2012年07月28日

攻めのワーキングホリデイ

★抜粋開始

現在の最低賃金(時給)は、北海道705円、東京837円、愛知750円、大阪786円、沖縄645円などとなっており、全国平均で737円です。これを7円引き上げて全国平均で744円にするというのが、今回の答申です。

 時給744円で週40時間、年2000時間働く場合、年収は1488000円にしかなりません。時給837円の東京でも1674000円にすぎず、200万円を下回ってしまいます。

 これから税金や社会保険料が引かれ、電気代を含む水光熱費や家賃がかかります。実際に使える可処分所得はずっと少なくなるでしょう。

★抜粋終了

 

ニュージーランドの最低賃金は今年も値上がりして現在は13ドル50セントだ。現在の為替レート1NZドル=65円で計算すれば877円50銭。NZの為替はたった1年で1ドル40円から100円まで激動するので今日の肌感覚レート1NZドル=80円で計算すれば1,080円だ。

 

なのでこれだけ見れば単純にマックで働くならNZで働いた方が収入が多いという事に気づく。但しNZでは交通費も住居手当も支給されないので、もし交通費を給与とみなすなら日本の方が良いかもしれない。

 

マックで働くのは多くは自分の家の近くで働くし移動は車なので交通費は安い。住居手当と言っても親元に住んでいればそれも不要だ。親元を離れてシティでフラットシェアをする場合、一人当たりの一ヶ月の家賃は600ドル、約4万円である。シティのマックなら徒歩圏内なので交通費不要。

 

食費はまとめ買いして友達と一緒に料理を作れば一ヶ月で200ドル程度、約13千円だ。あとは電話代(ひと月50ドル程度)とビール代が中心だろう。医療は無料なので貯金の必要はない。

 

年に2000時間働けば1755千円だ。ここから税金として引かれるのは約15%なので残りを12ヶ月で割ると一ヶ月手取りは約124千円となる。マックを卒業?してから専門学校に行こうと思えば政府から学費を借りることが出来るし学生期間中は学生手当が出る。医療は基本無料だし失業手当、老齢年金も充実している。

 

となれば将来をあまり大きな夢を描かずにこじんまりと生活するのであればニュージーランドの方が良いのかも、なんて思うのもひとつの夢だろう。

 

日本はホームグランドだし言葉の不自由もないし人種差別もない、けれど経済面だけを考えたら、うむむ、大学出ても正社員になれずパートばかり繰り返してきて、今更日本で上に行けそうにないし、それならいっちょう若いうちに羽ばたいてみますか!

 

実はこれがワーキングホリデイビザの枠にぴったり収まる。年齢は31歳以下で一生に一回一年しか取れないけど、その一年で頑張って働いて現地でワークビザを取得、数年後に永住権申請ってパターンだ。

 

この道で永住権を取得した人は多い。技能移民部門で申請するのだが、ただしこのビザは景気に影響される。失業率が現在のように6%を超した場合は審査が厳しくなる。6年前くらいなら失業率3%だったので取得しやすかった。8年前ならワークビザを持っている人に「永住権申請しませんか、すぐ通しますよ」という招待が来てた。

 

ただしこの枠で来ることの問題点がある。それは永住権が取得出来て結婚も出来て子供も作れて、ここまではわりかし円滑に進むのだが、その先、40歳くらいになると「自宅を購入するほどの給料がもらえない」とか「日本に里帰りが出来るほどの収入がない」となる。

 

ここで彼らの両親にお金があり子供の移住に前向きであれば資金送金をしてくれるだろう、航空券を買ってくれて可愛い孫の為に小遣いをどーんと渡すだろう。しかし両親が子供に「戻ってきてもらいたい、家業を継いでもらいたい」となると、これはもう兵糧攻め、金が欲しければ日本に帰って来いである。

 

なのでワーキングホリデイから始まり永住権取得、40歳までは何とか楽しくいけるが、その先を両親のお金に頼らずにやっていこうとなると相当高い能力を要求されるか苦しい生活を余儀なくされる。

 

永住権取得出来たらまず専門学校に行きなおして高等学問を身に付けて資格が生かせる、自宅を購入出来る、具体的には年収10万ドルを目標と出来るような業種を探す必要がある。

 

そう、こう考えてみれば実はワーホリ取得してくる前に、日本で学べるものがあればマックで掛け持ちバイトでもしながら将来の専門学校で学ぶ際の何らかの予備資格を取っておくと、将来がかなり楽になるのが分かる。

 

具体的にはIT,看護師など移民局のリストに掲載されている職種を見ればイメージがわくと思う。ただリストにあっても意外と仕事が見つからないのが会計士だったりするのは皮肉、このあたりは公式データと実態の比較をして自分が渡航する時期にその実態がどのように変化するか分析しておく必要が有る。もちろん英語力は必須だ。

 

こうやって見ると、今までどちらかと言うとワーキングホリデイは「ホリデイ」の部分が強調されて日本ビジネス社会では評価されなかったが、最初から海外に住む、その為の第一歩と考えれば攻めのワーホリと言える。

 

いやいや、攻めをするくらいならすでに日本国内のビジネス社会で頑張ってますよとなるのかもしれない。そうだろうね、今の日本が合う人はそれもOKだろう。ただ日本人の価値観が合わず年齢的に31歳以下であれば、まだ若いのだ、失敗しても楽しかったと言えるうちに挑戦してみればどうだろう。

 

ちなみに今のNZの環境大臣のTimGloserの親父はミュージシャンで、1960年代に戦争で荒廃して経済が疲弊した英国を出てその頃世界で三本指に入るほど豊かだったニュージーランドに移住した。今では考えられないが、英国から経済的事情で移住先がニュージーランドという時代もあったのだ。

 

今までの日本なら確実に日本の生活のほうが豊かで収入も多く安定していた。けれど10年後も同じと言えるか?てか、一箇所に張り付いて一所懸命に苦労することだけが立派なのか?日本人も中国人のように世界をまたにかけてその時一番未来のありそうな国に移住する、10年単位で次の国に移住する、そういう大胆な発想があっても良いと思う。



tom_eastwind at 13:09│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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