2012年06月05日

戦う場所を選ぶワークビザ

旦那を残して奥さんと子供だけニュージーランドに引っ越すのもひとつの手段と書いた。ガーディアンビザだ。料理が出来ればワークビザからってことも書いた。でもって今日は本当は投資家ビザの要件を書こうかと思ったが、ここ数日続けてブログにいろんなお問い合わせを頂いたので少し追加で書いておく。

 

ニュージーランドの移民局は地域によって大きく対応が違う。日本感覚では理解出来ないだろうが本当に違う。オークランドの移民局で働いてるパキスタン難民のオフィサーとか中国の山の中から出てきたオフィサーは、日本人が容易にビザを取る状況にイライラしている。

 

ふざけんじゃねえや、俺たちゃ命賭けて何とか出国して必死の思いでこの国のビザを取ったってのに、日本人だきゃあまるでピクニック感覚でビザ取りやがって帰る国さえあるじゃあねえか、ちぇ、おれの担当の日本人には厳しくしてやれって気持ちになる。

 

ところが白人比率の高い南島では「おお、日本人かい、おいでおいで、ワークビザ出すよ」って環境がある。地域と時期と職種によって必要とされる異なるため、オークランドでワークビザを取得出来ない場合でも南島のある地域では取得出来たりするのだ。

 

じゃあ今のニュージーランドではどこの地域でどんなワークビザなら取れやすいか?絶対とは言わないが今日問い合わせを頂いた方のケースならご主人の経歴がしっかりしている。お金的に無理をせず、まずはご主人がワークビザを取得する為に行動を起こす方が良いと感じた。

 

ここで難しいのは、ニュージーランドの場合は「ほう、それが出来るなら雇うよ、来週からシフトに入れるから来てくれ、え?何、一旦日本に帰って一ヶ月後に来る?だったら面接も一ヶ月後に来てくれ、その時に職があるかどうかわからないがな」である。

 

Now OR Never” この社会では明日から来れない人は採用対象ではない。随時採用とはそういう事だ。NOW,速攻で戦力になるのならすぐ採用する。でなければNEVER

 

アメリカ製の映画でも時々そんな場面を見ないだろか?

少年が町工場を歩き回り「ぼく、何でも出来ます、使って下さい」

経営者は「ほう、健康そうだし、じゃ今からあそこにあるタイヤを隣の工場に運んでくれるか?」

少年は嬉しそうにやっと筋肉の付き始めた細い腕のシャツをまくり「YesSir!」と言ってその場でタイヤを担いで運ぶ。

 

こんな場面で「分かりました、じゃあ今から自宅に帰って準備をしてお母さんたちに話をして皆の許可を得てから来週ご連絡をさし上げてお伺いすることになるかと思います」なんて言ったらボスは「は〜?一昨日来い」で終わりだ。

 

ここで難しいのが、では日本を引き払ってニュージーランドで本当に仕事があるのか、仕事が決まったとしてすぐに働き始めた場合、日本の片づけはどうするのかという問題がある。数日前に書いた「両手に紐は持てない」だ。

 

こんな時は料理の腕のある方が先に渡航する。残った仕事は相方が子供を学校にやりながら何とか頑張る。たぶん3ヶ月で結論が出るだろう、出来るか出来ないか。

 

先乗りした方が「やっぱダメだったよ」となれば一旦元々の仕事に戻り次の方法を検討する。もしかして先乗りした方が雇用者から「おお、いいね、ビザ出すよ」と言ってくれればしめたもの、ではない(笑)。

 

ここがコツ、常に退路を確保しながら戦う方法を展開する必要がある。その店で本当にビザ発行の書類にサインをしてくれるのか、現在のこの地域でのショーテージリストにあるのか、できる限り確認をしてビザ申請をする。その間撤退先の日本の店は継続する。

 

おそらく最初の数週間はドキドキだろう。そして、ある日突然パスポートが普通郵便で移民局から送り返された時は、まさに地獄から天国に舞い上がった気分になる(これは何百件と見てきた)。

 

それから日本の住居などは相方に整理させて出来るだけたくさんの金をカバンにつめ込んで、じゃなかった(笑)、そんな事やったら法律に引っかかるので、きちんと先乗りの口座に銀行送金する。その時の名目には堂々と「生活費」と書く。ビザコピーを見せれば問題ない。

 

もちろんこれもブログ上なのでかなり大雑把に書いているので注意していただきたい。職種、年数、性格、病歴、犯罪歴、英語力、就職する地域の現況、将来性、事前調査すべき点はたくさんある。

 

本当に移住ってのはカンボジアの田舎の元戦場の闇夜の地雷原を歩くようなものだ。金があれば誰かを雇って先に歩かせて、そいつが吹っ飛んだら「お、ここは歩けるな」となる。けれど人を雇えない場合は自分で地雷原に入っていくしかない。

 

ただ、移住とは、「深くて暗い森を抜けた向こうに大海原があると信じられる人が辿り着く道だ」(これは僕の古い友だちの詩集の中の言葉だ)。

 

ましてやこの大海原、渡ってきたからと言ってそれだけで幸せになれるわけではない。古いお客様が美味しいケーキ屋さんを成功させているが、そこに至る苦労は生半可ではなかったし、今でも材料の仕入から店頭販売まで納得できるものを提供するために朝から頑張っている。

 

世の中、楽な場所などひとつもない。人は生きている限り苦労するに決まったものだ。けど、どうせ苦労するなら自分の得意な分野とか自分の好きな場所で苦労したい、その為に戦う場所を選ぶ。それが移住だ。 



tom_eastwind at 18:04│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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