2012年05月31日

明日への讃歌

★記事抜粋開始

焦点:広がる「日本脱出」、個人マネーは安全求め海外へ

[東京 29日 ロイター] 起業家の小坂博志氏が立ち上げた日本人向け海外不動産購入支援サイト「暮旅(クラタビ)」は、一般的な不動産情報サイトとは、かなり趣を異にする。

 

「命とお金、しばらく日本を離れてみませんか」という文句がトップページに浮かび、きらびやかなコンドミニアムなど物件情報の代わりに掲載されているのは、日本の公的債務残高や財政破綻シナリオなど、格付け機関かと見間違うかのような情報の数々だ。

 

こうした「日本からの逃避」を指南するサイトは最近急速に増えており、財政破綻を懸念する預金者が、資金の安全な避難先として海外不動産を探すのに一役買っている。日本経済の先行きに対する悲観論の深まりを背景に、書店では「日本脱出 この国はあなたの資産を守ってくれない(午堂登紀雄著)」などの本がベストセラーとなり、ニュージーランドからマレーシアといった国々では、日本人によるセカンドハウス購入がブームとなりつつある。

★抜粋終了

http://sp.reuters.co.jp/article/vcJPboj/idJPTYE84T05G20120530

(原文執筆:Stanley White記者、翻訳:宮井伸明、編集:梅川崇)

 

この記事にでてくる小坂氏とは偶然だが2年ほど前に名刺交換したことがある。非常にまともな人物であり当時彼は確かに海外物件を扱っていたが、へー、最近はここまで過激にやっているのかとちょっとびっくり。

 

マレーシアはジョホールバルでイスカンダル計画が進んでおり日本のロングステイ財団も力を入れているからリタイアメント層に人気がある。不動産購入も面白いと思うのだが、ただ注意すべきは最近随分多くの日本人自称不動産会社が不動産ビジネスに参入しており、彼らは以前はマカオの不動産物件を扱っていたとかでネットで経歴を調べてみるとあやや?というのもある。

 

小坂氏のようなまともな人物や昔からマレーシアに力を入れている会社はきちんと仲介するから良いと思うのだけど、もし「あなたも10億円の資産が作れる!」みたいな宣伝文句はご注意だ。

 

ニュージーランドは移住対象地としてマレーシアやシンガポールと比較されることがあるが比較になるのか?と素直に疑問に思う。

 

一年中暑い所が好きでビジネス活気があって真夜中までお店が開いているってなら当然シンガポールやマレーシアだけどニュージーランドは一応二季があり東南アジアに比べれば彼らのようなビジネス活気はないしお店は夕方に閉まる。

 

人生の活気という意味ではスポーツを楽しみ自然を楽しみ週末のBBQを楽しみ、その意味では十分に楽しいが、決して一旗上げてみようと言う国ではない。

 

「命とお金、しばらく日本を離れてみませんか」であればどこの外国でも良いわけで、国を選択する条件としては言語、治安、物価、医療、教育だろう。

 

言語であれば日本人に一番馴染むのが英語だからニュージーランドは英語圏であるのでOKだろう。マレーシアも一応英語は通じる。ニュージーランド英語は訛ってるのでは?と聞かれることがあるが、これは訛っているのではなくクイーンズイングリッシュだから米語を学んだ日本人にわかりにくいだけだ。

 

例えばレンタカーを借りる時に「トランクは?」と聞けば「ブーツの事だね?」と聞き返される。英語と米語の違いだ。ガソリン(Gasoline)を入れようと思ってもガスステーション(Gas Station)はない。ペトロールステーション(Petrol station)ならある。これも単語の表現の違いだ。

 

治安はどうだろうか?NZでは警察が普段拳銃を携帯してない。警察の武装は犯罪者に対するストッピングパワーなので日常生活で銃を使った強盗犯罪などが殆どないからだ。

 

