2012年04月14日

おおい原発

おおい原発の再稼働が問題になっている。

http://osaka.yomiuri.co.jp/e-news/20120414-OYO1T00165.htm?from=main1

 

ぼくはなにも社民党のような環境第一、人間なんて死んでしまえのような考えではないが原発を必要とする考えもない。今の日本が原発がなくてもやっていけるのはほぼ間違いないし、もっと言えば原発なしでやっていける国造りを目指すべきだと思っている。

 

電気と水を垂れ流しのように使う水準の工業技術が果たして日本の目指す道なのか?そのような技術は、言葉は悪いが後進国に譲りぼくらはもっと優れた技術開発をすべきではないだろうか?

 

311以前は何度も原発の記事を書いてた。とくに浜岡は即時停止がぼくの持論であった。ただ実際に原発事故が起こってしまうと僕のような「移住屋」が何か書くと「商売!」と思われるのであまり書けなかった。

 

原発の一番の危険性は問題の先送りである。放射線を閉じ込める技術が確立されない中で原発を稼働させるのは極度に乾燥させた森の中で煙草の吸殻を捨てるようなものだ。

 

やってる本人からすればたかが一本のタバコだろうが、それが山火事を起こせばとんでもない事故になる。問題を起こした後に取り返しのつかない事態になってから誰に謝罪するのか?

 

2050年の日本の人口がどうなるかなどと議論している連中がいるが、もし本当に原発が吹っ飛べば来年日本人の住む場所がなくなるって事をどれくらい真剣に考えているのだろうか?

 

ネヴィル・シュートと言う作家が1957年に書いた「渚にて(On the Beach)」では第三次世界大戦が起こり北半球が全滅、メルボルンにいた人々も一年後に気流の中に含まれる強度の放射線により死滅する筋書きだ。メルボルンより南に逃げようとせずに自宅で死を迎える人々。

 

もちろん放射線被害がまだ科学的研究の終わらなかった時期に書かれたので内容に科学的事実と異なる部分はあるが、根本的な部分は何も変わらない。

 

大自然のなかで人が制御できる事は限られている。自分一人だけがこの世で生きている分だけ飲み食いして楽しんで、後は野となれ山となれと考えるのであればそれはそれでありだ。しかし自分の子供の顔を見てそんな事を言えるか?人類を持続させたくないならそれはそれで結構、しかしそれを本当に覚悟してやっているのか?

 

現時点で福島原発で死者は出てないという池田氏の意見に反対はしない。事実は事実である。しかし放射線が人を殺すのも間違い無く事実であり、結局は量の問題だ。人はいつか死ぬのだしその原因を放射線に限定することも出来ないのは事実だ。

 

しかし、だからって原発で良いのか?ぼくがそこから感じるのは将来の夢も子供の事も考えない薄汚い大人たちの目先の利益にしか見えない。エネルギーが原発しかないのであれば選択肢もないのだろうが他に選択肢があるのに目先の金ほしさで無理やり原発ってのは筋が悪いよ。原発が必要ないのに持ち続ける意味はない。今原発があるから使わねばという発想は百姓の貧乏根性だ。

 

おおい原発の地元では原発関連の税金が財政の半分を占めていて早いとこ原発が再開してくれないと旅館もタクシーもレストランもあがったりだと。街には立派な保養施設があり毎年数千万円の赤字を出しても原発の税金で賄えるし、そこで働く人には大事な働き口だと。

 

何か根本がずれてないか?タクシー?旅館?ずれてないか?もう一度根本に返って考えなおしてみないか?人生を博打と考えるならおおい原発もありだろう。しかし得るものがタクシー代や宿泊費であり失うものが人生でありこれからずっと住めなくなる故郷だとすれば、あまりにリスクばかりが高いリターンが少ない博打ではないか?

 

原発がなかった時代に戻って、もう一度農業なり漁業なり地道にやっていこうって考えれば、今でも遅くはないと思う。

 

100年前、ぼくらは原発を持っていなかった。その時に「原発は絶対に必要です」とは誰も言わなかった。なくてもやっていけた、人々がちょっと我慢すれば。夏になると電力が7%不足するとか言ってる。我慢すれば?それだけの事でしょ。自宅のクーラーを切ってオフィスの電気を夕方6時に止めて、それでも仕事したければバケツに水を汲んで足を突っ込んで仕事すりゃいい。

 

実際に1960年代にオフィスで仕事をしてた連中はバケツに足を突っ込んで働いていた。やり方しだいでどうにでもなる。あえて原発という時限爆弾を抱える必要がどこにあるのか?電気を人質にする政府のやり方も頭に来るが国民もそんなのに巻き込まれずに自分の頭で考えよう、原発のリスクと利益を比較してみれば長期的には原発は今の日本には合わない勘定だ。

 



tom_eastwind at 14:17│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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