2012年05月18日

大東南亜細亜共栄圏 遙かなるメコン

シンガポールからバンコクに向かう飛行機の中でフライトフィフォメーションを見ているとだんだんヘンテコな既視感がしてきた。あれ?この逆三角形のインドシナ半島、東はベトナムから西はミャンマーまで一本の横線が見えてきた。

 

そうすると今年4月21日の日本政府による発表に繋がる↓

日本と東南アジアのメコン川流域5カ国による日メコン首脳会議が21日午前、東京都内の迎賓館であり、共同文書「東京戦略2012」を採択した。来年度から3年間で約6千億円の途上国援助(ODA)を日本政府が行うなどの支援策が盛り込まれた。日本が支援する対象事業の総額は2兆3千億円。高速道路や橋などの交通インフラ整備によって域内の「連結性」を高めて経済成長を後押しし、日本企業の進出を促すねらいがある。

 

次につい一週間ほど前のシンガポール地元の話↓

パナソニック日本工場を東南アジアに移転のニュースがシンガポールの日本人社会を駆け巡り、まさにその晩パナソニックの担当者の方の顔を見て、いろんな企業の駐在員がニコニコしながら「これからはシンガポールを中心とした東南アジア圏の時代だ、インドなんかに今行かされたらいつ帰ってこれるかわからないからな〜」とのちょっと酔ったダミ声。

 

なるほど、地球という規模から見ていけば自然な流れがここにある。21世紀が三極化されるってのは何度も書いたしアジアはひとつの塊になる、その時に中国とどう対応するかが日本の戦略の要であると分かっている。

 

人口12億人の中国とまともに戦って勝てる国などアジアには存在しない。けど発想を変えてアセアン(東南アジア諸国連合)+日本と考えればどうだろう?総人口数は8億人近くあるし日本にはまだ資金がありアセアンには真面目でよく働く若い労働者がたくさんいる。資金と労働力をひとつにする。更に自国で製品を作り自国で消費する地産地消が可能になる。

 

ミャンマーの人口は約4700万人、カンボジアでも約1400万人の人口がある。彼らの給与は中国よりも安く価格競争力のある製品は十分に中国製品に太刀打ち出来る。品質面で言えばMADE IN MYANMERの横にPRODUCED BY JAPANESEと入れる事で品質面でも優位に立てる。中国製よりも安いPANASONICがあればどうだろう?

 

米国は製造業に戻ろうとしているから米ドルが強くなる可能性は少ない。日本円が高いのは製造業が海外に商品を売る際には不利でも、そのお金を使って海外投資をすれば1ドル120円の時と比較して30%以上有利になる。ならば日本は製造業の中でも水や電気を使う中流下流の部分は東南アジアに移転させて技術開発研究と言った上流だけを日本に残せば良い。電気を使わなくなれば原発も不要だし水を使わなければダムも不要だ。

 

思えば家電などの製造業が軒並み赤字決算発表したり「これ以上円高が続くなら海外に出る」と息巻いていた企業の社長は予めこの路線を見据えていたのではないか。ある日突然出ていくのではなく、状況が出ていかざるをえないではないか、だから雇用は海外に流出するけど我慢してくれって事を既成事実として作り出す。

 

では受け入れる側の東南アジアのメリットは?これはひとえに対中共同防衛網である。この事を考えるときに大事なのは歴史である。例えばベトナムはここ百年はフランスに支配されたとは言え古代から常に最大の脅威となっていたのは中国であった。

 

越南というベトナムを意味する漢字は中国の領土を更に「南に越えた」地域という意味だ。中国の侵略の脅威に常に耐えて来たベトナムからすればメコン川一体の国家が協力して戦えるならありがたいことだ。

 

実はベトナムとカンボジアもしょっちゅう国境を挟んで戦争をしている。タイとカンボジアも国境を接して実弾撃ってる。シンガポールとマレーシアはお互い反目しあっている。けれどそれらすべての国と全く国境を接してなくて中国と違い自国を侵略するのではなく自ら進出して自国の技術を提供して支援をしてくれる心の優しい人々であれば各国の調停役としてもまさにうってつけではないか。

 

資金は出して高速道路や鉄道を作ってくれる。自国の工場を移転させて地元の若者を教育して採用してくれる。侵略はしない、自立を促してくれる。そう考えればアセアン側からすれば中国包囲網の要としてぜひとも三顧の礼で迎えたいところだろう。

 

手元に一枚の写真がある。グアム、サイパンに進出した日本は地元の歓迎を受けながら農業や漁業を発展させてサイパンの日本人は約1万人が敗戦の日まで地元の人と共に島で生活をした。

 

そう、日本人は何故か他国を侵略するという発想を持たず彼らの自主独立を支えていく性質を持っているのだ。そしてそれを知っている東南アジアの人々は、英米軍によって一度追い出された日本人を再度受け入れてくれるのだ。

 

けれどそれは日本人全体を豊かにするという事ではない。これから日本に起こるのはさらなる二極化である。片方は「大学は出たけれど」という映画の主人公のように、少々優秀でも大臣になれない学生は失業、片方では帝大を卒業して「末は博士か大臣か」と呼ばれるような飛び抜けて優秀な一部の人材か?どちらかになる。

 

つまりこれからの日本に起こるのは中流から下流の製造業がすべて海外に出ていってしまい日本に残る仕事は本当に高度な最新先端技術開発者か、彼らの為にパンを焼いてお弁当を作って毎日の国内需要を支えるサービスワーカーのどちらかになるのだ。



tom_eastwind at 15:23│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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