2012年06月04日

職住切り離し その2

昨日の説明が少し大雑把過ぎたのでもう少し具体的に書いてみる。

 

美味しんぼの原作者がシドニーで子育てをしながら東京の出版社とファックスや電話でやり取りをしてたのは有名な話だ。数カ月に一度日本に行き取材をしてはシドニーに戻り原作を書く。

 

日本で不動産を持っている人も移住可能だ。不動産管理は管理会社を設立して親戚に任せるか不動産会社と契約をしてテナント及び物件管理をしてもらう。家賃収入がニュージーランドでの生活費をカバー出来るようなら(4人家族で年間6万ドル)移住して起業家ビザを申請する。

 

初期投資に2千万円くらいかかるが一旦起業家ビザが取得出来ればそれから3年は合法的に永住権保持者とほぼ同様の権利(医療、教育)を認められて生活が出来る。

 

子供と母親だけをニュージーランドに住まわせる「ガーディアンビザ」もあるがこの場合学費が国際留学生扱いになるし学生保険にも加入する必要がある。学費は公立で年間100万円程度かかる。

 

それに子供の学生ビザが終了したら日本に戻らねばならない。もし5年計画だとすると相当な出資になるし5年後以降も住めるという権利は確保出来ない。それなら初期投資はかかるが起業家ビザを申請した方が結果的に安上がりだし永住権も付いてくる。

 

では日本で現在社長をしてて仕事はうまく回っている場合はどうするか?企業のサイズにもよるがまず自分が社長を退任して会長なりの地位に移動する。そして日本の会社と関連のあるビジネスをニュージーランドで立ちあげて起業家ビザを申請する。

 

これなら日本の本社と売上調整をしながら経営出来るので黒字化は比較的容易だ。このあたり経営者の方であれば僕の言ってる意味は分かるだろう。

 

では開業医や弁護士など法的に日本でしかビジネスが出来ない職種の場合は?この場合も起業家ビザを取得することは可能であるが実際の、例えば医師であれば医療は行えない。カウンセリングはOkだが直接患者の体に触ることは出来ない。

 

この分野はまだNZ側で法整備されていないがセカンドオピニオンサービスはありかもしれない。これから増えていくNZ在住日本人向けに、例えば子供向けであれば葉の磨き方からプラントとは何か、やるならどちらの国でやったほうが良いのか、そのメリットデメリットの説明だ。レイシックも同様だろう。

 

要するに法律が想定していない分野で新たにビジネスを構築するわけでそれがNZの利益になるのであればOKだし、そうでなければNOだ。これを判断するのは移民局である。移民局がOKと判断すれば起業家ビザを取得できるし2年間経営が順調であれば永住権取得も出来る。

 

その後に法改正がありオピニオンサービスが免許制になったらその時点で免許を取得すれば良い。ニュージーランドではこのようなケースでは免許制になる前からサービスを提供していれば免許の取得はかなり容易である。

 

いずれにしても起業家ビザは初期投資が2千万円程度かかるのでこの費用をどう調達するかはその人の環境によって異なる。(資金的に難しいという人はシェフなどワークビザから入る道もある)

 

僕の見えている近未来とは殆どの日本人の給料が下がり社会負担が増税し可処分所得がなくなり、毎日自宅と会社の往復をして何とか生活は出来るがそれ以上は何も出来ない状態である。

 

転職しようにも一度失敗すれば二度と元に戻れないから現在の会社にしがみつく。会社はそれを利用して厳しい労働条件を突きつけて更に会社への忠誠を誓わせるからストレスが溜まり時々行く新橋ガード下の居酒屋が唯一の息抜き場所となる。

 

今でもそうじゃないかと思うかもしれないが、今以上にシステム的に可処分所得が減少していき、気づいた時は何の選択肢もなく国家の敷いた路線を歩くしかなくなる。右向け右!と言われたら何故と聞いてはいけない、すぐに右を向くのだ。跳べと言われれば何故?ではなくどれだけ高く跳びましょうかと聞くのが正解になる。

 

いくらなんでもそんな事〜と思うかもしれないが、1910年代からの大正デモクラシーで言論の機会を得た多くの日本人も同じように「まさかそこまで〜」と思っていた。ところがいつの間にか時代が変わった。国民が空に向かって手を広げていた時代、政府は彼らの足を縛る改革に出たのだ。

 

最初に起こったのは1923年の関東大震災である。これを偶然の契機として政府が次々と新法を導入した。その内の一つが1925年に制定された治安維持法である。その後1928年に改定され実質的に日本は独裁国家と変貌した。

 

その間国民は何が起こったかも分からずに政府の言われるままに行動し若者は徴兵されてシベリアや中国戦線に送り込まれ働き手を失った農村は疲弊した。残された者は他に出来ることもなくひたすらコメを作り続けた。そして日本は戦争に突入した。

 

今回の動きはどうも戦前の日本と同じような動きであり、戦前より賢くなった政府は真綿で首を絞めるように少しづつ法律改正を行い最後には日本から脱出できない状態にした上で国民を「平等化」させる。相続法改正、海外送金実質規制、所得税最高税率増税、預金課税、資産課税、様々な方法で人々を平等化させる。

 

政府が狙っているのは1400兆円と言われる個人資産でありこれを取り上げれればハイパーインフレーションを起こす必要はない。その為の法整備は着々と進んでいる。

 

元々日本政府(官僚)の基本的な考え方は一部の特別に優秀な東大法学部卒業の人間だけが支配層となりそれ以外の99%の愚かな国民を指導していくのであるから、政府が認めない形での独立起業なんてすぐに潰すしいやしくも正しい政府を本気で批判するような人物は危険人物と見做されて国策逮捕である。

 

愚かな国民が個人資産を無駄使いするよりも賢い政府がすべて取り上げて全国民に平等に再配分するのが正義なのだと考えている、ある意味戦前の北一輝などが主張した共産主義に近いのである。

 

考えてみれば1990年までの日本は明治の日清日露戦争に勝利したイケイケドンドン時代と重なるし大正デモクラシーで人々が発言するようになったのを2001年から2006年までの小泉政権時代に起業家ブームが盛り上がった。

 

ところがその後急激に官僚が力を取り戻して政治の乱れを利用して自分たちの望む国造りを始めた。起業家は叩かれ逮捕され公務員になるのが若者の「なりたい職業」の上位に来るようになった。

 

そりゃそうだ、国家と喧嘩しても勝ち目がないのはよくわかった、ならば官僚の下請けである地方公務員にでもなって岡っ引きの立場になった方がましだ。国家統制が強くなる時代、こう重ねてみれば次に来るのも自ずと見えてくる。

 

時代は繰り返すという。本当にそう思う。過去の歴史を学びそのどの地域のどの時代の歴史がこれからの日本の歴史と重なるかを自分なりに検証していけば、自ずと答えは出ると思う。



tom_eastwind at 12:50│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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