2012年07月29日

私の英語、ちゃんと相手に伝わってます?

ぼくのブログは毎月少額ながらお金を払って登録しているのだが最近は頻繁にウェブ広告が入るようになった。アフィリエートをやってるわけでもないのだが、サーバー側の判断で自動的にブログ内容に合致した広告が掲載される仕組みなのだろう。

 

http://www.fruitfulenglish.com/customers_public/index.html

 

このウェブ広告は添削会社が英語添削をするって事で、ほー、面白いビジネスだ。「文章は常に書く訓練をしておかないといけない」のは、そうだと思う。単語もそうだ、

 

考えてみればパソコンのキーボードも同じで、いつの間にか忘れてしまった漢字の多いこと多いこと。時々意識してメモ紙に漢字を書いて訓練するのだが、ほんっと、忘れてる。

 

日本のビジネスマンが外国と取引をする時に英文メールを発信するが、英語の意味を取り違えてたりすると笑えない話になる。古い話だがある会社が宣伝である歌を取り上げた。歌詞のど真ん中にMakeLoveってのがあって、担当者は「恋をしようよ」って意味だと思ったのだろうが世間に流れるや大変な騒ぎですぐに回収された。だから正確な言い回しは理解しておく必要がある。

 

ただし添削のしようがない英語翻訳があるのも事実だ。ぼくは仕事柄よく通訳をするが、日本のビジネスマンが話す内容は時にはキーウィには意味不明であり、何故そういう理屈になるのか分からない。このような時は直訳ではなく意訳をする必要がある。

 

笑い話でこんなのがある。日本人と中国人ビジネスマンがお互いの通訳を入れて国際会議を行った。最初日本人ビジネスマンがずっと話し続けた。ところが中国側の通訳は全く訳そうとしない。中国人ビジネスマンが通訳に「おい、どうしたんだ、彼は何か喋ってるようだが?」通訳は一言「彼は何も喋ってません、少なくとも意味のある事は」

 

日本人の言葉には美辞麗句や季語やなんやらかんやら、とにかく西洋的なビジネスには全く関係のない話が出てくる。

 

日本人同士ならそれでも理解出来るのだが、ビジネスとはビジー(忙しい)という意味であり、機関銃使って戦場で戦っている時に武士が飛び出してきて「我こそは明智末裔の武士である斉藤どらえもんである〜!どいつか戦う奴はいらっしゃいませんか〜!」と言ってるようなものだ。そんなもん機関銃の一掃射で打ち倒されて終わりである。

 

だから最初から話が噛まないままにお互いにだんだん白けてきて「おい、今日はなんでここにいるんだっけ?」という話になる。

 

例えば不動産の交渉であれば相手方から「こんな物件はすごくいいぞ、どうよ」と聞かれてただ単純に相手の意見を否定するのは良くないと思い「はい、そうですねOh,it’s good」とだけ言ってしまうと、それはもう「興味がありますI’m Intresting 」という意味になってしまう。

 

だからさらに突っ込まれて物件の説明が長々と続き、最後に「けどこれは結構です」というと相手の顔色がさっと変わって「おい、ここまで言わせといて今更なんだ!」という事になる。この場合は最初から「はい、そうですね」は「ふーん、で、次は?Fm, What next ?」と通訳するのが正しい通訳となる。

 

そして更に難しいのが、英語以前の問題で日本語がおかしい、つまり思考回路そのものがおかしい場合である。これはもう英語が通じるとかどうとか以前の問題である。

 

例えば22歳地方大学卒業で英語が殆ど話せない女学生が

「わたし、ニュージーランドに移住したいんです!」

「そうですか、それではまず英語力と職務経験と〜」

「そんなの何もありません!けど頑張ります!何でもやります!」

「では何が出来るのですか?」

「何でも出来ます!」

「けど英語力も職務経験もなくて何が出来るのですか?」

「だから何でも出来るって言ってるじゃないですか!」

「けど、英語出来ないんですよね」

(無言で睨み)「何で分かってくれないんですか!?」

 

西洋社会では論理性を大事にするし、数字を常に出して具体的に何がどうなのかを説明する必要がある。けれど日本では今でも「頑張る!」で話が通るし周囲のアンポンも無責任に「がんがれ!」と言って後になって「おれ、知らんし」で終わる。

 

現地の弁護士からすれば「私の英語、伝わってますか?」以前の問題である。日本的な泣き落しやお涙頂戴は全く通用しないのだ。英語が伝わってないのではなく日本的なご無理ごもっともな泣き落し戦法が相手に伝わってないだけなのだ。

 

「私の英語、伝わってますか?」以前に「私の論理、合ってますか?」と考えるべきなのだ。相手側に立ってみれば、英語も出来ない職歴もない小娘が移住したいと言っても、それがニュージーランドの利益に繋がるかどうかがすべてである。どうせやるなら

「わたしに永住権を発行すればこの国は毎年100万ドルの外貨を稼ぐことが出来ます」とか具体的な数字を提案することだ。

 

いずれにしても3・11からこっち、移住する日本人が激増した。去年までは楽勝で永住権取れてたケースでも色々とチェックが入るようになった。それはNZ政府として緊縮財政を採用して教育や医療についてタダ乗りを防ごうとする方向に向かっていることを意味する。

 

キーウィ自身の医療と教育の削減をしている時に外国人に永住権を発給する場合は自国民を納得させる理由が必要となる。あなたが今すべきなのは、彼らの立場に立っていかに自分に永住権を発行することでNZ経済及び雇用に貢献出来るかを西洋的論理で説明することなのだ。

 

私の英語、通じてますか?と聞く前に、英語の論理性を理解して相手の立場に立って考えてみるほうがずっっと実践的である。



tom_eastwind at 17:27│Comments(0)TrackBack(0) 諸行無常のビジネス日誌 

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