2012年06月23日

ニュージーランド産の水が日本で販売!

今日は小ネタです。

 10日ほど前の記事だが、遂にニュージーランドから日本向けにミネラルウォーターの大容量タンクによる海上輸送が実施されたそうだ。24トン相当の飲料水を日本に送り飲料水充填工場でペットボトルへの充填に成功したとのこと。

 

以前から多くの日本人が「この水、日本に送られないかね〜」と言ってたが、商業用に水を送るとなると大企業でなければビジネス的に難しい。水源の確保、輸送、日本の成分検査など、とにかく手間暇と時間とお金のかかる作業であり、ちっちゃな会社が取り組むことは事実上不可能だった。

 

今回このビジネスを手がけたのはオークランドに本社がある日系企業だが、確かにこりゃ大手だわ。ぼくらの住む業界では有名な日本人でもありながら一般的な日本人社会には殆どその存在は知られていない。

 

ニュージーランドの水が美味いのはこの国に住んだことのある人なら誰でも知っている事実だ。ぼくが最初に住んだクイーンズタウンのワカティプ湖という湖の水は、そのまま湖水の水が飲めて、これが透明で甘くて実に美味しい。南島の山裾の沢に流れる水も一切手を加えることなく飲める。

 

それは自然を守るというキーウィの長年の姿勢が今の自然の素晴らしさに繋がっている。そうは言っても1800年代後半は英国からの植民が自然など考えずにどんどん木を切って英国に送り家具にしていたのでオークランド中心地には殆ど森林がない。

 

気づいた人もいるだろうが、オークランドの海は日本のような潮の香りがしない。それは森の木や土から流れ出る栄養素がないために海に栄養が届かず海にミネラルも溜まらずにそのまま蒸留されて次の雨になるからだ。

 

南島最南端のスチュワート島に行くと非常に強い海の香がする。ここは島全体が国立公園になっており昔からの手付かずの森林と川と湾に囲まれた海が好循環して、雨→森→土→川→海→蒸発して雨→と良い連鎖がおこっているからだ。島の港に行くと水が透き通っており桟橋から見下ろすとたくさんの昆布が自生しているのが分かる。

 

ニュージーランドだって最初から自然が豊かだったわけではないし、最初は自然を破壊するところから始まった。けれど今は自然と共生することの大事さをよく理解している。白人の中では珍しいとも言える。これでもう一歩踏み込んで、人間も動物も植物もすべて自然の中では平等であり誰かが一番だなんてないんだよって分かってくれればなと思う。

 

それにしてもこれから日本でニュージーランドの水が売られるようになるのはとても嬉しいことだ。



tom_eastwind at 13:35│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

トラックバックURL

この記事にコメントする

名前:
URL:
  情報を記憶: 評価: 顔