2012年03月02日

<日本人の72%は10年後に食いっぱぐれる!?>

★記事開始

 “これからの経済はグローバル化だ!”。そんな言葉に踊らされて、英会話や資格取得に躍起になっている日本人は少なくない。

 しかし、どんなにスキルを身につけても、グローバル化で確実に日本人の手を離れていく仕事がある。そして一方では、日本人であること自体がスキルとなる仕事も数多く存在する。渡邉正裕著「10年後に食える仕事 食えない仕事」(東洋経済新報社 1500円)では、仕事における“日本人メリット”を考えながら、10年後の可能性について分析していく。

 まず本書では、あらゆる職業を4つのタイプに分類している。弁護士や税理士など、日本人メリットが高く、日本市場向けの高度専門職である「グローカル」。日本人ならではのサービスマインドが武器となる、保険・証券セールスなどの「ジャパンプレミアム」。日本人メリットは低いが、勝ち残れば青天井の「無国籍ジャングル」には、建築家や会計士が含まれる。そして、著者が一刻も早く抜け出せと警鐘を鳴らす「重力の世界」には、プログラマーや検査・組立工、タクシードライバーなどの職業が挙げられている。

「重力の世界」の職業は提供者の人種が無関係であり、グローバル化とIT化の影響をモロに受ける。たとえ日本人がこの職に就いても、将来は最低水準賃金となることを覚悟する必要がある。しかし現在の日本では、実に72%の人が重力の世界の就業者であることも分かっているという。

 あなたの10年後は?

(日刊ゲンダイ2012227日掲載)

★記事終了

 

税理士がグローカルで日本人メリットが高いのに会計士は無国籍ジャングルってこのくくり方はちょっと分からんな。ニュージーランドでは税理士も会計士も特に区別はなく全部まとめてAccountantである。

ちなみに司法書士とか弁護士とか法律を扱う人々がいつも境界線が明確でなくて縄張り喧嘩になっているがNZではこれらすべて弁護士であるので分かりやすいし境界線もない。

まあいいや、日本でもやっとこういう「その仕事で食っていけるか?」という考え方が出始めている。昭和の時代であれば一億総中流でありどんな仕事でもとりあえず一生懸命働けば食っていけた。しかし世界の国境が低くなりネットが発達すると仕事は最適を目指して世界中を飛び回り地域格差がどんどんなくなり上記にあるような「10年後に外国人に奪われない仕事」が重要となってくる。

ただ日本の場合は以前も書いたが移民政策は積極的に受け入れるべきではないと僕は思っているしその為に人口が50年かかって1億人を切ってもきにすることはないと思う。数だけがすべてではない、民族性の質の問題なのだ。日本人はすでに民族として優秀であり働き手として単純労働者として外国人を必要とする場合があっても移民として受け入れるかどうかは別問題だ。

オークランドやシドニーやニューヨークではタクシー運転手は殆ど外国人である。とくに最近のオークランドではろくすっぽ道も知らないのに知ったかぶりしてぼったくる外国人にはうんざりで非常に不愉快だ。

話はそれたが日本政府が積極的移民政策を取らなければタクシー業界が外国人によって賃金が下がることはない。しかし他業界の賃金が下がることによって結果的に影響を受けて賃金が下がるだろうというのは言える。

 

実はニュージーランドでも高学歴だけど仕事がないって若者が増えている。オークランドでは会計学を学んだ中国人学生がなかなか仕事が見つからない状況がある。これは元々オークランドには大企業は少なく需要が少ないところに優秀な中国人が会計士は稼げると思って資格取得に走った結果である。

若者が自分でお客を持っていないからどうしてもすでに客を持っている会計士事務所で働くしかないがなにせ需要よりも供給が多い場合は賃金が低下する傾向になる。彼ら若者が学んでいるニュージーランドの会計学はすでに新国際会計基準なので中国に戻れば仕事はあるのだろうが、せっかく出てきた中国に今更戻る度胸があるなら最初から保守的なビジネスである会計士は選ばないだろう。特に頭の良い女の子であれば将来の結婚も考えるわけでそうなると大陸中国人?あり得ん!だろう。だから彼らは中国に戻らずオークランドは供給が多い状態が続く。

 

日本人移民の子供は6歳でやってくれば8歳までには地元の子供と同じ英語能力と学力を身につける事ができる。そこから先は自分でやりたい事を見つけて勉強をするわけだが、NCEAで一定の成績が取れなければ大学に行く事は出来ない(21歳以上の場合は別途入学の方法がある)。

 

NCEAは自分が望む教科で絶対評価の点数を取るわけだからテストの時に隣の席の頭の良い子が風邪を引いて休んでも自分の成績に関係はない。自分が頑張って目標を持って自分で勉強するしかない。そして子供の頃の成績が社会人になった時の給料の位置づけに影響を与えるのは事実である。

なにせニュージーランドのようなちっちゃな国では日本のようなニッチビジネスは少なく、あったとしても食っていくだけで精一杯となるので起業してもかなり大変だ。だからと言って大手企業は進出していないのだからNZ国内で精々頑張っても電話会社、電気会社、政府などインフラに近い仕事でないと安定して高給を得ることは出来ない。

 

大変なのは日本だけではない。世界中が今ガラガラポンの時代に否応なく飛び込んでしまっている。子供の教育をどうするか?無闇に社会的地位が高そうってだけで資格系を取りに行っても10年後にそのビジネスで飯が食えるのか?は別問題だ。

オークランドで学歴が低くても食えるのは大工だ。建築家だと外国の建築家と競争になるが現場の仕事は現地に住んでる人間でないと出来無いからだ。医療ビジネスも食える。だが問題はそれが常に需要が供給を上回ってる業界であるかって事だ。NZの場合で考えれば常に豪州の方が給料が高いから海外に流出しやすい仕事として医療ビジネス(医者、看護婦など)があるからたぶんこれはNZが豪州を上回る高賃金にならない限り流れは変わらないだろう。

ちなみに記事の中で英語の勉強ってあるが、英語と言っても日本国内で勉強して身につくような英語では、はっきり言って国際社会では通用しない。何故なら必要なのは英語の論理で英語的思考で文章を組み立て相手に伝えることであり日本社会にいて日本的論理で日本語を英単語に置き換えるだけでは伝えることに限度があるからだ。もし英語を使って仕事と考えるなら少なくとも英語を使って授業をしている大学クラスの勉強が必要だと思う。

 

何にしても72%。72%の中でも食っていけるならそれでいいやって思えれば別に無理して勉強する必要はない。これも本人次第なのだ。とここまで書いてふと思った。今の若者世代は日本の下り坂しか見ていない。これからも更に下って行くこと、まさにこれから来る72%を本能的に理解してあえて生活を質素にし始めているのかもしれない。



tom_eastwind at 20:51│Comments(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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