で自分の思ってることを表現するのは楽ではありません。

FACEBOOK,、ネット上で面と向かって実名で記す。これが今の日本だとこうなるのだろう。

「実名記 脳裏をよぎる人事部長 こよひ書くことみな綺麗ごと」

「実名記 よいしょグッドと義理いいね! 実名投稿逃げも出来ずに」



tom_eastwind at 08:07│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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