かと言って決して天国ではない。犯罪は存在する。ただし犯罪の殆どは経済犯でありNZは経済格差が米国ほどにひどくないし自分がカローラに乗ってて隣の家がマーク2に乗ってるくらいの格差ならあえて泥棒をする必要もないからあまり大きな犯罪が発生しない。

 

物価は決して安くない。移民一世として渡航するなら最低でも最初の1年の生活費として400万円、2年目は300万円、3年目でやっと生活が安定してプラマイ0くらいと考えればマレーシアの方が圧倒的に有利だ。

 

これは僕が常に説明会で話す事だし無料問合せの際にも必ず質問事項に入れておくのだが、移住には資金が必要だ。いくら必要かはその人が事前にワークビザを取得できるか永住権を取得して仕事を見つけることが出来てるか、それとも金融資産の金利で生活出来るのかなどで変わる。

 

ちょっと話はそれるが移住をお考えの方はこの点はぜひとも理解して欲しい。資金の問題もワークビザの問題も分からないで「移住相談を受け付けます」なんて輩がNZにもいる。とくにここ1年で急激にシロウトが増えたので彼らのウェブサイトを見て「お、おれでも行けるかも?」と思うのは自由だし、数日前に書いたようにある程度の条件さえクリアーすればいけるが、その為には準備するべきことがたくさんある。

 

「とりあえず来てみるべきです」なんて助言は最悪だ。事態を最悪に追い込むだけだ。来るための準備、ここで何が必要かも理解せずに仕事ほしさに助言する輩には充分気をつけて欲しい。これはNZでもマレーシアでも同様だ、とくに不動産屋は不動産を売りたいたが為に調子の良い事ばかり言って、一旦売りつけたら後は知らん顔である。

 

僕の仕事はある意味お客様にダメ出しをして問題点を指摘して「今のままでは移住出来ませんよ、あなたは移住する前にこれとこれをして下さい、そうでなければ移住は出来ません」と伝えることだ。夢は持つべきだが夢を叶えるためには毎日の努力が必要なのだ。

 

話を戻して、医療について。マレーシアとは言っても隣にシンガポールもあるしお金さえあれば高い品質の医療は受けられる。NZで医療のレベルが低いという人がいるが、当社は医療通訳チームもいるし彼らは全員日本の看護師資格を持っているし病院内にオフィスを置いているので実態がよく分かる。

 

NZの医療は低いのではない、むだな薬を出さないだけなのだ。そして病院訪問者が「先生、何か具合がわるいんですけど〜」と言うと「あなたにわからないものが私に分かるわけないですよね」となる。

 

つまりNZの医療は税金で賄われており必要な医療は提供するけどむだな薬を出すのは税金の無駄使いと考える。また病院やお医者さんは寂しい人のおしゃべり相手ではない。日本では薬をたくさん出す医師やどこが悪いかをわからないままだらだらと寂しい人の話を聞く医師が良いと言われてるそうだ。

 

しかし彼らが医療費として政府に請求する費用はそのまま国民の税金で賄われるのだ。増税は嫌だけど薬もおしゃべり相手も欲しいしなんてわがまま言ってたら、そりゃ医療も崩壊するわな。

 

教育については問題ないと言えるが、それは両親が何を期待しているかによる。日本の有名大学を卒業させて日本の一流企業に就職させてと考えるならそれはNZはちょっと方向性が違うだろう。この国では子供を自発的に物事を考えさせる教育を行うし15歳で学業を終えて親の農業を手伝う子供もいる。

 

だから子供が高等教育を学ぶのであれば本人が周囲の子供に振り回されずしっかり勉強剃る必要がある。いずれにしても子供次第だがヤル気があれば西洋社会で通用するバイリンガルの学生が出来上がる。

 

このように「どこの国に住むか?」はそれぞれ具体的に重要な点を切り出してそれを移住希望国ごとに比較することだ。

 

長くなるのでまた明日。明日への讃歌はアリスの名曲です、ぜひとも一度聴いてみて下さい。



tom_eastwind at 19:15│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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